マスクを長時間着用していると、口まわりやあご、頬などにニキビができやすくなったと感じる方は多いのではないでしょうか。マスクの中は蒸れた状態が続くため、肌にとって非常に過酷な環境になりやすく、今まであまりニキビができなかった人でも突然悩み始めるケースが増えています。マスクの着用が日常的になった現代において、いわゆる「マスクニキビ」は多くの人が抱える肌トラブルのひとつとなりました。この記事では、マスクの蒸れがなぜニキビを引き起こすのか、そのメカニズムをわかりやすく説明しながら、日常生活でできる具体的な対策や、なかなか治らない場合の対処法についても詳しく解説していきます。
目次
- マスクの蒸れがニキビを引き起こすメカニズム
- マスクニキビができやすい部位とその特徴
- マスクニキビを悪化させるNG習慣
- マスクの選び方でニキビリスクを下げる方法
- 正しいスキンケアでマスクニキビを防ぐ
- 生活習慣の見直しで内側からアプローチする
- 市販薬・医薬品の活用と注意点
- 皮膚科・美容クリニックを受診するタイミング
- まとめ
この記事のポイント
マスクニキビはバリア機能低下・摩擦・アクネ菌増殖・皮脂過剰分泌が重なり発生する。適切なマスク選び・正しいスキンケア・生活習慣改善が有効で、改善しない場合は皮膚科への早期受診が推奨される。
🎯 1. マスクの蒸れがニキビを引き起こすメカニズム
マスクをつけていると、呼吸によって口まわりに湿気がこもります。この蒸れた状態が長時間続くことで、肌の環境は大きく変化します。なぜ蒸れるとニキビができやすくなるのか、そのメカニズムを順を追って理解していきましょう。
まず、マスクの内側は呼気によって温度と湿度が上がります。温度と湿度が高い状態は、皮膚常在菌のひとつであるアクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖しやすい環境です。アクネ菌はもともと肌に存在している菌ですが、皮脂が多くなったり毛穴が詰まったりすると過剰に増殖し、炎症を起こしてニキビになります。
次に、蒸れによって皮膚のバリア機能が低下するという問題があります。皮膚の表面には「角質層」と呼ばれる層があり、外部の刺激や細菌から肌を守る役割を担っています。しかし、長時間湿った状態が続くと角質層がふやけてしまい、バリア機能が弱まります。バリアが破綻した肌は、外部からの刺激に対して敏感になるだけでなく、細菌や汚れが毛穴に入り込みやすい状態になってしまいます。
さらに、マスクと肌との摩擦も見逃せない要因のひとつです。マスクの素材や形状によっては、着脱のたびに、あるいは話したり動いたりするたびに肌とこすれます。この摩擦が角質層を傷つけ、炎症の引き金になることがあります。摩擦によって肌が傷つくと、そこから細菌が侵入しやすくなるため、ニキビが発生しやすくなるのです。
加えて、マスクをつけていると肌のムレによって皮脂分泌が促進されます。皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすくなり、そこにアクネ菌が繁殖することでニキビへと発展します。もともと皮脂分泌が多い脂性肌の方はもちろん、乾燥肌の方も皮膚がダメージを受けることで皮脂の過剰分泌が起きることがあります。
このように、マスクの蒸れによるニキビの発生には複数の要因が絡み合っており、単純に「皮脂が多いから」というわけではありません。バリア機能の低下、摩擦、アクネ菌の増殖、皮脂分泌の増加といったさまざまなメカニズムが重なって、マスクニキビは生じます。
