顔が常に赤くなっている、人前に出ると頬の赤みが気になってしまう——そんな「赤ら顔」のお悩みを抱えている方は、実は少なくありません。赤ら顔は見た目の印象に大きく影響するため、日常生活やお仕事、対人関係においてストレスの原因となることもあります。特に女性の場合、メイクでも完全にカバーしきれないケースも多く、根本的な解決を望む方が増えています。
本コラムでは、赤ら顔の原因や種類、セルフケアから医療機関で受けられる治療法まで、幅広く解説いたします。さいたま新都心エリアにお住まいの方、お勤めの方にとって、赤ら顔治療への第一歩となれば幸いです。
目次
- 赤ら顔とは何か
- 赤ら顔の主な原因と種類
- 酒さ(しゅさ)について詳しく知る
- 毛細血管拡張症の特徴
- 赤ら顔を悪化させる要因
- セルフケアでできる対策
- 医療機関で受けられる治療法
- レーザー治療の種類と特徴
- 内服薬・外用薬による治療
- 治療を受ける際の注意点
- さいたま新都心エリアからのアクセス
- まとめ
1. 赤ら顔とは何か
赤ら顔とは、顔の一部または全体が持続的に赤みを帯びている状態を指します。一時的な緊張や運動後の紅潮とは異なり、何もしていない状態でも赤みが続いているのが特徴です。
赤ら顔の多くは、皮膚の浅い層にある毛細血管が拡張し、その血管内を流れる血液の赤い色素(ヘモグロビン)が皮膚表面から透けて見えることで生じます。特に頬や鼻の周り、顎などは毛細血管が多く集まっている部位であるため、赤みが目立ちやすくなります。
赤ら顔は単なる体質と思われがちですが、放置することで症状が進行したり、慢性化したりするケースもあります。また、赤ら顔の背景には様々な原因が潜んでいることもあるため、正しい知識を持って適切な対処をすることが大切です。
赤ら顔が与える影響
赤ら顔は見た目の問題だけでなく、心理的・社会的な影響も大きいとされています。海外の研究では、酒さなどの赤ら顔症状を持つ患者さんは生活の質(QOL)が低下しやすく、精神面や社会生活面に大きな影響を受けていることが報告されています。日本でも顔の赤みに悩み、人前に出ることを避けてしまう方や、自信を失ってしまう方が少なくありません。
だからこそ、赤ら顔は「たかが顔の赤み」と軽視せず、適切な治療やケアによって改善を目指すことが重要なのです。
2. 赤ら顔の主な原因と種類
赤ら顔にはさまざまな原因があり、原因によって適切な対処法も異なります。ここでは主な原因を5つのタイプに分けて解説します。
毛細血管拡張型
皮膚の真皮浅層にある毛細血管が持続的に拡張している状態です。炎症を伴わないのが特徴で、血管そのものが透けて見える場合もあります。肌の色が白い方や皮膚が薄い方に多く見られ、寒暖差やアルコール摂取などで症状が悪化することがあります。
この状態は自然に治癒することがほとんどなく、外用薬や内服薬だけでは根本的な改善が難しいケースが多いため、レーザー治療などの機器を用いた治療が有効とされています。
酒さ(しゅさ)型
酒さは顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患で、30代から50代の女性に多く発症します。頬や鼻を中心に赤みや毛細血管拡張が見られ、進行するとニキビのような丘疹や膿疱が現れることもあります。
酒さは寛解と再燃を繰り返す傾向があり、適切な治療とスキンケアを継続することが大切です。詳しくは次章で解説します。
炎症型
ニキビや脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などの皮膚の炎症が原因で赤みが生じるタイプです。炎症を繰り返すことで毛細血管が新生・拡張し、炎症が治まった後も赤みが残ってしまうことがあります。
このタイプでは、まず原因となっている炎症を適切に治療することが重要です。炎症が落ち着いた後も赤みが残る場合は、レーザー治療などを検討することになります。
敏感肌型
肌のバリア機能が低下し、わずかな刺激にも過敏に反応して赤くなるタイプです。乾燥や間違ったスキンケア、紫外線、花粉、大気汚染などが引き金となることがあります。
