「顔が赤くて恥ずかしい」「メイクで隠しきれない赤みが気になる」そんなお悩みを抱えていませんか。与野エリア(さいたま市中央区)は、埼玉県特有の内陸性気候により寒暖差が大きく、赤ら顔の症状が悪化しやすい地域でもあります。特に冬場は北西の季節風が強く、乾燥した冷たい空気が顔の毛細血管を刺激するため、赤ら顔でお悩みの方が増える傾向にあります。
本記事では、赤ら顔の原因やタイプ、日常生活でできるセルフケア、そして医療機関で受けられる最新の治療法について詳しく解説します。与野周辺にお住まいの方はもちろん、大宮駅周辺で赤ら顔治療をお考えの方にもお役立ていただける内容です。
目次
- 赤ら顔とは何か
- 赤ら顔の主な原因
- 酒さ(しゅさ)について詳しく知る
- 与野エリアの気候と赤ら顔の関係
- 赤ら顔のセルフケア
- 医療機関で受けられる治療法
- 外用薬による治療
- レーザー・光治療
- 内服薬による治療
- 治療を受ける際の注意点
- まとめ
1. 赤ら顔とは何か
赤ら顔とは、何らかの原因によって顔が持続的に赤みを帯びる状態のことを指します。一時的に顔が赤くなる現象は誰にでも起こりますが、赤ら顔はその赤みが長時間続いたり、繰り返し現れたりするのが特徴です。
顔が赤く見える主な理由は、皮膚の下にある毛細血管の拡張です。顔の皮膚は体の他の部位と比べて薄く、毛細血管が密集しているため、血管の状態が皮膚表面に透けて見えやすい構造になっています。特に頬や鼻、額といった顔の中心部には毛細血管が多く、赤みが目立ちやすい部位といえます。
赤ら顔には一時的なものから慢性的なものまでさまざまなタイプがあり、原因によって対処法も異なります。単なる肌荒れや一時的なほてりと思って放置していると、症状が進行して治りにくくなるケースもあるため、早めの対策が重要です。
赤ら顔の主なタイプ
赤ら顔は、その原因や症状によっていくつかのタイプに分類されます。
まず、毛細血管拡張型の赤ら顔があります。これは毛細血管が拡張して皮膚表面に透けて見えることで赤みが生じるタイプです。寒暖差や緊張、飲酒などをきっかけに毛細血管が拡張し、そのまま収縮しにくくなることで慢性的な赤みとなります。
次に、炎症型の赤ら顔があります。ニキビや乾燥、皮膚炎などによる炎症が原因で顔に赤みが出るタイプです。炎症を伴うニキビを繰り返すと、赤みが慢性化してしまうこともあります。
そして、酒さ(しゅさ)と呼ばれる皮膚疾患による赤ら顔があります。これは顔面に持続的な赤みやニキビのようなブツブツが現れる慢性の炎症性皮膚疾患で、適切な治療が必要となります。
また、敏感肌による赤ら顔もあります。皮膚のバリア機能が低下し、外部刺激に対して過敏に反応して赤みが生じるタイプです。
2. 赤ら顔の主な原因
赤ら顔の原因はさまざまで、複数の要因が重なって発症することも少なくありません。ここでは代表的な原因について解説します。
毛細血管の拡張
赤ら顔の最も一般的な原因は毛細血管の拡張です。皮膚の下にある毛細血管が何らかの理由で拡張すると、血液中の赤い色素(ヘモグロビン)が皮膚表面に透けて見えるようになり、顔が赤く見えます。
毛細血管が拡張する原因としては、寒暖差、緊張やストレス、飲酒、香辛料の摂取、運動、入浴などが挙げられます。通常、これらの刺激による血管拡張は一時的なものですが、繰り返し刺激を受けることで血管が元に戻りにくくなり、慢性的な赤ら顔につながることがあります。
皮膚の薄さ
生まれつき皮膚が薄い方は、毛細血管が透けて見えやすく、赤ら顔になりやすい傾向があります。また、加齢によって皮膚のコラーゲンが減少し、皮膚が薄くなることでも赤みが目立つようになります。
過度な洗顔やピーリング、摩擦などによって角質層がダメージを受け、皮膚が薄くなることも原因となります。いわゆる「ビニール肌」と呼ばれる状態は、過剰なスキンケアによって皮膚が薄くなり、赤みが透けて見えやすくなったものです。
炎症
ニキビ、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎などの炎症性皮膚疾患は、赤ら顔の原因となります。炎症が起こると血管が拡張し、血流が増加するため、肌に赤みが生じます。
特にニキビは、炎症を繰り返すことで毛細血管が新生し、ニキビが治った後も赤みが残りやすくなります。この状態は「ニキビ跡の赤み」として長期間続くことがあります。
バリア機能の低下
