春になるとマスクによる肌荒れに悩む方が増えてきます。花粉症対策や感染症予防のためにマスクを着用する機会が多くなるこの季節は、気温や湿度の変化も重なり、肌トラブルが起きやすい時期です。マスクの中は蒸れやすく、外すと急激に乾燥するという繰り返しが肌のバリア機能を低下させ、ニキビや赤み、かぶれなどのさまざまな症状を引き起こします。本記事では、春のマスク肌荒れの原因から具体的なスキンケア対策まで、皮膚科学的な観点を踏まえながらわかりやすく解説します。日々のちょっとした工夫で肌荒れを予防し、快適に過ごせるようにしっかりと対策を立てていきましょう。
目次
- 春にマスク肌荒れが増える理由
- マスク肌荒れの主な症状と種類
- マスク内の環境が肌に与える影響
- 春特有の環境要因がもたらすダメージ
- マスクの素材・形状と肌への影響
- 春のマスク肌荒れを防ぐスキンケアの基本
- マスクを着用しながらできるケア方法
- 食生活と生活習慣で内側から肌を整える
- 肌荒れが悪化したときの対処法
- まとめ
この記事のポイント
春のマスク肌荒れは、蒸れと乾燥の繰り返し・摩擦・花粉が複合して起こる。適切な保湿・マスク素材選び・食生活改善が予防の基本で、症状が改善しない場合は皮膚科や美容クリニックへの受診が推奨される。
🎯 春にマスク肌荒れが増える理由
春は気候が不安定で、朝晩と日中の気温差が大きく、湿度の変動も激しい季節です。この時期にマスクを長時間着用することで、肌への負担が格段に増してしまいます。冬の乾燥した空気でダメージを受けた肌は、春になっても回復しきれていないことが多く、バリア機能が低下した状態のまま春を迎えるケースが少なくありません。
花粉症を持つ方は春になるとマスクの着用時間が長くなります。花粉の飛散量が多い日には外出中ずっとマスクをつけているという方も多いでしょう。また、気温が上がるにつれて汗をかきやすくなり、マスク内の湿度が高まることでさらに肌への刺激が増します。
加えて、春は新学期や新年度のスタートなど生活環境が大きく変わる時期でもあります。ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなど、生活リズムの変化が肌の調子にも影響を与えます。こうした複数の要因が重なり合うことで、春のマスク肌荒れは特に深刻になりやすいのです。
Q. 春にマスク肌荒れが起きやすい主な原因は?
春のマスク肌荒れは、冬のダメージで低下したバリア機能が回復しきれない状態に、花粉症によるマスク長時間着用・気温差による皮脂分泌の乱れ・新生活のストレスや睡眠不足が重なることで複合的に発生しやすくなります。
📋 マスク肌荒れの主な症状と種類
マスクによる肌荒れにはいくつかの種類があり、症状によって原因や対処法が異なります。自分の症状がどのタイプに当てはまるかを理解することが、適切なケアへの第一歩です。
まず最も多いのが乾燥による肌荒れです。マスクを外した後に肌が急速に乾燥することで、皮膚の水分が失われ、粉吹きやかさつきが起こります。特に口周りや鼻の下、頬などマスクが触れる部分に症状が出やすく、ひどくなると皮がむけてしまうこともあります。
次に、摩擦性皮膚炎があります。マスクのふちやゴムが皮膚に繰り返し当たることで、摩擦による刺激が蓄積し、赤みやかゆみ、湿疹などが生じます。耳にかけるタイプのマスクは耳の後ろや耳たぶが赤くなることもあります。
三つ目はニキビや吹き出物です。マスク内に熱と湿気がこもることで、皮脂分泌が増加し、毛穴が詰まりやすくなります。さらに、呼気に含まれる二酸化炭素や細菌が繁殖しやすい環境が整うため、ニキビが集中して発生することがあります。この状態は「マスクアクネ」とも呼ばれ、顎から首にかけてのラインや頬に多く見られます。
四つ目は接触皮膚炎(かぶれ)です。マスクの素材や染料、防カビ剤などの化学物質に対してアレルギー反応を起こした場合に生じます。マスクが直接触れる部分に一致した範囲で赤み、腫れ、水疱などが現れることが特徴です。不織布マスクやウレタンマスクによってもアレルギー反応が起きることがあります。