このタイプでは、肌への刺激を最小限に抑え、適切な保湿と紫外線対策を行うことで改善が期待できます。ただし、敏感肌型と他のタイプが併発しているケースも少なくないため、専門医による診断が重要です。
ステロイド誘発型
ステロイド外用薬を長期間顔に使用することで、皮膚が薄くなり(菲薄化)、毛細血管が透けて見えるようになったり、酒さ様皮膚炎を発症したりするタイプです。このタイプでは、まずステロイドの使用を中止することが治療の第一歩となります。
ただし、ステロイドの急な中止は症状を悪化させることがあるため、必ず医師の指導のもとで減量・中止を行う必要があります。
3. 酒さ(しゅさ)について詳しく知る
酒さは赤ら顔の代表的な原因の一つであり、正しい理解と適切な治療が必要な疾患です。日本皮膚科学会が2023年に公表した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン」でも、酒さの診断と治療について詳細な指針が示されています。
酒さの臨床分類
酒さは症状によって4つの型に分類されます。
第一に、紅斑毛細血管拡張型があります。顔に赤みが生じ、毛細血管の拡張が見られるタイプです。両頬や鼻、顎、額、眉間など顔の中心部から症状が広がることが特徴で、熱感やヒリヒリ感を伴うこともあります。
第二に、丘疹膿疱型があります。赤みに加えてニキビのようなブツブツ(丘疹)や膿疱が見られるタイプです。ニキビとの違いは、毛穴の詰まり(面皰)を伴わない点です。
第三に、鼻瘤型があります。鼻が凸凹と肥大し、毛穴が目立つようになるタイプです。組織の炎症やコラーゲン沈着、皮脂腺の過形成が原因で、進行期に見られることが多いです。
第四に、眼型があります。眼の周りの腫れや結膜炎、角膜炎を生じるタイプです。酒さの方は眼にも症状が出ることがあるため、注意が必要です。
これらの型は単独で現れることもありますが、複数の型が混在していることも珍しくありません。
酒さの原因と悪化因子
酒さの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な体質に環境要因や増悪因子が重なって発症すると考えられています。
酒さを悪化させる因子として知られているものには、紫外線への曝露、精神的なストレス、寒暖差(特に急激な温度変化)、アルコールの摂取、香辛料の効いた食べ物、熱い飲み物や熱い風呂、運動、風、刺激の強い化粧品などがあります。
これらの悪化因子は個人差が大きいため、ご自身がどのような状況で症状が悪化するのかを把握することが、治療と並んで非常に重要です。
酒さと毛包虫(ニキビダニ)の関係
酒さの発症や悪化には、毛包虫(Demodex、通称ニキビダニ)が関与していることが示唆されています。毛包虫は健康な人の顔にも存在する常在ダニですが、酒さの患者さんでは毛包虫の数が増加していることが報告されています。
このため、毛包虫に対する治療薬(イベルメクチンなど)が酒さの治療に用いられることがあります。
4. 毛細血管拡張症の特徴
毛細血管拡張症は、皮膚の真皮浅層にある毛細血管が持続的に拡張し、皮膚表面から肉眼で確認できる状態を指します。紅斑と同様に皮膚の色が赤く変化しますが、炎症を伴わないのが特徴です。
毛細血管拡張症の見た目
毛細血管拡張症の見た目は、以下のようなパターンがあります。
一つ目は、単純拡張です。血管の太さや長さは様々で、盛り上がりはなく、赤色や青紫色を示す枝分かれのない血管の拡張が見られます。鼻や頬に多く見られます。
二つ目は、樹枝状です。血管が枝分かれして樹木の枝のように見えるパターンで、下肢に多く見られますが、顔面にも生じることがあります。
三つ目は、クモの巣状です。中心から放射状に血管が広がるパターンです。
毛細血管拡張症の原因
毛細血管拡張症の原因としては、先天的な血管の形態(体質)、加齢による皮膚の変化、肝硬変や肝機能障害、妊娠、長期間のステロイド外用薬使用などが挙げられます。