皮膚のバリア機能が低下すると、外部刺激に対して過敏に反応しやすくなり、わずかな刺激でも赤みやかゆみが生じます。乾燥、紫外線、誤ったスキンケア、ストレスなどがバリア機能低下の原因となります。
バリア機能が低下した肌は、化粧品や洗顔料、花粉、大気汚染物質などの刺激にも敏感に反応し、赤みを生じやすくなります。
ステロイド外用薬の長期使用
ステロイド外用薬を長期間顔に使用すると、皮膚が薄くなり、毛細血管が拡張して赤みが生じることがあります。これは「酒さ様皮膚炎」または「ステロイド酒さ」と呼ばれる状態で、ステロイドの中止によって一時的に症状が悪化することもあるため、医師の指導のもとで適切に対応する必要があります。
3. 酒さ(しゅさ)について詳しく知る
酒さは、顔面に生じる原因不明の慢性炎症性皮膚疾患です。「赤ら顔」の原因として最も重要な疾患の一つであり、適切な診断と治療が必要です。
酒さの特徴
酒さは主に顔の中心部(鼻、頬、額、あご)に症状が現れます。30歳代から50歳代の成人に発症しやすく、統計的には女性に多い傾向があります。
酒さの主な症状には、持続的な顔の赤み、毛細血管の拡張(細い血管が線状に見える)、ほてりや灼熱感、ニキビに似た赤い丘疹や膿疱などがあります。
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、酒さは臨床的に4つの病型に分類されています。
第一に、紅斑毛細血管拡張型(1型)があります。これは顔の赤みと毛細血管の拡張が主な症状で、ほてり感やヒリヒリ感を伴うことがあります。両頬や鼻、額、眉間など顔の中心部から赤みが広がっていくのが特徴です。
第二に、丘疹膿疱型(2型)があります。赤みに加えて、ニキビのような赤いブツブツ(丘疹)や膿を持った小さな盛り上がり(膿疱)が現れます。ニキビと間違えられやすいですが、毛穴の詰まり(面皰)を伴わない点が異なります。
第三に、鼻瘤型(3型)があります。鼻の皮膚が厚くなり、凸凹と肥大して毛穴が目立つ状態です。主に中年以降の男性に見られます。
第四に、眼型(4型)があります。眼の周りの腫れや結膜炎、角膜炎を生じるタイプで、眼の充血やかゆみ、異物感などの症状が現れます。
これらの病型は明確に分かれているわけではなく、一人の患者さんにおいて複数の型が混在していることも少なくありません。
酒さの原因
酒さの正確な発症メカニズムは未だ完全には解明されていません。遺伝的要因、免疫系の異常、血管の反応異常、皮膚の常在菌(ニキビダニなど)の関与など、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
一方で、症状を悪化させる要因(増悪因子)はいくつか知られています。代表的なものとして、急激な温度変化(暑さ・寒さ)、紫外線、アルコール摂取、香辛料などの刺激物、熱い飲み物、精神的ストレス、激しい運動、刺激の強いスキンケア製品などが挙げられます。
これらの増悪因子を避けることは、酒さの治療において非常に重要です。
4. 与野エリアの気候と赤ら顔の関係
さいたま市中央区(旧与野市域)を含む埼玉県南部は、内陸性の太平洋側気候に属しています。この地域の気候特性は、赤ら顔の症状に影響を与えることがあります。
埼玉県の気候特性
埼玉県の気候は、夏は高温多湿、冬は寒冷で乾燥するという特徴があります。内陸部に位置するため海の影響を受けにくく、昼夜の気温差や季節間の寒暖差が大きくなる傾向があります。
特に冬場は北西の季節風が強く吹き、晴れの日が多く空気が乾燥します。さいたま市の1月の平均最低気温はマイナス1.5度程度で、東京や横浜、千葉といった周辺の都市よりも冷え込みが厳しくなることがあります。
この寒冷で乾燥した気候は、赤ら顔の方にとっては症状を悪化させる要因となりえます。
寒暖差と赤ら顔
急激な温度変化は、赤ら顔の大きな悪化要因の一つです。寒い屋外から暖かい室内に入ったとき、逆に暖かい室内から寒い屋外に出たときなど、急激な温度変化が起こると、皮膚の毛細血管が反応して拡張・収縮を繰り返します。
この反応が繰り返されることで、毛細血管のコントロールが乱れ、血管が拡張したままになりやすくなります。与野エリアを含む埼玉県南部では、冬場の寒暖差が特に大きいため、この時期に赤ら顔が悪化する方が多く見られます。
乾燥と赤ら顔
冬場の乾燥した空気は、皮膚のバリア機能を低下させます。バリア機能が低下すると、外部刺激に対して敏感になり、わずかな刺激でも赤みやかゆみが生じやすくなります。