五つ目は酒さ(ロザセア)の悪化です。もともと赤みが出やすい肌質の方は、マスク内の熱や湿度の変化により症状が悪化することがあります。ほてりや赤みが長引く場合は、皮膚科への相談が必要です。
💊 マスク内の環境が肌に与える影響
マスクを着用しているとき、マスクの内側はどのような環境になっているのでしょうか。実はマスクの内側は、外の環境とは大きく異なる独特の空間が形成されています。
呼吸によって排出された温かい空気と水蒸気がマスク内にこもるため、温度と湿度が上昇します。この高温多湿の環境は、皮脂の分泌を促し、細菌が増殖しやすい状態を作り出します。特に口周りや鼻の下は皮脂腺が多く、ニキビや毛穴詰まりが起きやすい部位です。
また、マスクを外した瞬間に環境が一変します。マスク内の高湿度状態から急に外気にさらされることで、肌の水分が急速に蒸発します。この急激な水分の蒸散が肌の乾燥を招き、バリア機能の低下につながります。この「蒸れと乾燥の繰り返し」こそがマスク肌荒れの核心的なメカニズムです。
さらに、唾液や呼気に含まれる消化酵素(アミラーゼなど)がマスク内の皮膚に付着することも、肌荒れの一因とされています。これらの酵素が皮膚のタンパク質を分解し、バリア機能を傷つける可能性があります。特に口周りの皮膚は薄く敏感なため、影響を受けやすいと言われています。
マスクの素材が物理的に肌に触れることで生じる摩擦も見逃せません。表情の変化や会話をするたびにマスクが動き、皮膚と繰り返し擦れることで、微細な傷が蓄積していきます。このような状態では外部からの刺激に対して肌が過敏になりやすく、ちょっとした刺激でも赤みやかぶれが起きやすくなります。
Q. マスク肌荒れの症状にはどんな種類がある?
マスク肌荒れには主に5種類あります。①マスク外後の急乾燥による粉吹き・かさつき、②素材の摩擦による赤みやかゆみ、③蒸れによるニキビ(マスクアクネ)、④素材への過敏反応による接触皮膚炎(かぶれ)、⑤もともと赤みが出やすい方の酒さ悪化です。
🏥 春特有の環境要因がもたらすダメージ
春という季節そのものが、肌にさまざまな試練をもたらします。冬から春への季節の移り変わりは、肌にとって特に注意が必要な時期です。
まず花粉の影響があります。スギやヒノキをはじめとする花粉は、皮膚に直接付着することで炎症を引き起こすことがあります。花粉症の症状として目や鼻だけでなく、顔の皮膚にかゆみや赤みが出る「花粉皮膚炎」の方も増えています。マスクで覆われていない目元や額、そしてマスクのすき間から入り込んだ花粉が肌を刺激することで、マスク肌荒れと花粉による肌荒れが複合的に起こることがあります。
次に、春の紫外線の影響です。実は紫外線は夏だけでなく、春からすでに強くなり始めています。3月から4月にかけての紫外線量は冬と比較して大幅に増加し、肌への影響も無視できません。マスクで覆われた部分は紫外線から守られる反面、マスクを外した部分(目元や額など)とのコントラストが生じ、色ムラの原因になることもあります。また、紫外線によって肌のバリア機能が低下すると、マスクによる摩擦や刺激に対しても肌が弱くなります。
春の気温変化も大きな要因です。朝晩は冷え込む一方で日中は暖かくなり、一日の中での気温差が10度以上になることも珍しくありません。この温度変化に対応しようとして皮脂腺や汗腺が混乱し、過剰な皮脂分泌や汗が生じます。マスク内でこれらが滞ることで、毛穴が詰まりやすくなります。
また、春は黄砂や大気汚染物質(PM2.5など)の飛来が多い時期でもあります。これらの微粒子が皮膚に付着することで酸化ストレスが生じ、炎症を引き起こすことが研究で示されています。マスクである程度は防げるものの、マスクのすき間から侵入した微粒子が肌に悪影響を及ぼすことがあります。
⚠️ マスクの素材・形状と肌への影響
マスクの種類によって肌への影響は大きく異なります。自分の肌質や症状に合ったマスクを選ぶことも、肌荒れ対策の重要なポイントです。