毛細血管拡張症は炎症を伴わないため、ステロイド外用薬などの塗り薬では改善せず、レーザー治療が有効な治療法となります。
毛細血管拡張症と保険適用
毛細血管拡張症に対するVビームレーザー治療は、医師に「毛細血管拡張症」と診断された場合、健康保険が適用されます。具体的には、単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)、毛細血管拡張症の3つの疾患が保険適用の対象となります。
ただし、酒さに伴う赤ら顔やニキビ跡の赤み、ステロイド長期使用による毛細血管拡張などは保険適用外となりますので、診察時に医師に確認することが大切です。
5. 赤ら顔を悪化させる要因
赤ら顔の症状を悪化させる要因はさまざまです。日常生活の中でこれらの要因を避けることで、症状の悪化を防ぐことができます。
環境要因
急激な温度変化は赤ら顔を悪化させる大きな要因の一つです。暖房の効いた室内から寒い屋外に出たり、その逆の行動を繰り返したりすると、毛細血管は拡張と収縮を繰り返し、次第に収縮力が低下して拡張したままの状態になりやすくなります。
また、直射日光や紫外線も酒さや赤ら顔の悪化因子として知られています。特に夏場や日差しの強い時間帯は注意が必要です。
冷たい風を顔に直接受けることも、一部の方にとっては悪化因子となります。
食事・嗜好品
アルコールは血管を拡張させる作用があるため、赤ら顔を悪化させる可能性があります。特に赤ワインやビールなどで症状が悪化する方が多いようです。
香辛料の効いた食べ物(辛いもの)も血管を拡張させるため、赤ら顔を悪化させることがあります。
熱い飲み物や熱い食べ物も、顔への熱刺激となり症状を悪化させることがあります。
カフェインについては、悪化因子となるかどうかは個人差が大きいとされていますが、気になる方は摂取量に注意してもよいでしょう。
スキンケアの問題
洗顔やスキンケアの際に肌を強くこすることは、肌への刺激となり赤ら顔を悪化させます。酒さの方の皮膚は特に敏感であるため、やさしく丁寧なスキンケアを心がけることが大切です。
刺激の強い化粧品やスキンケア製品も悪化因子となりえます。アルコール(エタノール)を含む化粧品や、スクラブ、ピーリング剤などは避けた方がよいでしょう。
精神的要因
緊張やストレスは自律神経に影響し、血管の拡張を引き起こすことがあります。大事な場面で顔が赤くなることを気にするあまり、さらに緊張してしまうという悪循環に陥る方もいらっしゃいます。
その他の要因
特定の薬剤が赤ら顔を悪化させることがあります。血管拡張作用のある降圧薬(カルシウム拮抗薬など)、ビタミンB6やB12の大量摂取、アミオダロンなどが知られています。
また、ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は保湿剤としてよく使われますが、血流を良くする作用があるため、毛細血管拡張型の赤ら顔では悪化させる可能性があるという指摘もあります。
6. セルフケアでできる対策
赤ら顔の改善には、医療機関での治療と並んで、日常生活でのセルフケアが重要な役割を果たします。
正しい洗顔法
洗顔は肌への負担を最小限にすることが大切です。
洗顔料は低刺激性のものを選び、しっかりと泡立ててから使用します。泡で肌を包み込むようにやさしく洗い、決してゴシゴシとこすらないようにします。
すすぎはぬるま湯で行い、熱いお湯や冷たい水は避けます。急激な温度変化は毛細血管の拡張・収縮を引き起こすためです。
タオルで顔を拭く際も、こすらずにそっと押さえるように水分を吸い取ります。
拭き取りタイプのメイク落としは摩擦が生じやすいため、洗い流しタイプのクレンジングを使用することをお勧めします。
適切な保湿
肌の乾燥は赤ら顔を悪化させる要因の一つです。ただし、何種類もの保湿剤を重ね塗りすることは、かえって肌への刺激となることがあるため注意が必要です。
低刺激性の保湿剤を選び、必要最小限の量を使用します。化粧水はパッティングせず、手のひらでやさしく押さえるようになじませます。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、酒さの方には「低刺激な保湿(スキンケア)を選択する」ことが推奨されています。