また、乾燥によって皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が乱れると、角質層が荒れて皮膚が薄くなり、毛細血管が透けて見えやすくなります。
与野エリアにお住まいの方は、特に冬場の保湿ケアを意識することが大切です。
与野エリアの生活環境
与野エリア(さいたま市中央区)は、JR埼京線の北与野駅、与野本町駅、南与野駅が通っており、都心へのアクセスも良好な住宅地です。通勤・通学で電車を利用される方も多いでしょう。
電車内と駅外の温度差、冬場の暖房による乾燥、夏場の冷房による冷えなど、日常生活の中で寒暖差や乾燥にさらされる機会は少なくありません。赤ら顔でお悩みの方は、マスクやマフラーで顔を保護したり、保湿ケアをこまめに行ったりすることで、症状の悪化を防ぐことができます。
5. 赤ら顔のセルフケア
赤ら顔の改善には、日常生活での適切なケアが欠かせません。ここでは、自分でできるセルフケアの方法について解説します。
スキンケアの見直し
赤ら顔の方は皮膚が敏感になっていることが多いため、刺激の少ないスキンケアを心がけることが重要です。
洗顔は、低刺激性の洗顔料を使い、たっぷりの泡で優しく洗いましょう。ゴシゴシこすらず、手のひらで優しく包み込むように洗うことがポイントです。すすぎには十分な量のぬるま湯を使い、洗顔料が残らないようにしっかりと洗い流します。フェイスラインのすすぎ残しにも注意が必要です。熱いお湯は血管を拡張させるため避け、人肌程度のぬるま湯を使用してください。
保湿は、洗顔後すぐに行うことが大切です。低刺激性の保湿剤を選び、適量を優しく肌になじませます。ただし、酒さの方は保湿剤を重ね塗りしすぎると症状が悪化することがあるため、必要最小限の保湿にとどめましょう。
スクラブ入り洗顔料、ピーリング剤、アルコール含有の化粧水など、刺激の強い製品は避けてください。また、タオルで顔を拭くときも、こすらずに優しく押さえるようにしましょう。
紫外線対策
紫外線は赤ら顔を悪化させる大きな要因です。外出時には必ず日焼け止めを使用し、帽子や日傘なども活用しましょう。
日焼け止めは、敏感肌用や低刺激性のものを選びます。紫外線吸収剤よりも紫外線散乱剤(酸化チタン、酸化亜鉛など)を使用した製品の方が刺激が少ないとされています。SPF30、PA++程度の製品を日常使いし、こまめに塗り直すことが効果的です。
増悪因子の回避
酒さや赤ら顔の方は、自分の症状を悪化させる要因を把握し、できるだけ避けることが大切です。
温度変化への対策として、急激な寒暖差を避けるようにしましょう。冬場は外出時にマスクやマフラーで顔を保護し、冷たい風に直接さらされないようにします。暖房の効いた室内に入るときは、少しずつ温度に慣らすようにしましょう。
食事面では、アルコール、香辛料、熱い飲み物などは血管を拡張させるため、摂取を控えめにすると良いでしょう。ただし、完全に避けることは現実的ではないため、自分の症状と相談しながら調整してください。
ストレス管理も重要です。精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管の調節機能に影響を与えます。適度な運動、十分な睡眠、リラックスできる時間を持つなど、ストレスをためない生活を心がけましょう。
生活習慣の改善
規則正しい生活習慣は、皮膚の健康を維持するために重要です。
十分な睡眠をとることで、成長ホルモンの分泌が促進され、皮膚の修復・再生が進みます。睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、バリア機能を低下させる原因となります。
バランスの良い食事も大切です。タンパク質、ビタミン類、必須脂肪酸など、皮膚の健康に必要な栄養素を十分に摂取しましょう。特にビタミンCやビタミンE、亜鉛などは皮膚の修復に関わる栄養素です。
過度な喫煙や飲酒は、血管の機能を低下させたり、皮膚の乾燥を促進したりするため、控えめにすることをおすすめします。
6. 医療機関で受けられる治療法
セルフケアだけでは改善しない赤ら顔は、医療機関での専門的な治療が効果的です。赤ら顔の治療法には、外用薬、内服薬、レーザー・光治療などがあり、原因や症状に応じて適切な治療法が選択されます。
ここからは、各治療法について詳しく解説します。
7. 外用薬による治療
