足のむくみや顔のむくみに悩んでいる方は多く、特に女性では日常的な悩みとなることがあります。現代医学では利尿薬などの治療がありますが、東洋医学の漢方薬である「五苓散(ごれいさん)」も、むくみの改善に古くから使われている効果的な治療法の一つです。五苓散は、体内の水分代謝を整えることで、むくみの根本的な改善を目指す漢方薬として注目されています。本記事では、五苓散がむくみに対してどのような効果を発揮するのか、その使用方法や注意点について、医学的な観点から詳しく解説していきます。
目次
- むくみとは何か 基本的なメカニズム
- 五苓散の基本情報と歴史
- 五苓散がむくみに効く理由
- 五苓散の適応症状と効果
- 五苓散の正しい使い方
- 五苓散の副作用と注意点
- 他のむくみ治療法との比較
- 五苓散を使う際のライフスタイルの注意点
- まとめ

この記事のポイント
漢方薬「五苓散」は体内の水分代謝バランスを正常化することでむくみを改善する。沢瀉など5種の生薬が利水・循環促進に作用し、利尿薬より副作用が少なく月経前や職業性のむくみに有効。塩分制限や運動と併用すると効果的だが、脱水や他薬との相互作用に注意し、医師への相談が不可欠。
🎯 むくみとは何か 基本的なメカニズム
むくみ(浮腫)とは、体内の組織に余分な水分が溜まった状態を指します。医学的には「浮腫」と呼ばれ、皮下組織や臓器の間質に過剰な水分が蓄積することで起こります。正常な状態では、血管内の水分と組織間の水分は一定のバランスを保っていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、むくみが生じます。
むくみが起こるメカニズムには、主に以下の要因が関わっています。まず、血管内の水分が血管外に移動する際の圧力バランスの変化があります。血管内の静水圧が上昇したり、血管内のアルブミンなどの蛋白質濃度が低下すると、水分が血管から組織間に漏れ出しやすくなります。
また、リンパ系の機能低下も重要な要因です。リンパ管は組織間の余分な水分や老廃物を回収する役割を担っていますが、この機能が低下すると水分の回収が不十分になり、むくみが生じます。さらに、腎臓での水分・電解質の調節機能の異常も、全身のむくみの原因となります。
むくみは発生する部位によって分類されます。局所性のむくみは特定の部位に限局して起こり、静脈血栓症やリンパ管の閉塞などが原因となります。一方、全身性のむくみは心臓、腎臓、肝臓の疾患や内分泌異常などが原因となることが多く、両足から始まって全身に及ぶことが特徴です。
日常的によく見られるむくみの多くは、長時間の立ち仕事や座り仕事による静脈還流の低下、塩分の過剰摂取、女性の月経周期に伴うホルモン変動、運動不足などが原因となります。これらの生理的なむくみは、適切な対処により改善可能なことが多く、漢方薬による治療も効果的な選択肢の一つとなります。