紫外線対策
紫外線は赤ら顔の大きな悪化因子であるため、日常的な紫外線対策が欠かせません。
日焼け止めは低刺激性のもの(紫外線吸収剤フリーのものなど)を選び、こまめに塗り直します。外出時は帽子や日傘も併用するとより効果的です。
特に酒さの方は紫外線に敏感なことが多いため、曇りの日や冬場でも紫外線対策を心がけましょう。
生活習慣の改善
睡眠不足は肌の代謝を低下させ、赤ら顔を悪化させる可能性があります。十分な睡眠時間を確保しましょう。
過度の飲酒や喫煙も肌に悪影響を及ぼします。赤ら顔に悩んでいる方は、これらを控えめにすることをお勧めします。
バランスの取れた食事も大切です。たんぱく質、必須脂肪酸、食物繊維、ビタミンなどを含む栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
悪化因子の特定と回避
自分自身の悪化因子を把握することが、赤ら顔管理の大きなポイントです。どのような状況で症状が悪化するのか、日記などに記録しておくと、悪化因子を特定しやすくなります。
悪化因子が特定できたら、できる限りそれを避ける生活を心がけましょう。特に症状を悪化させたくない時期(大事なイベントの前など)には、より慎重に悪化因子を避けることが重要です。
7. 医療機関で受けられる治療法
赤ら顔の治療は、原因や症状の程度によってさまざまなアプローチがあります。医療機関では、専門医による診断のもと、適切な治療法が選択されます。
治療の基本方針
赤ら顔の治療は、一般的に以下の3つの柱から構成されます。
第一の柱は、悪化因子の除去です。先述したような悪化因子を特定し、それを避けることが治療の基本となります。
第二の柱は、適切なスキンケアです。低刺激性のスキンケア製品を使用し、紫外線対策を徹底します。
第三の柱は、医学的治療です。外用薬、内服薬、レーザー治療、光治療などを組み合わせて行います。
これらを総合的に行うことで、より効果的な治療結果が期待できます。
赤ら顔の種類と治療法の選択
赤ら顔の原因によって、適切な治療法は異なります。
毛細血管拡張型の場合は、拡張した毛細血管をターゲットとしたレーザー治療や光治療が有効です。
酒さ(丘疹膿疱型)の場合は、外用薬(メトロニダゾール、アゼライン酸など)や内服薬(抗菌薬など)による治療が中心となり、赤みや毛細血管拡張に対してはレーザー・光治療を追加することがあります。
炎症型の場合は、まず原因となる炎症(ニキビ、皮膚炎など)の治療を優先し、炎症が落ち着いた後に残存する赤みに対してレーザー治療などを検討します。
敏感肌型の場合は、まずスキンケアの見直しと肌のバリア機能の回復を優先します。
診断の重要性
赤ら顔の治療で重要なのは、正しい診断です。
一口に「赤ら顔」と言っても、その原因はさまざまであり、原因によって適切な治療法が異なります。自己判断で間違ったケアを続けると、改善しないどころか悪化してしまうこともあります。
また、「赤ら顔=酒さ」と安易に診断し、実際には別の原因であるケースも少なくありません。特にVビームレーザーは酒さによる赤みには効果が限定的という報告もあり、正確な診断に基づいた治療法の選択が重要です。
皮膚科専門医による診察を受け、自分の赤ら顔の原因を正しく理解した上で治療を開始することをお勧めします。
8. レーザー治療の種類と特徴
赤ら顔の治療において、レーザー治療は重要な選択肢の一つです。ここでは代表的なレーザー治療について解説します。
Vビーム(色素レーザー)
Vビームは、赤ら顔や毛細血管拡張症の治療に広く用いられる色素レーザーです。波長595nmのレーザー光を照射し、血液中のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に反応して、異常に拡張した毛細血管を破壊します。