Q. マスクの蒸れがニキビを引き起こすメカニズムは?
マスク内は呼気で温度・湿度が上昇し、アクネ菌が増殖しやすくなります。同時に長時間の湿潤状態で角質層がふやけてバリア機能が低下し、マスクとの摩擦が肌を傷つけます。さらに皮脂分泌が促進されて毛穴が詰まりやすくなるため、これら複数の要因が重なりニキビが発生します。
📋 2. マスクニキビができやすい部位とその特徴
マスクニキビは、マスクが直接触れる部位に多く見られます。特に発生しやすい箇所とその特徴を知っておくことで、重点的にケアすべき場所がわかりやすくなります。
口まわり(口周囲)は最もニキビができやすい部位のひとつです。口を動かすたびにマスクとの摩擦が生じやすく、また呼気の湿気が直接当たるため蒸れが強くなります。小さな赤いニキビが密集して現れることが多く、痛みや痒みを伴う場合もあります。
あご(下顎部)もマスクニキビの典型的な発生部位です。マスクの下端が当たりやすい場所でもあり、摩擦や圧迫が加わりやすい箇所です。あごは皮脂腺も多く、ホルモンの影響を受けやすい部位でもあるため、マスクの刺激によってさらにニキビが悪化するケースも見られます。女性ではホルモンバランスの乱れが重なるとあごのニキビが慢性化することがあります。
頬(特に頬骨の下あたり)もマスクに覆われる範囲に含まれるため、蒸れの影響を受けやすい部位です。マスクのゴムがかかる耳まわりや頬のラインも、素材との摩擦で肌荒れやニキビが起きることがあります。
鼻の下から口角にかけての範囲(鼻唇溝付近)も、呼気が当たりやすく皮脂の多い部位であるため、ニキビが発生しやすいです。特に鼻の脇は皮脂腺が集中しているため、毛穴詰まりとニキビが起きやすいゾーンとして知られています。
マスクニキビの特徴としては、通常のニキビと見た目が似ているため区別が難しい場合があります。しかし、マスクをつけている時間が長いほど症状が悪化したり、マスクを外している休日に改善されたりするといった経過が見られる場合は、マスクニキビである可能性が高いと考えられます。
💊 3. マスクニキビを悪化させるNG習慣
マスクニキビに悩んでいる方の中には、知らず知らずのうちにニキビを悪化させる行動をとっているケースがあります。どのような習慣がニキビに悪影響を及ぼすのかを把握し、改善につなげましょう。
ニキビを手で触ったり、潰したりする行為は最も避けるべきNG習慣のひとつです。手には多くの細菌が付着しており、ニキビを触ることで雑菌が入り込み、炎症が悪化します。また、無理に潰すと毛穴の周囲の組織が傷つき、色素沈着やクレーター状の瘢痕(ニキビ跡)が残るリスクが高まります。
洗顔のしすぎや、刺激の強いスキンケア製品の使用も問題です。「皮脂が多いから」と思って過度に洗顔を繰り返すと、肌の保湿成分まで洗い流してしまいます。その結果、乾燥した肌が皮脂を過剰に分泌させて毛穴詰まりを引き起こし、かえってニキビを悪化させる悪循環に陥ることがあります。アルコールや強い界面活性剤を含む化粧品も肌のバリアを傷つける可能性があるため注意が必要です。
マスクを使い回すことも衛生面でよくありません。布マスクを毎日洗わずに使い回していると、前日の皮脂や汚れ、菌がマスクの内側に残り、翌日も同じ刺激に肌がさらされ続けます。不織布マスクも使い回しは衛生上望ましくなく、できるだけ毎日新しいものを使用することが理想的です。
マスクの下にファンデーションやBBクリームなどのカバー力の高いメイクをしっかりとつけることも、毛穴詰まりを促進させる原因になります。特に粉っぽいタイプのファンデーションは毛穴に詰まりやすく、マスクの蒸れと組み合わさることでニキビのリスクが高まります。マスクに隠れる部分のメイクはできるだけ薄くすることが肌への負担を減らすうえで効果的です。
クレンジングや洗顔が不十分で、毛穴に皮脂汚れが残ったままになるのも問題です。特に夜のスキンケアを怠ると、日中に蓄積した皮脂や汚れ、化粧品成分が毛穴を詰まらせてしまいます。しかし先述のとおり、やりすぎも禁物なので「適切な洗顔」を心がけることが重要です。