不織布マスクは最も広く使われているタイプで、フィルター性能が高く花粉や細菌の侵入を防ぐ効果があります。しかし、素材が硬めで肌との摩擦が大きく、肌荒れを起こしやすい面もあります。また、ポリプロピレンなどの素材に対してアレルギーを持つ方もいます。静電気を帯びやすい性質があり、花粉を吸着する反面、マスクを外したときに花粉が飛散して肌に付着するリスクがあります。
布マスクはウレタンマスクと並んで繰り返し使えるエコなタイプです。肌触りが柔らかいものを選べば摩擦を抑えられますが、洗濯が不十分だと雑菌が繁殖しやすく、かえって肌荒れを悪化させることがあります。毎日清潔に洗って使うことが前提です。コットン素材は肌への刺激が少なく、敏感肌の方にも比較的優しいとされています。
ウレタン(ポリウレタン)マスクは伸縮性があり顔にフィットしやすいため、着け心地が良いと人気があります。ただしフィルター性能は不織布より低めで、肌への密着度が高いためにかえって蒸れやすく、ニキビが悪化するケースがあります。
マスクの形状も重要です。立体型のマスクは口元に空間ができるため、肌との接触面積が減り、蒸れや摩擦を軽減できます。平型のマスクは顔に密着するため、呼吸によって口周りに蒸気がこもりやすくなります。肌荒れが気になる方には立体型マスクの使用がすすめられることが多いです。
耳ひもの素材にも注意が必要です。細いゴムタイプは耳への圧力が集中し、耳の後ろが痛くなったり、かぶれたりすることがあります。幅広のファブリック素材や、首の後ろで留めるタイプのアタッチメントを使うことで耳への負担を軽減できます。
Q. 肌荒れを防ぐマスクの素材や形状の選び方は?
立体型マスクは口元に空間ができ肌との接触面積が減るため、蒸れや摩擦の軽減に効果的です。素材はコットン製布マスクが肌刺激が少なくおすすめですが、毎日清潔に洗うことが必須です。耳ひもは幅広素材を選ぶと耳への圧力や摩擦も抑えられます。
🔍 春のマスク肌荒れを防ぐスキンケアの基本
マスク肌荒れを予防するためには、日々のスキンケアを見直すことが最も効果的です。基本的なスキンケアの手順と、春のシーズンに特に意識すべきポイントを解説します。
洗顔は肌荒れケアの基本中の基本です。ただし、洗いすぎは禁物です。必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまうと、肌のバリア機能がさらに低下します。朝は水かぬるま湯で軽く洗う程度にとどめ、夜はメイクや汚れをしっかり落とせる低刺激の洗顔料を使いましょう。洗顔後はすぐに保湿を行うことが大切です。
保湿は最も重要なスキンケアステップです。マスク着用中は蒸れているように見えても、実際には肌の水分は失われやすい状態にあります。化粧水でしっかりと水分を補給した後、乳液やクリームで蓋をして水分の蒸発を防ぎましょう。セラミドやヒアルロン酸、ナイアシンアミドなどの成分が含まれる保湿剤は、バリア機能の修復と保水力の向上に役立ちます。
ただし、保湿剤の量には注意が必要です。マスクを着用する場合、過剰なクリームや乳液が毛穴に詰まってニキビの原因になることがあります。テクスチャーが軽めのものを適量使い、マスクを着用する前には肌への浸透を確認してから装着するようにしましょう。
日焼け止めは春から毎日使うことをおすすめします。SPF30以上、PA++以上の製品を選び、マスクで覆われない目元や額にもしっかり塗布しましょう。ただし、日焼け止めが毛穴を塞ぎやすい場合もあるので、肌質に合ったノンコメドジェニックの製品を選ぶと安心です。
メイクはできるだけ薄くすることが理想です。マスクを着用している間はどうしても口周りのメイクが崩れやすく、崩れたファンデーションが毛穴を塞ぐことでニキビの原因になります。ノーメイクが難しい場合は、マスクで隠れる部分のメイクを極力控えるか、肌に優しい成分の軽いBBクリームなどを使用しましょう。
スキンケア製品を選ぶ際には、アルコール、合成香料、着色料などの刺激成分が含まれていないものを選ぶことが大切です。敏感肌や肌荒れ中の方は特に、「低刺激性」「アレルギーテスト済み」「ノンアルコール」などの表示を確認しましょう。