Vビームの特徴として、まず血管病変への高い効果が挙げられます。ヘモグロビンに最も反応しやすい波長を使用しているため、毛細血管拡張症に高い効果を発揮します。
次に、冷却システムの搭載があります。レーザー照射直前に冷却ガス(マイナス26℃)が噴射されるため、痛みの軽減と皮膚へのダメージ防止が図られています。
また、保険適用についても重要です。単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症と診断された場合は保険適用となります(3ヶ月に1回の照射間隔)。
治療回数としては、毛細血管拡張症の場合は3〜5回程度が目安ですが、個人差があります。
副作用としては、照射後の赤み、腫れ、ヒリヒリ感(数日程度)、紫斑(内出血、1〜2週間程度)などがあります。
ヤグレーザー(ジェントルヤグなど)
ヤグレーザーは、Vビームとは異なる波長(1064nm)のレーザーで、皮膚の深い層まで届く特徴があります。
ヤグレーザーの特徴として、深達性があります。Vビームより深い層の血管に到達できるため、深い位置にある血管腫などに有効です。
また、ダウンタイムが比較的短いという点もあります。Vビームに比べて紫斑が出にくく、治療直後からメイクができる場合もあります。
赤ら顔への応用として、毛細血管を熱で収縮させることで赤みを改善します。
IPL(光治療)/フォトフェイシャル
IPLは、Intense Pulsed Light(インテンス・パルス・ライト)の略で、多波長の特殊な光を照射する治療法です。厳密にはレーザーとは異なりますが、赤ら顔治療の選択肢として広く用いられています。
IPLの特徴として、まず多波長による幅広い効果があります。ヘモグロビンだけでなくメラニン色素にも反応するため、赤みの改善と同時にシミやそばかすの改善も期待できます。
次に、マイルドな治療という点があります。レーザーに比べて肌への刺激が穏やかで、ダウンタイムが短い傾向があります。
また、全顔への照射が可能です。顔全体に照射することで、肌全体のトーンを整えることができます。
IPLは酒さの赤みに対しても日本皮膚科学会のガイドラインで推奨されており、紫斑などのダウンタイムが比較的少ないことから、赤ら顔治療の第一選択となることも多いです。
各治療法の使い分け
どの治療法が最適かは、赤ら顔の原因や症状の程度、患者さんのご希望などによって異なります。
毛細血管拡張症(太めの血管が見える場合)には、Vビームが第一選択となることが多いです。保険適用となる場合は費用面でもメリットがあります。
酒さによるびまん性の赤みには、IPL(光治療)が有効なことが多いです。Vビームでは効果が限定的な場合があります。
顔全体の赤みとシミが両方気になる場合には、IPLで同時に改善を目指すことができます。
小鼻周りの赤みには、Vビームが少ない回数で効果を実感しやすいとされています。
いずれの場合も、医師の診断を受けた上で、最適な治療法を選択することが大切です。
9. 内服薬・外用薬による治療
レーザー治療と並んで、内服薬や外用薬による治療も赤ら顔改善の重要な柱です。
外用薬
メトロニダゾール(ロゼックスゲル)は、日本で酒さに対して保険適用となっている外用薬です。抗炎症作用と抗菌作用を持ち、酒さの丘疹や膿疱、赤みの改善に効果があります。1日2回の塗布が基本です。
アゼライン酸は、日本では保険適用外ですが、海外では酒さの第一選択薬として広く使用されています。抗炎症作用があり、酒さによる赤みや丘疹の改善に効果があります。
イベルメクチンクリームは、毛包虫(ニキビダニ)に対する作用を持つ外用薬で、酒さの治療に用いられます。日本では保険適用外です。
ブリモニジンやオキシメタゾリンは、血管収縮作用を持つ外用薬で、酒さの紅潮や持続性の紅斑に対して使用されることがあります。
内服薬
テトラサイクリン系抗菌薬(ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど)は、酒さの丘疹膿疱型に対して使用されます。抗菌作用だけでなく、抗炎症作用も期待されます。