Q. マスクニキビ対策に適したマスクの選び方は?
コットン素材の布マスクは通気性が高く肌への刺激が少ないため敏感肌に適しています。不織布マスクを使う場合は内側にシルクやガーゼを当てて摩擦を軽減する方法が有効です。また立体型マスクは口まわりに空間が生まれ蒸れを和らげる効果が期待でき、自分の顔サイズに合ったものを選ぶことも重要です。
🏥 4. マスクの選び方でニキビリスクを下げる方法
マスクの種類や素材、形状を工夫するだけで、肌への負担を軽減できる場合があります。毎日使うものだからこそ、肌に合ったマスク選びは非常に重要です。
マスクの素材については、肌への刺激が少ないものを選ぶことが基本です。一般的に、コットン(綿)素材の布マスクは通気性が高く、肌触りが柔らかいため、敏感肌の方にも向いています。ただし、汗や皮脂を吸収したままにしておくと細菌が繁殖するため、毎日の洗濯が必須です。不織布マスクは感染防止効果が高い反面、繊維が肌に摩擦を与えやすい素材です。摩擦を軽減するためには、顔にフィットしすぎないゆとりのある形状のものを選ぶか、マスクの内側にコットンやガーゼを当てるという工夫も効果的です。
シルクやナイロンなど、肌触りの良い素材のインナーマスクを不織布マスクの内側に入れて使う「二重マスク」の方法もあります。この方法は、不織布マスクの感染対策効果を維持しながら、直接肌に当たる素材を変えることで摩擦と刺激を軽減できます。
マスクのサイズや形状も重要なポイントです。顔の大きさに合っていないマスクは、必要以上に肌に当たって摩擦を起こしたり、隙間ができて逆に雑菌が入りやすくなったりします。立体型のマスクは口まわりに空間ができるため、蒸れを和らげる効果が期待できます。
また、マスクの衛生管理も対策のひとつです。布マスクは毎日洗濯し、しっかりと乾燥させてから使用することが大切です。洗濯後に残る洗剤の成分が肌に触れて刺激になることもあるため、すすぎをしっかり行い、肌への刺激が少ない洗剤を選ぶことも意識してみましょう。不織布マスクは基本的に使い捨てが原則で、1日ごとに交換するのが理想です。
マスクをつけている時間の長い職場や学校では、休憩のタイミングで一時的にマスクを外して肌を乾燥させる時間を作ることも効果的です。ただし、外す場所は人が少なく換気が十分な場所であることを確認してください。
⚠️ 5. 正しいスキンケアでマスクニキビを防ぐ
マスクニキビを防ぐためには、日々のスキンケアを正しく行うことが非常に重要です。間違ったスキンケアは肌への刺激となり、ニキビをさらに悪化させる原因になります。朝のケア・夜のケアに分けて、具体的なポイントを確認しましょう。
朝の洗顔は、ぬるま湯を使って優しく行います。洗顔料は泡立てネットなどを使ってしっかりと泡立て、泡を転がすように肌に乗せて洗います。ゴシゴシこすると角質層を傷つけてしまうため、泡が汚れを包み込む性質を活かして、なるべく摩擦なく洗いあげましょう。朝は皮脂汚れが少ないため、洗顔料を使わずにぬるま湯のみで洗う方法も一つの選択肢です。
洗顔後の保湿は欠かせません。ニキビができているときノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい)と表示されている化粧品を選ぶようにしましょう。「ニキビがあるから保湿しない」という考え方は誤りで、乾燥した肌は皮脂を過剰に分泌させてニキビを悪化させます。化粧水でしっかりと水分を補い、乳液やジェルで保湿を行うことが基本です。ただし、過剰にこってりとした保湿剤は毛穴を詰まらせやすいため、テクスチャーの軽いものを選ぶと良いでしょう。
マスクをつける前に日焼け止めを塗ることも、紫外線によるニキビ跡の色素沈着を防ぐために重要です。日焼け止めもノンコメドジェニックタイプを選ぶと安心です。ただし、マスクの下に過度に重ね塗りすることは蒸れの原因になるため、薄く均一に塗布することを心がけましょう。
夜のケアでは、日中に蓄積した皮脂や汚れ、日焼け止め、メイク成分をしっかりと落とすことが重要です。クレンジングはマスクに隠れていた部分も含めて丁寧に行います。ただし、強くこすらず、クレンジング剤の洗浄力で汚れを浮かせて洗い流すイメージで行いましょう。オイルクレンジングは洗浄力が高い一方、すすぎ残しが毛穴詰まりを引き起こすことがあるため、しっかりとすすぎます。
週に1〜2回程度の頻度でピーリング(角質ケア)を取り入れることも、毛穴詰まりの予防に役立ちます。ただし、炎症を起こしているニキビがある部分には使用しないよう注意が必要です。肌の状態に合わせて使用頻度や製品を調整してください。
美容成分の中では、ビタミンC誘導体がニキビ跡の改善や皮脂分泌の抑制に役立つとされています。また、ナイアシンアミドには毛穴を目立ちにくくする作用や抗炎症作用が期待され、ニキビ肌に向いた成分として注目されています。スキンケア製品を選ぶ際の参考にしてみてください。