📝 マスクを着用しながらできるケア方法
マスクを日中も着用し続ける必要がある場合でも、いくつかの工夫によって肌へのダメージを最小限に抑えることができます。
まず、マスクの中にコットンやガーゼを挟む方法があります。不織布マスクの内側に肌に優しい素材のインナーを入れることで、直接肌に触れる刺激を減らすことができます。市販の「マスクインナー」と呼ばれる商品も活用できます。また、これによりマスク内の蒸れを多少吸収させる効果も期待できます。
マスクを着用する前に肌に薄くワセリンやバリア保護クリームを塗ることで、摩擦から肌を守る効果があります。特に摩擦が集中しやすい鼻筋や頬骨の部分、耳の後ろなどにピンポイントで使用するのが効果的です。ただし、量が多すぎると毛穴を塞ぐ原因になるため、薄く伸ばすように使いましょう。
可能な場合は、定期的にマスクを外して肌を休ませる時間を設けましょう。人が少ない場所や換気の良い屋外では、短時間マスクを外して肌に空気を触れさせることが有効です。このとき、外気で急激に乾燥しないよう、保湿スプレーやミストを持ち歩いて使用すると良いでしょう。
マスクのずれを防ぐことも重要です。マスクが顔の上で動くたびに摩擦が生じるため、マスクをしっかりとフィットさせて無駄な動きを減らすことが大切です。顔のサイズに合ったマスクを選ぶことが基本ですが、立体型マスクやノーズワイヤーで固定するタイプを選ぶことでよりフィット感が高まります。
汗をかいた場合は、こまめにマスクを交換することをおすすめします。濡れたマスクを着け続けると細菌が増殖しやすく、肌荒れがさらに悪化します。特に運動後や気温が高い日には、予備のマスクを持参しておくと安心です。
布マスクや繰り返し使用するマスクは、毎日清潔に洗って使うことが大原則です。使用した後は速やかに洗濯し、しっかりと乾燥させてから使いましょう。洗濯用の洗剤は無香料・低刺激のものを選ぶと、洗剤成分による肌への刺激を避けられます。
Q. マスク肌荒れが市販ケアで改善しない場合は?
市販ケアを2週間続けても改善しない場合や、広範囲のニキビ・水疱を伴うかぶれ・膿を伴う強い炎症がある場合は、皮膚科や美容クリニックへの受診が推奨されます。アイシークリニックでは、ケミカルピーリングや光治療(IPL)など専門的な治療に対応しています。
💡 食生活と生活習慣で内側から肌を整える
肌荒れは外からのケアだけでは対処しきれないことがあります。食生活や生活習慣を整えることで、内側から肌のコンディションを向上させることも重要なアプローチです。
ビタミンCは肌のコラーゲン生成を助け、抗酸化作用によって肌の老化を防ぎます。春は紫外線が増えてくる時期でもあるため、意識的にビタミンCを摂取することが大切です。柑橘類、いちご、キウイ、赤ピーマン、ブロッコリーなどに多く含まれています。
ビタミンB群は皮膚のターンオーバーを正常に保ち、皮脂分泌のコントロールに役立ちます。特にビタミンB2(リボフラビン)とB6(ピリドキシン)はニキビや脂性肌の改善に効果があるとされています。豚肉、卵、豆腐、海苔、バナナなどに豊富に含まれています。
亜鉛は皮膚の修復を促す重要なミネラルで、ニキビや炎症の改善に効果があるとされています。牡蠣、牛肉、豆類、ナッツ類などに多く含まれているので、積極的に取り入れましょう。
腸内環境の改善も肌荒れ対策に有効です。腸と皮膚は密接な関係にあり、腸内細菌のバランスが乱れると肌荒れが起きやすくなることが知られています。発酵食品(ヨーグルト、味噌、納豆、キムチなど)や食物繊維(野菜、果物、雑穀など)を毎日の食事に積極的に取り入れましょう。
水分補給も忘れずに行いましょう。体の水分量が不足すると肌の乾燥が進みます。1日に1.5〜2リットルを目安に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。カフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶など)は利尿作用があるため、水分補給としてはあまり適していません。