漢方薬(桂枝茯苓丸など)は、東洋医学では酒さは「瘀血(おけつ)」の体質と考えられています。桂枝茯苓丸などの駆瘀血剤は血流を正常化する作用があり、赤ら顔のほてりに効果が期待できます。
ビタミンCは、直接的な効果は不明ですが、肌の健康維持に役立つとされています。ただし、単独で赤ら顔を治療する効果は限定的です。
外用薬・内服薬治療のポイント
外用薬や内服薬による治療では、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。すぐに効果が見られなくても、医師の指示に従って根気よく継続することが大切です。
また、これらの治療は酒さの丘疹や膿疱には効果がありますが、毛細血管拡張そのものには効果が限定的なことが多いです。毛細血管拡張による赤みには、レーザー治療や光治療を組み合わせることが有効です。
10. 治療を受ける際の注意点
赤ら顔の治療を検討されている方に、いくつかの重要なポイントをお伝えします。
治療の目標設定
赤ら顔の治療において、「完全に赤みをなくす」ことは必ずしも現実的な目標ではありません。多くの場合、「赤みを目立たなくする」「今より改善する」ことを目標として治療を進めます。
治療効果には個人差があり、同じ治療を行っても効果の出方は人それぞれです。医師とよく相談し、現実的な目標を設定することが大切です。
治療回数と期間
赤ら顔の治療は、多くの場合、1回で完了するものではありません。
Vビームの場合、毛細血管拡張症では3〜5回程度、ニキビ跡の赤みでは5回以上が目安とされています。保険適用の場合は3ヶ月間隔での照射となるため、治療完了まで1年以上かかることもあります。
IPL(光治療)の場合は、4週間に1回の間隔で5〜10回程度の治療が必要なことが多いです。
根気よく治療を継続することが、良い結果につながります。
ダウンタイムについて
レーザー治療後には、赤み、腫れ、ヒリヒリ感などが生じることがあります。これらは通常、数時間〜数日で治まります。
Vビームでは、照射設定によっては紫斑(内出血)が生じることがあります。紫斑は1〜2週間程度で消退しますが、その間はメイクでカバーが必要になることがあります。
大事なイベント(結婚式、面接など)の直前にレーザー治療を受けることは避けた方がよいでしょう。スケジュールに余裕を持って治療を計画することをお勧めします。
治療後のケア
レーザー治療後は紫外線に敏感になるため、日焼け止めをこまめに塗布するなど、十分な紫外線対策が必要です。
照射部位は刺激を避け、こすらないようにします。引っ掻いたりすると色素沈着の原因になることがあります。
かさぶたや水疱ができた場合は、無理にはがさず、軟膏を塗布して保護します。
保険診療と自由診療
赤ら顔の治療では、保険が適用される場合と適用されない場合があります。
保険適用となるのは、Vビームによる単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症の治療です。
保険適用外(自由診療)となるのは、酒さによる赤ら顔、ニキビ跡の赤み、ステロイド使用による毛細血管拡張、老人性血管腫などへのレーザー治療、IPL(光治療)などです。
保険診療は治療間隔に制約(3ヶ月以上)がありますが、自由診療では1ヶ月間隔など短期間での治療も可能です。費用と治療期間のバランスを考えて選択することが大切です。
11. さいたま新都心エリアからのアクセス
さいたま新都心は、埼玉県の中心部に位置する交通の要衝です。JRの複数路線が乗り入れており、埼玉県内はもちろん、東京都心部からのアクセスも良好です。
さいたま新都心駅について
さいたま新都心駅は、JR東日本の駅で、さいたま市大宮区と中央区にまたがる位置にあります。2000年のさいたま新都心の街びらきに先立って開業しました。
乗り入れ路線は、JR京浜東北線、JR宇都宮線(東北本線)、JR高崎線、上野東京ラインです。
一日の乗車人員は約5万人を超え、埼玉県内でも主要な駅の一つとなっています。
主要駅からのアクセス
東京駅からは、JR上野東京ライン(宇都宮線・高崎線直通)で約30分、乗り換えなしで到着します。