赤ら顔(特に酒さ)の治療には、いくつかの外用薬が使用されます。
ロゼックスゲル(メトロニダゾール)
ロゼックスゲル0.75%は、メトロニダゾールを有効成分とする外用薬です。世界60か国以上で酒さの治療薬として承認されており、欧米の治療ガイドラインでも推奨度の高い標準治療薬として位置づけられています。
日本では2022年5月に酒さに対して保険適用となり、酒さ治療の新たな選択肢として注目されています。
ロゼックスゲルの作用機序としては、酒さ病変部において増加している活性酸素種の生成を抑制することで抗炎症作用を示します。また、免疫細胞によるTNF-αの産生や貪食細胞の免疫能を抑制することで免疫抑制作用を示し、慢性的な皮膚の炎症を抑えます。
国内で行われた第3相臨床試験では、投与12週後に炎症性皮疹数と紅斑重症度がともに改善した被験者の割合は72.3%と報告されています。
使用方法は、1日2回、患部を洗浄後(朝夕の洗顔後または入浴後)に適量を症状の出ている部位にのばして塗布します。使用期間は通常12週間までとされており、12週間を超えて使用する場合は医師の判断が必要です。
ロゼックスゲルは特に酒さに伴う赤い丘疹や膿疱に対して効果が高いとされています。一方で、毛細血管拡張による持続的な赤みに対しては効果が限定的で、赤みの完全な改善には別の治療法との併用が必要となる場合があります。
副作用としては、接触皮膚炎、皮膚乾燥、かゆみ、つっぱり感などが報告されています。また、紫外線により有効成分が不活性化することがあるため、使用中は紫外線対策を行うことが推奨されています。
アゼライン酸
アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀類や酵母に含まれる天然由来の成分です。海外では40年以上前からニキビや酒さの治療薬として使用されており、世界80か国以上で医薬品として承認されています。
日本では医薬品としての承認は得られていないため、保険適用での処方はできませんが、自費診療でアゼライン酸配合クリーム(DRX AZAクリアなど)が処方されることがあります。
アゼライン酸には、抗炎症作用、抗菌作用、皮脂分泌抑制作用、角化異常の抑制作用など、多様な効果があります。これらの作用により、酒さやニキビに伴う赤みの改善に役立つと考えられています。
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」においても、アゼライン酸は酒さに対する治療の選択肢の一つとして推奨されています(推奨度C1:選択肢の一つとして推奨する)。
特に丘疹膿疱型酒さに対して効果が高いとされ、紅斑もある程度は改善しますが、毛細血管拡張による持続性紅斑には効果が限定的とされています。
アゼライン酸の利点として、副作用が少なく安全性が高いこと、妊娠中や授乳中でも使用可能であることが挙げられます。主な副作用は使用開始時のピリピリとした刺激感ですが、使用を続けることで徐々に軽減することが多いです。
イベルメクチンクリーム
イベルメクチンは本来、寄生虫に対する薬として使用されてきた成分ですが、酒さの治療にも効果があることがわかっています。日本では保険適用ではありませんが、自費診療で処方されることがあります。
酒さの原因の一つとして、毛包虫(ニキビダニ、デモデックス)の過剰増殖が考えられています。イベルメクチンクリームは、このニキビダニを減らすことで酒さの症状を改善します。
イベルメクチンクリームは特に丘疹膿疱型酒さに対して効果が高く、メトロニダゾールよりも効果の発現が早いとされています。使用後2〜3週間程度で効果が見られることもあります。刺激感が少なく、副作用も比較的少ないのが特徴です。
プロトピック軟膏、コレクチム軟膏
これらは本来アトピー性皮膚炎などの治療に使用される非ステロイド性の免疫抑制外用薬です。ステロイド外用薬と異なり、皮膚萎縮や毛細血管拡張といった副作用がないため、酒さの治療に使用されることがあります。
特にステロイド酒さ(ステロイド外用薬の長期使用による酒さ様皮膚炎)の治療において、ステロイドからの切り替え時に使用されることがあります。
8. レーザー・光治療
外用薬では改善が難しい毛細血管の拡張による赤みに対しては、レーザー治療や光治療(IPL)が効果的です。
Vビーム(色素レーザー)