Q. マスクニキビを防ぐ正しいスキンケア方法は?
朝夜ともにぬるま湯と泡立てた洗顔料で摩擦を最小限にして洗います。洗顔後はノンコメドジェニック表示の化粧水・乳液で保湿を行い、乾燥による皮脂過剰分泌を防ぐことが重要です。ビタミンC誘導体やナイアシンアミド配合のスキンケアはニキビ跡改善や皮脂抑制に役立つため、マスクニキビが気になる方に適しています。
🔍 6. 生活習慣の見直しで内側からアプローチする
ニキビは外側からのケアだけでなく、生活習慣の改善によって内側からもアプローチすることが大切です。食事・睡眠・ストレスといった要因がニキビの発生や悪化に深く関わっています。
食事については、糖質や脂質の多い食事はインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌を促し、皮脂分泌が増えてニキビができやすくなるとされています。白米や砂糖、揚げ物、乳製品(特に牛乳)が皮脂分泌に影響するという報告があり、ニキビが気になる方はこれらの摂取を控えめにすることが推奨されています。一方で、ビタミンB群(特にビタミンB2・B6)は皮脂のコントロールに関わり、ニキビ予防に有効とされています。豆類、魚類、緑黄色野菜などを積極的に取り入れましょう。
亜鉛はニキビ改善に役立つミネラルとして注目されています。亜鉛には皮脂分泌の調節作用や抗炎症作用があり、牡蠣・牛肉・ナッツ類などに多く含まれています。ビタミンAは皮膚のターンオーバーを正常化し、毛穴詰まりの予防に役立ちます。レバーやにんじん、ほうれん草などに含まれています。
水分補給も肌の状態に影響します。水分が不足すると肌が乾燥してバリア機能が低下し、皮脂が過剰に分泌されやすくなります。1日を通じてこまめに水を飲む習慣をつけましょう。
睡眠は肌の回復に欠かせない要素です。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバー(新陳代謝)が促進されます。睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌が増えてニキビができやすくなります。1日7〜8時間を目安に、質の良い睡眠を確保することが大切です。就寝前のスマートフォン使用を控える、入浴で体を温めてリラックスするなど、睡眠の質を上げる工夫も効果的です。
ストレスも大きな要因のひとつです。ストレスを感じるとコルチゾールなどのストレスホルモンが増加し、皮脂腺を刺激して皮脂分泌が増えます。また、ストレスは免疫機能にも影響するため、ニキビの悪化や治りにくさにつながります。適度な運動、趣味の時間、リラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)を取り入れてストレスを上手にコントロールすることが、ニキビ改善にも役立ちます。
喫煙はニキビを悪化させる要因のひとつとされています。タバコに含まれる成分は血流を悪化させ、肌の酸素や栄養供給を妨げるため、肌の回復力が低下します。禁煙することで肌環境の改善が期待できます。
📝 7. 市販薬・医薬品の活用と注意点
スキンケアや生活習慣の改善に加えて、市販薬を活用することもマスクニキビへの対策として有効な選択肢です。ただし、種類が多く、肌の状態によって適切な製品が異なるため、正しい知識をもって選ぶことが重要です。
市販薬として代表的なニキビ治療薬の成分には、以下のようなものがあります。
イブプロフェンピコノール(抗炎症成分)は炎症を抑える作用があり、赤くなった炎症性ニキビに向いています。ただし、炎症のないニキビ(白ニキビや黒ニキビ)への効果は限定的です。
イソプロピルメチルフェノール(殺菌成分)はアクネ菌を含む皮膚常在菌を殺菌する作用があります。ニキビの予防にも使われますが、過度に使用すると皮膚常在菌のバランスを崩す可能性があるため、適切な量と頻度での使用が重要です。
グリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症・抗アレルギー作用を持つ成分で、多くのスキンケア製品にも配合されています。刺激が比較的少なく、敏感肌の方にも使いやすい成分です。