Q. 五苓散とはどのような漢方薬ですか?
五苓散は約1800年前の中国医学書「傷寒論」に記載された漢方薬で、沢瀉・猪苓・茯苓・白朮・桂皮の5種の生薬から構成されます。体内の水分代謝バランスを正常化する作用を持ち、現在も厚生労働省に医療用漢方薬として承認され、多くの医療機関で処方されています。
📋 五苓散の基本情報と歴史
五苓散は、中国の古典医学書である「傷寒論」に記載されている歴史ある漢方薬です。約1800年前に張仲景によって書かれたこの医学書は、現在でも漢方医学の基礎となる重要な文献であり、五苓散もその中で水分代謝異常に対する代表的な処方として紹介されています。
五苓散の名前は、含まれる5つの生薬から「五苓」と名付けられています。構成生薬は、沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、桂皮(けいひ)の5種類です。これらの生薬が組み合わされることで、体内の水分代謝を調整し、むくみの改善に効果を発揮します。
沢瀉は利水作用が最も強い生薬で、腎臓での水分排泄を促進します。猪苓と茯苓は共に利水作用を持ちながら、脾胃の機能を整える作用もあります。白朮は脾胃を補い、水分代謝をサポートする働きがあります。桂皮は温める作用があり、他の生薬の効果を全身に巡らせる役割を担っています。
漢方医学では、むくみは「水毒」や「水滞」と呼ばれる病態として捉えられます。これは、体内の水分の分布や代謝が正常でない状態を意味しており、五苓散は特に「水毒」による症状に対する第一選択薬として位置づけられています。現代の日本でも、医療用漢方薬として厚生労働省に承認されており、多くの医療機関で処方されています。
五苓散の特徴的な点は、単純に水分を排出するだけでなく、体内の水分分布を正常化する作用があることです。つまり、余分な水分は排出しながら、必要な部位には適切に水分を供給するという、バランスの取れた水分調節作用を発揮します。この特性により、むくみの改善と同時に脱水を防ぐことができるとされています。
💊 五苓散がむくみに効く理由
五苓散がむくみに対して効果を発揮するメカニズムは、現代医学的にも徐々に解明されつつあります。主要な作用機序は、腎臓での水分・電解質調節機能の改善、末梢循環の促進、そして全身の水分代謝バランスの正常化です。
腎臓に対する作用では、五苓散の構成生薬が腎臓での水分再吸収を調節し、適切な利尿作用をもたらします。特に沢瀉の成分には、腎尿細管での水分再吸収を抑制する作用があることが実験的に確認されています。この作用により、体内の余分な水分が効率的に排出され、むくみの軽減につながります。
また、桂皮に含まれる桂皮アルデヒドなどの成分は、末梢血管を拡張させる作用があります。これにより血液循環が改善され、組織間に滞留していた水分の回収が促進されます。さらに、茯苓や猪苓には、リンパ系の機能を改善する作用があるとされており、組織間の水分回収がより効率的に行われるようになります。
五苓散の特徴的な作用として、水分の「偏在」を改善する効果があります。つまり、体の一部に水分が過剰に蓄積している状態を改善し、全身の水分分布を均等化します。これは現代医学の利尿薬とは異なる作用機序であり、漢方薬特有の全身調整作用と考えられています。
さらに、五苓散は消化管からの水分吸収も調節します。白朮の成分は胃腸機能を整え、過剰な水分摂取による体内水分増加を防ぎます。同時に、必要な水分は適切に吸収されるため、脱水のリスクを抑えながらむくみの改善を図ることができます。
現代の研究では、五苓散がアクアポリン(水チャネル)の発現に影響を与える可能性も示唆されています。アクアポリンは細胞膜に存在する水分透過性タンパク質であり、細胞レベルでの水分移動を調節しています。五苓散の成分がこのシステムに作用することで、より根本的な水分代謝の改善がもたらされる可能性があります。
Q. 五苓散はどのようなむくみに効果がありますか?
五苓散は下肢・顔面・全身のむくみに効果を発揮します。特に月経前症候群(PMS)に伴う水分貯留や、立ち仕事・座り仕事による職業性のむくみに有効です。アイシークリニックでも、女性の月経前や長時間立ち仕事による下肢のむくみに対して良好な効果が確認されています。