Vビームは、赤ら顔や毛細血管拡張症の治療に広く使用されている色素レーザーです。波長595nmのレーザー光を照射し、血液中のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に反応させることで、拡張した毛細血管を破壊します。
Vビームの特徴として、正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑えながら、異常な血管のみにアプローチできることが挙げられます。また、レーザー照射時には冷却ガスが噴射されるため、痛みを軽減しながら治療を行うことができます。
日本皮膚科学会の治療ガイドラインでも、酒さの赤みに対してレーザー・光治療が推奨されており、Vビームは保険診療で治療できる場合があります(単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症と診断された場合)。ただし、美容目的での使用は自費診療となります。
Vビームによる治療効果は症状や個人差によって異なりますが、一般的に赤ら顔の改善には3〜5回程度の治療が必要とされています。治療間隔は4週間程度で、数か月かけて段階的に改善していきます。
副作用としては、治療後数時間から2日程度の赤みやひりひりした痛み、まれに内出血(紫斑)が生じることがあります。内出血が生じた場合も、通常1〜2週間程度で消退します。
Vビームプリマ
Vビームプリマは、Vビームの最新型モデルです。従来機と比べてスポット径が大きくなり、治療時間が短縮されています。また、より深い層へのアプローチが可能になったことで、治療効果の向上が期待されています。
紫斑(内出血)が生じにくくなったというデータもあり、ダウンタイムの軽減が図られています。
IPL(光治療、フォトフェイシャル)
IPL(Intense Pulsed Light)は、複数の波長を含む光を照射する治療法です。ヘモグロビンだけでなく、メラニン色素にも反応するため、赤みに加えてシミやくすみ、毛穴の開きなど、複合的な肌悩みに同時にアプローチできます。
IPLの特徴として、Vビームと比べて作用がマイルドで、ダウンタイムがほとんどないことが挙げられます。肌全体のトーンを整えたい方や、複数の肌悩みがある方に向いています。
一方で、赤みに対する効果はVビームよりもやや穏やかで、効果を実感するまでに複数回の治療が必要となることが多いです。一般的に3〜4週間に1回のペースで、5〜6回程度の照射が推奨されています。
IPLは基本的に自費診療となり、保険は適用されません。
Vビームと IPLの選び方
赤ら顔の治療において、Vビームと IPLのどちらを選ぶかは、症状や目的によって異なります。
Vビームは、強い赤みや明確な毛細血管拡張がある場合、ニキビ跡の赤みが気になる場合、ピンポイントでの治療を希望する場合に適しています。また、毛細血管拡張症と診断された場合は保険適用で治療できる可能性があります。
一方、IPLは、赤みと同時にシミやくすみも気になる場合、顔全体のトーンアップを希望する場合、ダウンタイムをできるだけ短くしたい場合に適しています。
どちらの治療が適しているかは、医師の診察を受けて判断することをおすすめします。
ジェントルヤグレーザー
ジェントルヤグは、1064nmの波長を持つロングパルスヤグレーザーです。Vビームよりも波長が長く、皮膚の深部まで到達するため、深い層にある血管にもアプローチできます。
Vビームと比べてダウンタイムが短く、治療直後からメイクが可能な場合もあります。ただし、自費診療となることが多いです。
9. 内服薬による治療
赤ら顔(特に酒さ)の治療には、内服薬が使用されることもあります。
抗生物質(抗菌薬)
テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど)は、酒さの治療に広く使用されています。これらの薬には抗菌作用だけでなく、抗炎症作用があり、酒さに伴う丘疹や膿疱の改善に効果があります。
海外では、低用量のドキシサイクリン徐放カプセルが酒さの治療薬としてFDA(米国食品医薬品局)に承認されています。日本では同様の製剤は承認されていませんが、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)やミノサイクリン(ミノマイシン)が処方されることがあります。
抗生物質の内服は、通常数週間から数か月間続けますが、長期使用による耐性菌の出現や副作用(胃腸障害、光線過敏症など)に注意が必要です。