レゾルシンとイオウを配合した製品は角質を溶かして毛穴詰まりを解消する作用があり、白ニキビや黒ニキビの改善に役立ちます。ただし、乾燥を引き起こしやすいため、使用量には注意が必要です。
市販のニキビケア製品を使用する際は、以下の点に注意してください。まず、ニキビがある部分だけにピンポイントで使用することが基本です。患部以外に広く塗布すると不要な乾燥や刺激を与えることがあります。次に、症状が改善されない場合や悪化した場合は、自己判断での使用を中止して専門家に相談することが大切です。アレルギー反応が出た場合(赤み・かぶれ・かゆみなど)はすぐに使用を中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。
また、ニキビ跡の色素沈着(赤みや茶色いシミ)には、ビタミンC誘導体を含む美白製品や、トラネキサム酸、アルブチンなどのメラニン抑制成分を含む製品が市販されています。ニキビ跡の改善には時間がかかりますが、紫外線対策をしっかり行いながら継続することが重要です。
Q. マスクニキビで皮膚科を受診すべき目安は?
スキンケアを2〜3週間改善しても効果が見られない場合、市販薬使用後も症状が悪化している場合、痛みの強い炎症性ニキビが多数ある場合は早期受診が推奨されます。アイシークリニックでは肌の状態に応じて、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの外用薬処方やケミカルピーリング等の治療法をご提案しています。
💡 8. 皮膚科・美容クリニックを受診するタイミング

スキンケアや市販薬を試しても改善が見られない場合や、ニキビが悪化している場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。自己流のケアを続けることで状態が悪化し、ニキビ跡が残ってしまうリスクがあります。
以下のような状況では、早めに皮膚科または美容クリニックへの相談をおすすめします。
2〜3週間スキンケアを改善しても効果が見られない場合、市販薬を使っても症状が改善しないまたは悪化している場合、広い範囲にニキビが広がっている、または数が増えている場合、痛みが強い炎症性ニキビ(膿疱や嚢腫)が多数ある場合、ニキビ跡(色素沈着・クレーター)が気になる場合などが受診の目安となります。
皮膚科では、ニキビの重症度に応じてさまざまな治療法が提供されます。外用薬としては、アダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル、抗菌薬(クリンダマイシンなど)が処方されます。重症の場合は内服抗菌薬やビタミン剤が処方されることもあります。
アダパレンは角質の過剰な産生を抑え、毛穴詰まりを改善するレチノイド系の薬剤です。使い始めは肌が赤くなったり乾燥したりすることがありますが、適切な使い方で続けることで改善が期待できます。過酸化ベンゾイルはアクネ菌に対する殺菌力が強く、耐性菌の問題が生じにくいとされています。
美容クリニックでは、皮膚科治療に加えてより積極的な美容医療の選択肢があります。ケミカルピーリング(グリコール酸やサリチル酸などを使った角質ケア)は毛穴詰まりを解消し、ニキビ予防と肌のターンオーバー正常化に役立ちます。光治療(フォトフェイシャルなど)は皮脂腺の活動を抑制する効果や抗菌作用があり、ニキビの炎症を抑えるとともにニキビ跡の改善にも活用されます。レーザー治療はニキビ跡のクレーターや色素沈着を改善するために用いられます。
クリニックで受けられる施術は自己流のケアよりも高い効果が期待できますが、施術後のアフターケアや複数回の施術が必要な場合もあります。医師やスタッフとのカウンセリングを通じて、自分の肌状態と目標に合った治療法を選択することが大切です。