🏥 五苓散の適応症状と効果
五苓散は、むくみを主症状とする様々な病態に対して効果を発揮します。最も一般的な適応症状は、下肢のむくみ、顔面のむくみ、そして全身のむくみです。特に、朝起きた時の顔のむくみや、夕方になると足がパンパンに腫れるような症状に対して、優れた効果を示すことが知られています。
月経前症候群(PMS)に伴うむくみも、五苓散の重要な適応症状の一つです。女性ホルモンの変動により水分貯留が起こりやすくなる月経前の時期に、五苓散を服用することで、むくみの軽減とともに関連する諸症状の改善が期待できます。実際の臨床でも、PMS症状の改善に五苓散が広く使用されています。
立ち仕事や座り仕事による職業性のむくみに対しても、五苓散は効果的です。長時間同じ姿勢を続けることで下肢の静脈還流が悪くなり、夕方になると足がむくむという症状に対して、継続的な五苓散の服用により症状の軽減が期待できます。
水分摂取過多によるむくみにも五苓散は有効です。水分を多く摂りすぎた際の一時的なむくみや、水分代謝が悪い体質の方の慢性的なむくみに対して、水分バランスを整える作用により症状の改善を図ることができます。
その他の適応症状として、頭痛、めまい、吐き気なども挙げられます。これらの症状も「水毒」による症状として漢方医学では捉えられており、五苓散による水分代謝の改善により、これらの随伴症状も同時に改善されることがあります。
五苓散の効果は、服用開始から比較的早期に実感されることが多いです。急性のむくみの場合は数時間から数日で効果が現れることがあり、慢性的なむくみの場合でも1〜2週間程度の継続服用で改善が見られることが一般的です。ただし、個人差があるため、効果の現れ方や程度は患者さんによって異なります。
五苓散は、単独での使用だけでなく、他の漢方薬との組み合わせでも使用されます。例えば、冷え症を伴うむくみの場合は当帰芍薬散と、胃腸症状を伴う場合は六君子湯との併用などが行われることがあります。このような個別の体質や症状に応じた使い分けも、漢方治療の特徴の一つです。
⚠️ 五苓散の正しい使い方
五苓散を安全かつ効果的に使用するためには、正しい服用方法を理解することが重要です。一般的に、五苓散は1日3回、食前または食間(食事と食事の間の空腹時)に服用します。これは、漢方薬の吸収を良くし、効果を最大限に引き出すためです。
服用量については、成人の場合、1回あたり2.5〜3gが標準的な用量です。ただし、体重や症状の程度、他の薬剤との併用状況などを考慮して、医師が個別に用量を調整することがあります。高齢者や体重の軽い方では、用量を減らすことも必要です。
五苓散は温かい白湯で服用することが推奨されています。これは、桂皮などの温性の生薬の効果を高めるためです。水やお茶での服用も可能ですが、コーヒーや牛乳などでの服用は避けるべきです。また、アルコールとの同時摂取も控えるようにしてください。
服用のタイミングも重要な要素です。急性のむくみの場合は、症状が現れた時点で速やかに服用を開始します。慢性的なむくみの場合は、規則的な服用が効果的です。特に、むくみが悪化しやすい時間帯(朝の起床時や夕方など)の前に服用することで、予防的な効果も期待できます。
五苓散の服用期間については、症状の改善度合いによって決定します。急性の症状の場合は数日から1週間程度で効果判定を行い、慢性的な症状の場合は、1〜2ヶ月程度の継続服用を行い、その後の症状の変化を評価します。
五苓散を服用する際は、水分摂取にも注意が必要です。過度な水分制限は必要ありませんが、一度に大量の水分を摂取することは避けるべきです。こまめに適量の水分を摂取することで、五苓散の効果を最大限に活かすことができます。
また、五苓散の効果をより高めるために、生活習慣の改善も重要です。適度な運動による血液循環の促進、塩分摂取の適正化、規則正しい睡眠などは、五苓散の効果を補完する重要な要素です。
妊娠中や授乳中の女性が五苓散を使用する場合は、特に注意が必要です。一般的に漢方薬は比較的安全性が高いとされていますが、妊娠・授乳期については医師との十分な相談の上で使用を決定することが大切です。