睡眠は肌の再生にとって欠かせません。肌細胞の修復や新陳代謝は主に就寝中に行われます。春は新生活でストレスが増えやすい時期ですが、できるだけ規則正しい生活リズムを維持し、7〜8時間の十分な睡眠を確保するよう心がけましょう。
ストレス管理も肌荒れ予防の重要な要素です。精神的なストレスはコルチゾールというホルモンの分泌を促し、皮脂の過剰分泌やバリア機能の低下を引き起こします。適度な運動、趣味の時間、リラクゼーション法(入浴、ストレッチ、瞑想など)を日常に取り入れることで、ストレスを上手に発散させましょう。
喫煙は肌荒れを悪化させる大きな要因の一つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、肌への酸素や栄養素の供給を妨げます。また、活性酸素の産生を増やし、皮膚の老化やバリア機能の低下を促進します。禁煙することが肌にとっても最善の選択です。
✨ 肌荒れが悪化したときの対処法

日々のスキンケアや生活習慣の見直しをしても肌荒れが改善しない場合、あるいは急速に悪化している場合には、適切な対処が必要です。
まず、症状が軽い乾燥や赤みの場合は、市販のスキンケア製品で対応できることがあります。低刺激で保湿効果の高いスキンケアラインを揃え、刺激成分を排除したシンプルなケアを継続しましょう。市販薬では、尿素配合のクリームや、ヒドロコルチゾンを含む弱いステロイドクリームが軽度の炎症や乾燥に効果があります。ただし、使用方法や期間には注意が必要です。
ニキビが多数発生している場合は、過酸化ベンゾイルやサリチル酸を含むニキビ治療薬(市販)を使用することがあります。ただし、これらの成分は刺激感が強く、敏感肌の方や乾燥が強い方には向かないこともあります。
以下のような症状が見られる場合は、速やかに皮膚科を受診することをすすめします。まず、市販薬を2週間使っても改善が見られない場合。次に、かぶれ(接触皮膚炎)が疑われる場合。マスクが触れた部分に一致した範囲に強い赤みや水疱が出ている場合は、アレルゲン検査(パッチテスト)が必要なこともあります。また、ニキビが広範囲に及んでいる場合や、膿が出ているほど炎症が強い場合は、抗生物質の内服や外用が必要なことがあります。さらに、以前から酒さや脂漏性皮膚炎などの慢性的な皮膚疾患がある方で症状が悪化した場合も、早めに受診が必要です。
皮膚科では、症状に応じて外用ステロイド剤、抗生物質外用薬、レチノイン酸誘導体、保湿処方薬などが処方されます。また、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れている場合は、その治療も並行して行われます。自己判断での強いステロイドの連続使用は、皮膚の菲薄化(薄くなること)やリバウンドの原因になることがあるため、適切な使用方法を医師に確認することが大切です。
美容クリニックでは、肌荒れや繰り返すニキビ、色素沈着などに対してより専門的なアプローチが可能です。ケミカルピーリングは古い角質を取り除き、毛穴の詰まりや肌のくすみを改善します。光治療(IPL)はニキビや赤みの改善に効果があり、マスク肌荒れによるニキビ跡の赤みや色素沈着にも対応できます。また、肌のバリア機能を高める水光注射や美容点滴なども、マスク肌荒れの悩みを持つ方に活用されています。
ニキビ跡の色素沈着(炎症後色素沈着)は、マスクで隠れているうちに気づかずに悪化していることがあります。マスクを外す機会が増える季節の変わり目に初めて気になる方も多いです。この色素沈着にはビタミンC誘導体やハイドロキノン、トラネキサム酸配合の製品が有効ですが、専門的な治療の方がより効果的で早期に改善できることもあります。アイシークリニック大宮院では、肌の状態を丁寧に確認しながら、一人ひとりに最適な治療プランを提案しています。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春になるとマスクによる肌荒れを主訴に来院される患者様が増える傾向にあり、特に花粉シーズンと重なるこの時期は、乾燥・摩擦・蒸れが複合的に重なって症状が深刻化しているケースが多く見受けられます。マスク内の高温多湿とその後の急激な乾燥という繰り返しがバリア機能を着実に低下させるため、日々の保湿ケアとご自身の肌質に合ったマスク選びが予防の要となります。市販のケアで改善が見られない場合や、かぶれ・広範囲のニキビなど症状が強い場合は、早めにご相談いただくことで適切な治療につなげられますので、どうぞ一人で悩まずお気軽にお越しください。」