上野駅からは、JR上野東京ライン(宇都宮線・高崎線直通)で約25分です。
大宮駅からは、JR京浜東北線または宇都宮線・高崎線で約3分、わずか1駅です。
浦和駅からは、JR京浜東北線で約5分です。
川口駅からは、JR京浜東北線で約20分です。
大宮駅からのアクセス
大宮駅からさいたま新都心駅へは、電車で約3分と非常に近い距離にあります。
JR京浜東北線(2番線)を利用する場合は、すべての列車がさいたま新都心駅に停車します。大宮駅が終点のため乗り過ごす心配がありません。
JR宇都宮線・高崎線(4番線)を利用する場合も、同様にさいたま新都心駅に停車します。
列車本数が多いため、待ち時間はほとんどありません。どちらの路線でも所要時間は変わりませんので、先に来た列車に乗車すれば大丈夫です。
駅周辺の特徴
さいたま新都心駅周辺は、さいたまスーパーアリーナ、コクーンシティ(大型商業施設)、けやきひろば、官公庁(さいたま合同庁舎など)などが集まる都市的な環境が整っています。
駅の東口と西口では雰囲気が異なり、東口側にはコクーンシティなどの商業施設が、西口側には官公庁やさいたまスーパーアリーナがあります。
お車でお越しの場合
首都高速埼玉新都心線の新都心出入口から約5分です。
周辺にはけやきひろば駐車場をはじめ、複数の駐車場があります。
ただし、さいたまスーパーアリーナでのイベント開催時は周辺道路や駐車場が混雑しますので、電車でのご来院をお勧めします。

12. まとめ
赤ら顔は、見た目の問題だけでなく、心理的・社会的にも大きな影響を及ぼす症状です。しかし、適切な診断と治療により、多くの場合で症状の改善が期待できます。
本コラムでお伝えした主なポイントを振り返ります。
赤ら顔の原因はさまざまであり、毛細血管拡張型、酒さ型、炎症型、敏感肌型、ステロイド誘発型などに分類されます。原因によって適切な治療法が異なるため、皮膚科専門医による正確な診断が重要です。
酒さは顔面に生じる慢性炎症性疾患で、紅斑毛細血管拡張型、丘疹膿疱型、鼻瘤型、眼型の4つの型があります。悪化因子を避けることと、適切なスキンケア、医学的治療の3つが治療の柱となります。
毛細血管拡張症は、毛細血管が持続的に拡張し赤みが見える状態で、Vビームレーザーによる治療が有効です。医師の診断により保険適用となる場合があります。
セルフケアとして、正しい洗顔法、適切な保湿、紫外線対策、生活習慣の改善、悪化因子の回避が大切です。
医療機関での治療には、レーザー治療(Vビーム、ヤグレーザー)、光治療(IPL)、外用薬(メトロニダゾール、アゼライン酸など)、内服薬(抗菌薬、漢方薬など)があります。これらを組み合わせて総合的に治療することで、より良い効果が期待できます。
治療効果には個人差があり、「完全に赤みをなくす」ことではなく「赤みを目立たなくする」ことを現実的な目標として設定することが大切です。治療には複数回の施術が必要なことが多く、根気よく継続することが良い結果につながります。
赤ら顔にお悩みの方は、まずは皮膚科専門医にご相談ください。正しい診断に基づいた適切な治療により、お肌の悩みが改善され、自信を持って毎日を過ごせるようになることを願っております。
参考文献
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(日本皮膚科学会)
- 一般公開ガイドライン|公益社団法人日本皮膚科学会
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 – Mindsガイドラインライブラリ
- 酒さ(しゅさ)とは?赤ら顔の症状や原因、治療方法について|持田ヘルスケア株式会社
- さいたま新都心駅 – Wikipedia
- JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(さいたま新都心駅)
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務