Q. 五苓散と利尿薬の主な違いは何ですか?
利尿薬が強力かつ急速に水分を排出するのに対し、五苓散は穏やかで持続的な効果を示します。最大の違いは、五苓散が単に水分を排出するだけでなく、体内の水分分布そのものを正常化する点です。そのため脱水や電解質異常のリスクが比較的低く、長期的な体質改善が期待できます。
🔍 五苓散の副作用と注意点
五苓散は一般的に副作用が少ない漢方薬として知られていますが、全く副作用がないわけではありません。適切な使用のためには、起こりうる副作用や注意すべき点を理解しておくことが重要です。
最も注意すべき副作用は、過度な利尿作用による脱水です。五苓散の利水作用により、必要以上に水分が排出される場合があります。特に高齢者や基礎疾患のある方では、脱水による血圧低下、めまい、意識障害などが起こる可能性があります。服用中は適度な水分摂取を心がけ、脱水症状に注意することが大切です。
電解質バランスの異常も起こりうる副作用の一つです。利尿作用により、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質が過度に排出される場合があります。これにより、筋肉のけいれん、不整脈、全身倦怠感などの症状が現れることがあります。特に心疾患や腎疾患のある方では注意が必要です。
消化器系の副作用として、胃部不快感、吐き気、下痢などが報告されています。これらの症状は、主に空腹時の服用により起こることが多く、服用方法の調整により改善することが可能です。症状が持続する場合は、服用の中止や医師への相談が必要です。
アレルギー反応も稀ながら起こりうる副作用です。皮疹、かゆみ、発疹などの皮膚症状や、呼吸困難などの重篤な症状が現れる場合があります。このような症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受ける必要があります。
五苓散を服用する際の注意点として、他の薬剤との相互作用があります。特に利尿薬、降圧薬、心疾患治療薬などとの併用では、効果の増強や副作用のリスクが高まる可能性があります。他の薬剤を服用中の方は、必ず医師や薬剤師に相談してから五苓散を使用してください。
腎機能や肝機能に異常のある方では、五苓散の使用に特に注意が必要です。これらの臓器の機能低下により、薬剤の代謝や排泄が正常に行われない可能性があります。定期的な血液検査による機能評価を行いながら、慎重に使用する必要があります。
服用を中止すべき症状として、激しい下痢、持続する嘔吐、高度の脱水症状、意識障害などがあります。これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けることが重要です。また、効果が感じられない場合や、症状が悪化する場合も、継続の是非について医師と相談することが必要です。
📝 他のむくみ治療法との比較
むくみの治療には、五苓散以外にも様々な方法があります。それぞれの治療法には特徴があり、症状や原因に応じて適切に選択する必要があります。ここでは、五苓散と他の治療法を比較し、それぞれの利点と欠点について詳しく説明します。
現代医学における主要なむくみ治療薬は利尿薬です。利尿薬は作用機序により、サイアザイド系、ループ系、カリウム保持性などに分類されます。これらの薬剤は強力な利尿作用を示し、急性の重篤なむくみに対して迅速な効果を発揮します。しかし、電解質異常や脱水のリスクが高く、長期使用により腎機能への影響も懸念されます。
五苓散と現代医学の利尿薬との主な違いは、作用の穏やかさと全身調整作用にあります。利尿薬が強力かつ急速な水分排出を促すのに対し、五苓散は比較的穏やかで持続的な効果を示します。また、五苓散は水分の排出だけでなく、体内の水分分布の正常化も図るため、脱水のリスクが低いという利点があります。
弾性ストッキングによる圧迫療法も、下肢のむくみに対する効果的な治療法です。外部からの圧迫により静脈還流を促進し、水分の貯留を防ぎます。この方法は副作用が少なく、継続的な効果が期待できますが、着用の煩わしさや皮膚トラブルの可能性があります。五苓散との併用により、より効果的なむくみ管理が可能になります。
リンパドレナージュマッサージは、手技によりリンパの流れを改善し、組織間の水分回収を促進する方法です。即効性があり、局所的なむくみに対して特に効果的です。しかし、持続性に欠け、定期的な施術が必要という欠点があります。五苓散による全身的な水分代謝改善と組み合わせることで、より長期的な効果が期待できます。
運動療法もむくみ改善の重要な方法です。筋肉のポンプ作用により静脈還流を促進し、全身の循環を改善します。副作用がなく、全身の健康増進にも寄与しますが、即効性に欠け、継続的な実施が必要です。五苓散の服用と適度な運動の組み合わせは、むくみの根本的な改善に非常に効果的です。
食事療法、特に塩分制限もむくみ管理の基本です。塩分摂取の減少により体内の水分貯留を抑制できます。安全で継続しやすい方法ですが、効果は緩徐であり、厳格な制限は生活の質を低下させる可能性があります。五苓散の水分代謝改善作用と適切な食事管理の組み合わせにより、より効率的なむくみ改善が可能になります。
五苓散の最大の利点は、自然な水分代謝の回復を促すことにあります。症状を一時的に抑えるのではなく、体質そのものの改善を目指すため、長期的な観点からのむくみ管理に適しています。また、副作用が比較的少ないため、継続的な使用が可能です。ただし、効果発現までに時間がかかる場合があり、急性の重篤なむくみには適さないという制限もあります。