また、ニキビが気になる部位や重症度によっては、ホームケアと医療機関での治療を組み合わせることが最も効果的なアプローチとなります。自己判断で長期間放置せず、専門家の意見を聞きながら適切なケアを継続することがニキビ改善の近道です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、マスク着用が日常化してから口まわりやあごにニキビのお悩みを抱えてご来院される患者様が大変増えております。マスクニキビはバリア機能の低下や摩擦・アクネ菌の増殖など複数の要因が絡み合うため、スキンケアの見直しだけでは改善しにくいケースも多く、早めにご相談いただくことで適切な外用薬や治療法をご提案できます。自己流のケアで長期間悩まれる前に、どうぞお気軽に受診してください。」
✨ よくある質問
マスク内の蒸れにより温度・湿度が上昇し、アクネ菌が増殖しやすくなります。また、長時間の湿潤状態で肌のバリア機能が低下し、マスクとの摩擦が角質層を傷つけることで細菌が侵入しやすくなります。さらに皮脂分泌が促進されて毛穴が詰まりやすくなるなど、複数の要因が重なってニキビが発生します。
肌への刺激が少ないコットン(綿)素材の布マスクは通気性が高く、敏感肌の方に向いています。不織布マスクを使用する場合は、内側にシルクやガーゼを当てて摩擦を軽減する方法も有効です。また、立体型のマスクは口まわりに空間ができるため、蒸れを和らげる効果が期待できます。
主なNG習慣として、ニキビを手で触ったり潰したりすること、過度な洗顔や刺激の強いスキンケア製品の使用、布マスクを毎日洗わずに使い回すこと、マスク下へのカバー力の高いメイクの使用などが挙げられます。これらは炎症悪化やニキビ跡の原因になるため注意が必要です。
深く関係しています。糖質・脂質の多い食事は皮脂分泌を増加させてニキビを悪化させる可能性があります。一方、ビタミンB群や亜鉛を含む食品はニキビ予防に役立ちます。また、睡眠不足はホルモンバランスを乱して皮脂分泌を増やすため、1日7〜8時間の質の良い睡眠を確保することも大切なケアのひとつです。
2〜3週間スキンケアを改善しても効果が見られない場合や、市販薬を使用しても症状が悪化している場合は受診を検討してください。また、痛みが強い炎症性ニキビが多数ある場合や、色素沈着・クレーター状のニキビ跡が気になる場合も早めの相談をおすすめします。当院では肌の状態に合わせた適切な治療法をご提案しています。
📌 まとめ
マスクの蒸れによるニキビは、バリア機能の低下・摩擦・アクネ菌の増殖・皮脂の過剰分泌といった複数の要因が重なって発生します。マスクの素材や形状の工夫、正しいスキンケア習慣、そして食事・睡眠・ストレス管理といった生活習慣の見直しが、マスクニキビを予防・改善するうえで欠かせない取り組みです。
日常的なケアを丁寧に続けることが基本ですが、自己流のケアだけでは限界がある場合もあります。ニキビが慢性化している、重症化している、または跡が残り始めているといった場合は、早めに皮膚科や美容クリニックを受診することをためらわないでください。専門家の診断と適切な治療を受けることで、マスクニキビの悩みを根本から解決する第一歩を踏み出すことができます。
マスクをつける機会は依然として多い時代ですが、正しい知識と対策をもって日々のスキンケアを行えば、マスクニキビに悩まされることなく健康的な肌を保つことは十分に可能です。自分の肌の状態をよく観察しながら、無理のない範囲で対策を実践していきましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ニキビ(尋常性痤瘡)の原因・メカニズム・治療法に関する公式情報。アクネ菌の増殖、皮脂分泌、バリア機能低下、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの外用薬の解説に対応する根拠として参照。
- PubMed – マスク着用によるニキビ(マスクニキビ/Maskne)の発生メカニズム、摩擦・湿度・皮脂分泌への影響、ノンコメドジェニック製品や各種成分(ナイアシンアミド・ビタミンC誘導体)の有効性に関する査読済み学術論文群を参照。
- 厚生労働省 – 市販のニキビ治療薬(イブプロフェンピコノール・イソプロピルメチルフェノール・グリチルリチン酸ジカリウム等)の成分・効能・使用上の注意に関する薬事行政上の情報、および医薬品の適正使用に関する公式見解として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務