📌 よくある質問
春は気温・湿度の変化が大きく、冬のダメージで低下したバリア機能が回復しきれていない状態にあります。そこに花粉症でのマスク長時間着用、汗による蒸れ、新生活によるストレスや睡眠不足が重なるため、複合的に肌荒れが起こりやすくなります。
主に5種類あります。①乾燥による粉吹き・かさつき、②摩擦による赤みやかゆみ、③マスク内の蒸れによるニキビ(マスクアクネ)、④マスクの素材が原因のかぶれ(接触皮膚炎)、⑤もともと赤みが出やすい方の酒さ悪化です。症状のタイプによって適切なケア方法が異なります。
立体型マスクは口元に空間ができるため、肌との接触面積が減り蒸れや摩擦を軽減できます。素材はコットン製の布マスクが肌刺激が少なくおすすめです。ただし布マスクは毎日清潔に洗うことが必須です。肌への刺激を感じる場合は、マスクの内側に肌に優しいインナーを挟む方法も有効です。
いくつかの工夫が効果的です。マスク装着前に鼻筋や頬骨など摩擦が集中する部分に薄くワセリンを塗ると保護になります。また、保湿ミストを持ち歩き、マスクを外せる場面で肌を休ませながらケアするのもおすすめです。汗をかいた際はマスクをこまめに交換し、蒸れた状態を放置しないことも大切です。
市販ケアを2週間続けても改善しない場合や、広範囲のニキビ・水疱を伴うかぶれ・膿が出るほどの炎症がある場合は、皮膚科や美容クリニックへの受診をおすすめします。アイシークリニックでは、ケミカルピーリングや光治療(IPL)など専門的な治療も対応しており、一人ひとりの肌状態に合わせた治療プランを提案しています。
🎯 まとめ
春のマスク肌荒れは、気候の変化・花粉・マスク内の蒸れと乾燥・摩擦といった複数の要因が絡み合うことで起こります。乾燥、摩擦性皮膚炎、ニキビ(マスクアクネ)、接触皮膚炎など症状の種類によって対策も異なるため、まず自分の症状を正しく把握することが大切です。
日々のスキンケアでは、洗顔のし過ぎを避け、適切な保湿を行い、紫外線対策を忘れないことが基本です。マスクの素材や形状を肌質に合わせて選ぶことも有効で、立体型マスクや肌に優しいインナーの活用も検討してみましょう。また、食生活でビタミンCやB群、亜鉛などを意識して摂取し、十分な睡眠とストレス管理を行うことで、内側から肌を強くしていくことも重要です。
こうした日常的なケアを続けても改善が見られない場合や、症状が強い場合は、皮膚科や美容クリニックへの相談をためらわないでください。専門家のサポートを受けることで、より効果的に肌荒れを改善し、快適な春を過ごすことができます。マスク着用が続く現代において、肌のケアは日常生活の一部として丁寧に行っていくことが大切です。早めの対策と適切なケアで、春のマスク肌荒れをしっかりと乗り越えていきましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – マスクによる接触皮膚炎・摩擦性皮膚炎・ニキビ(マスクアクネ)など、マスク着用に関連した皮膚トラブルの原因・症状・対処法に関する皮膚科学的な根拠情報
- 厚生労働省 – 肌荒れ予防・スキンケアに関する基本的な健康情報、および花粉症対策としてのマスク着用に関する公式ガイダンス
- PubMed – マスク着用による皮膚バリア機能への影響、接触皮膚炎・酒さ(ロザセア)の悪化、花粉・PM2.5による皮膚炎に関する国際的な査読済み研究文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務