Q. 五苓散服用中の生活習慣で注意すべき点は?
五苓散服用中は、1日1.5〜2リットルの水分をこまめに摂取し、塩分は1日8g以下に制限することが推奨されます。週3〜4回・30分程度の有酸素運動で血液循環を促進し、就寝時は足を心臓より高い位置に置くと下肢の水分還流が改善されます。他の薬を服用中の場合は必ず医師に相談してください。
💡 五苓散を使う際のライフスタイルの注意点
五苓散の効果を最大限に引き出し、むくみの改善を図るためには、薬剤の服用と併せて適切なライフスタイルを維持することが重要です。日常生活の中で実践できる具体的な注意点と改善方法について詳しく説明します。
水分摂取については、適量を心がけることが大切です。五苓散を服用中であっても、必要な水分摂取を制限する必要はありませんが、一度に大量の水分を摂取することは避けるべきです。1日の総摂取量を1.5〜2リットル程度とし、こまめに分けて摂取することで、五苓散の水分調節作用を効果的にサポートできます。
食事内容の調整も重要な要素です。塩分摂取量は1日8g以下を目標とし、加工食品や外食での過剰摂取に注意してください。カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂取することで、体内の水分・電解質バランスの維持に役立ちます。ただし、腎機能に問題がある場合は、カリウム摂取について医師と相談することが必要です。
運動習慣の確立は、五苓散の効果を高める重要な要素です。ウォーキング、軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を週3〜4回、30分程度行うことで、全身の血液循環とリンパ循環を改善できます。特に下肢の筋肉を使う運動は、筋肉のポンプ作用により静脈還流を促進し、むくみの予防と改善に効果的です。
睡眠の質と時間も、むくみの改善に大きく影響します。十分な睡眠により、体内のホルモンバランスが整い、水分代謝も正常化されます。就寝時には、足を心臓より高い位置に置くことで、下肢に貯留した水分の還流を促進できます。枕やクッションを使って、足首を10〜15cm程度高くすることが効果的です。
長時間同じ姿勢を続けることを避けることも重要です。デスクワークや立ち仕事では、1時間に1回程度は姿勢を変え、軽いストレッチや足首の運動を行ってください。ふくらはぎの筋肉を動かすことで、血液の停滞を防ぎ、むくみの予防につながります。
衣服や靴の選択にも注意が必要です。きつい衣服や靴は血液循環を妨げ、むくみを悪化させる可能性があります。特に下着や靴下のゴムが強すぎないものを選び、足のサイズに適した靴を履くことが大切です。必要に応じて、着圧ソックスなどの圧迫療法用具の併用も検討してください。
ストレス管理も見過ごせない要素です。慢性的なストレスはホルモンバランスを乱し、水分代謝に悪影響を与える可能性があります。リラクゼーション法、瞑想、趣味活動などにより、適切なストレス解消を心がけてください。五苓散の全身調整作用とストレス管理の組み合わせにより、より効果的なむくみ改善が期待できます。
季節による変化にも注意を払うことが重要です。夏季は発汗により脱水になりやすく、冬季は運動不足により循環が悪化しやすい傾向があります。季節に応じた適切な水分摂取と運動量の調整を行い、一年を通じて安定したむくみ管理を目指してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では五苓散を処方する機会が多く、特に女性の月経前のむくみや立ち仕事による下肢のむくみに対して良好な効果を実感しています。最近の傾向として、西洋薬の利尿薬と比べて副作用が少なく、体質改善を図りながら根本的な水分代謝の改善が期待できるため、患者様にも安心してお使いいただけることが多いです。ただし効果には個人差があるため、症状の変化を確認しながら適切な用量調整を行うことが重要だと考えております。」
✨ よくある質問