漢方薬
東洋医学の観点から、酒さは「瘀血(おけつ)」すなわち血流の鬱滞や微小循環障害と関連があると考えられています。そのため、血流を正常化する駆瘀血剤(桂枝茯苓丸など)が処方されることがあります。
漢方薬は体質改善を目的として使用されることが多く、効果が現れるまでに時間がかかることがありますが、副作用が比較的少ないという利点があります。
10. 治療を受ける際の注意点
赤ら顔の治療を受ける際には、以下の点に注意することが大切です。
正確な診断を受ける
赤ら顔にはさまざまな原因があり、原因によって適切な治療法が異なります。自己判断でケアを行っても効果がなかったり、かえって悪化したりすることもあります。
まずは皮膚科専門医の診察を受け、赤ら顔の原因を正確に診断してもらいましょう。酒さ、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎など、見た目が似ていても治療法が異なる疾患があります。
治療には時間がかかることを理解する
赤ら顔、特に酒さは慢性疾患であり、治療には時間がかかります。症状の改善には数か月から年単位かかることもあり、根気強く治療を続けることが大切です。
また、酒さは寛解と再燃を繰り返すことが多い疾患です。症状が改善しても、増悪因子によって再び悪化することがあるため、日常生活での対策を継続することが重要です。
増悪因子の把握と回避
治療と並行して、自分の症状を悪化させる要因を把握し、できるだけ避けることが大切です。食事、環境、ストレスなど、何がきっかけで症状が悪化するかを観察し、記録しておくと良いでしょう。
適切なスキンケアの継続
治療中も、低刺激性のスキンケアと紫外線対策を継続することが重要です。治療によって症状が改善しても、不適切なスキンケアや紫外線曝露によって再発することがあります。
治療費について
赤ら顔の治療において、保険適用となる治療と自費診療となる治療があります。
保険適用となる可能性があるのは、ロゼックスゲル(酒さに対して)、Vビーム(毛細血管拡張症、単純性血管腫、苺状血管腫と診断された場合)、抗生物質の内服などです。
自費診療となるのは、アゼライン酸、イベルメクチンクリーム、IPL(光治療)、美容目的でのVビーム照射などです。
具体的な費用については、受診する医療機関に確認することをおすすめします。

11. まとめ
赤ら顔は、毛細血管の拡張や炎症など、さまざまな原因によって生じる症状です。特に酒さは、顔面に持続的な赤みやニキビ様の症状が現れる慢性疾患で、適切な診断と治療が必要です。
与野エリア(さいたま市中央区)を含む埼玉県南部は、冬場の寒暖差や乾燥が厳しく、赤ら顔の症状が悪化しやすい環境にあります。日常生活では、適切なスキンケアや紫外線対策、増悪因子の回避などを心がけることが大切です。
セルフケアだけでは改善しない赤ら顔には、医療機関での専門的な治療が効果的です。外用薬(ロゼックスゲル、アゼライン酸など)、レーザー・光治療(Vビーム、IPL)、内服薬など、さまざまな治療法があり、原因や症状に応じて適切な治療法が選択されます。
赤ら顔でお悩みの方は、まずは専門医の診察を受け、原因を正確に診断してもらうことをおすすめします。早めに適切な治療を始めることで、症状の改善が期待できます。
与野エリアにお住まいの方で赤ら顔の治療をお考えの方は、お気軽に当院(アイシークリニック大宮院)までご相談ください。専門医が丁寧に診察し、一人ひとりの症状に合った治療法をご提案いたします。
参考文献
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(日本皮膚科学会)
- 酒さ(MSDマニュアル家庭版)
- 酒さ(しゅさ)とは?赤ら顔の症状や原因、治療方法について(持田ヘルスケア株式会社)
- 埼玉県の気候の特徴(熊谷地方気象台)
- さいたま市エリアガイド(VISIT SAITAMA CITY)
- キッズサイト 埼玉県の土地・気象(埼玉県)
- 酒さの治療(マルホ 医療関係者向けサイト)
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(Mindsガイドラインライブラリ)
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務