急性のむくみの場合は数時間から数日で効果が現れることがあり、慢性的なむくみの場合でも1〜2週間程度の継続服用で改善が見られることが一般的です。ただし、効果の現れ方や程度は個人差があるため、医師と相談しながら適切な服用期間を決定することが重要です。
最も注意すべき副作用は過度な利尿作用による脱水です。また、電解質バランスの異常、胃部不快感、吐き気、稀にアレルギー反応が起こる可能性があります。激しい下痢、持続する嘔吐、高度の脱水症状、意識障害などが現れた場合は、直ちに服用を中止し医師の診察を受けてください。
利尿薬が強力かつ急速な水分排出を促すのに対し、五苓散は比較的穏やかで持続的な効果を示します。五苓散は水分の排出だけでなく、体内の水分分布の正常化も図るため、脱水のリスクが低く、全身の水分代謝バランスを整える全身調整作用が特徴です。
水分摂取は1日1.5〜2リットル程度をこまめに分けて摂取し、塩分は1日8g以下に制限してください。週3〜4回、30分程度の有酸素運動を行い、十分な睡眠を取ることが重要です。就寝時に足を心臓より高い位置に置くことで、下肢の水分還流を促進できます。
妊娠・授乳中の使用については医師との十分な相談が必要です。また、利尿薬、降圧薬、心疾患治療薬などとの併用では効果の増強や副作用のリスクが高まる可能性があります。他の薬剤を服用中の方は、当院などの医療機関で必ず医師や薬剤師に相談してから使用してください。
📌 まとめ
五苓散は、むくみの改善に効果的な漢方薬として、長い歴史と豊富な臨床経験を持つ治療薬です。その効果メカニズムは、単純な水分排出ではなく、体内の水分代謝バランス全体を正常化することにあります。5つの生薬の組み合わせにより、腎臓での水分調節、末梢循環の改善、リンパ系機能の向上などの多面的な作用を発揮し、根本的なむくみの改善を図ります。
五苓散の適応症状は、一般的なむくみから月経前症候群に伴うむくみ、職業性のむくみまで幅広く、多くの患者さんに対して効果的な治療選択肢となります。正しい服用方法を守り、適切なライフスタイルと組み合わせることで、より大きな効果を得ることができます。
ただし、五苓散も医薬品であり、副作用や注意点があることを理解しておくことが重要です。脱水、電解質異常、アレルギー反応などのリスクを認識し、異常を感じた場合は速やかに医師に相談することが必要です。また、他の薬剤との相互作用や、基礎疾患がある場合の使用については、専門医との十分な相談が欠かせません。
現代医学の治療法との比較では、五苓散は穏やかで持続的な効果、副作用の少なさ、全身調整作用などの利点を持ちます。弾性ストッキング、運動療法、食事療法などの他の治療法と組み合わせることで、より効果的なむくみ管理が可能になります。
五苓散を使用する際は、適切な水分摂取、塩分制限、規則的な運動、十分な睡眠などのライフスタイルの改善も重要です。これらの取り組みにより、五苓散の効果を最大限に活かし、長期的なむくみの改善と再発予防を図ることができます。
むくみでお悩みの方は、まずアイシークリニック大宮院などの医療機関を受診し、専門医による適切な診断と治療方針の決定を受けることをお勧めします。個人の症状や体質に応じた最適な治療法を選択し、安全で効果的なむくみ治療を行っていきましょう。

📚 参考文献
- 厚生労働省 – 漢方薬の承認・規制に関する公式情報および五苓散を含む医療用漢方薬の適正使用に関するガイドライン
- PubMed – 五苓散の水分代謝改善メカニズムとアクアポリンへの作用に関する基礎研究論文(”Goreisan ameliorates fluid retention and improves aquaporin-4 expression”)
- PubMed – 五苓散の臨床効果と安全性に関する系統的レビュー論文(”Clinical efficacy and safety of Goreisan for edema: A systematic review and meta-analysis”)
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務