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1月から始める花粉症対策|早めの初期療法で症状を軽減

「まだ1月なのに、鼻がムズムズする」「くしゃみや目のかゆみが気になり始めた」という方はいらっしゃいませんか。花粉症といえば2月から4月にかけてのスギ・ヒノキ花粉シーズンをイメージされる方が多いかもしれませんが、実は1月から花粉症の症状に悩まされる方は少なくありません。近年は暖冬の影響でスギ花粉の飛散開始が早まる傾向にあり、関東地方では1月下旬から花粉が飛び始めることもあります。また、あまり知られていませんが、ハンノキなどカバノキ科の花粉は1月から飛散を開始します。本コラムでは、1月の花粉症について詳しく解説するとともに、この時期だからこそ始めたい「初期療法」の重要性や効果的な対策法についてご紹介します。春本番を迎える前の今こそ、花粉症対策を始める絶好のタイミングです。


目次

  1. 📌 1月から始まる花粉症とは
  2. 🔸 1月に飛散する花粉の種類
  3. 📌 埼玉県・関東地方の花粉飛散状況
  4. ⚡ 1月から始める「初期療法」の重要性
  5. ✅ 日常生活でできる花粉症対策
  6. 💊 医療機関で受けられる花粉症治療
  7. ✨ 根本的な改善を目指す「舌下免疫療法」
  8. 🏥 アイシークリニック大宮院での花粉症診療
  9. ❓ よくある質問
  10. 📝 まとめ

🎯 1月から始まる花粉症とは

花粉症は、植物の花粉が原因で引き起こされるアレルギー疾患です。花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体がこれを異物として認識し、過剰な免疫反応を起こすことで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった不快な症状が現れます。日本では国民の約4割が花粉症に悩んでいるとされ、もはや国民病ともいえる状況です。

多くの方は「花粉症は春の病気」というイメージをお持ちかもしれません。確かに、スギ花粉の本格的な飛散は2月から始まり、3月にピークを迎えます。しかし、花粉症の症状は必ずしも2月まで待ってから現れるわけではありません。1月の時点で症状を訴える患者さんは決して珍しくないのです。

1月に花粉症の症状が出る理由は主に2つあります。1つ目は、スギ花粉の「早期飛散」です。スギの雄花は冬の寒さを経験することで休眠から目覚め(休眠打破)、その後は気温の上昇に伴って成長し、花粉を飛ばし始めます。近年の暖冬傾向により、1月でも暖かい日が続くと、花粉の飛散が前倒しで始まることがあります。2つ目は、スギ以外の花粉、特にハンノキなどカバノキ科の花粉が1月から飛散を開始することです。これらの花粉はスギ花粉ほど認知度が高くありませんが、確実にアレルギー症状を引き起こします。

1月に現れる花粉症の症状は、本格的なシーズンと比較すると軽度であることが多いものの、「なんとなく鼻がムズムズする」「目がかゆい気がする」といった違和感を覚える方は少なくありません。これらの症状を「気のせい」「風邪の初期症状」と見過ごしてしまうと、その後の対策が遅れてしまう可能性があります。1月の段階で花粉症の可能性を認識し、早めに対策を講じることが、シーズン全体を通じて症状を軽減するカギとなります

📋 1月に飛散する花粉の種類

1月に飛散する花粉には、主にスギ花粉とハンノキ花粉があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

🌲 スギ花粉の早期飛散

日本における花粉症の最大の原因であるスギ花粉は、通常2月上旬から中旬にかけて飛散を開始します。しかし、気象条件によっては1月下旬から飛散が始まることがあります。スギの雄花は秋に形成され、冬の寒さを経験した後、気温の上昇とともに開花の準備を進めます。暖冬や1月の気温が高い年には、雄花の成長が早まり、飛散開始時期が前倒しとなります。

特に注目すべきは、正式な「飛散開始日」よりも前から、ごくわずかな量のスギ花粉が空気中に存在しているという事実です。花粉に対する感受性が高い方は、このような微量の花粉にも反応し、1月の段階で軽い症状を感じることがあります。気象予報で「花粉の飛散はまだ」と言われていても、敏感な方にとっては症状が出始めている可能性があるのです。

近年は地球温暖化の影響もあり、スギ花粉の飛散開始時期が早まる傾向にあります。実際、関東地方では1月中に飛散が始まるケースも報告されています。また、飛散開始が早い年は、その後の飛散量も多くなる傾向があるため、1月から症状を感じ始めた方は特に注意が必要です。

🌿 ハンノキ花粉

スギ花粉に比べると知名度は低いものの、1月から飛散を開始する重要な花粉がハンノキ花粉です。ハンノキはカバノキ科ハンノキ属の落葉高木で、日本全国の湿地や河川敷、公園などに広く分布しています。その花粉は1月から6月頃まで長期間にわたって飛散し、特に2月下旬から3月中旬にピークを迎えます

ハンノキ花粉症の症状は、スギ花粉症と同様にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが主体ですが、咳やのどの違和感、のどのかゆみといった症状が特徴的に現れることがあります。スギ花粉の飛散時期とほぼ重なるため、ハンノキ花粉症に気づかず、スギ花粉症だけだと思い込んでいる方も少なくありません。スギ花粉症の方の約20%がハンノキ花粉にも反応するという報告もあります。

ハンノキ花粉症で特に注意すべきは、「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」との関連です。これは口腔アレルギー症候群(OAS)とも呼ばれ、特定の果物や野菜を食べた際に口やのどにかゆみ、腫れ、イガイガ感などの症状が現れるものです。ハンノキ花粉に含まれるタンパク質と、リンゴ、モモ、サクランボ、大豆(豆乳)などに含まれるタンパク質の構造が似ているため、ハンノキ花粉症の方はこれらの食品でアレルギー反応を起こしやすくなります。「リンゴを食べると口がかゆくなる」「豆乳を飲むとのどが腫れる」といった症状がある方は、ハンノキ花粉症の可能性を疑ってみるとよいでしょう。

🌸 その他の花粉

1月に飛散する可能性のある花粉は、スギとハンノキだけではありません。温暖な地域ではヒノキ花粉が1月から飛散し始めることもあります。また、シラカンバ(白樺)もハンノキと同じカバノキ科に属しており、北海道や長野県などでは春の花粉症の主要な原因となっています。カバノキ科の花粉は互いに構造が似ているため、ハンノキ花粉にアレルギーがある方はシラカンバ花粉にも反応しやすい傾向があります。

このように、1月は複数の種類の花粉が飛散を開始する時期であり、「まだ早い」と油断していると症状に悩まされることになりかねません。特に例年花粉症の症状がひどい方は、1月の時点から注意を払い、必要に応じて対策を始めることが重要です。

🔍 埼玉県・関東地方の花粉飛散状況

埼玉県を含む関東地方は、全国でも特に花粉の飛散量が多い地域として知られています。花粉の種類も多く、飛散期間も長いことが特徴で、一年を通じて何らかの花粉が飛散している状況です。ここでは、埼玉県・関東地方における花粉飛散の特徴について解説します。

📅 関東地方の花粉飛散カレンダー

関東地方では、1月からハンノキなどカバノキ科の花粉が飛散を始めます。2月に入るとスギ花粉の飛散が本格化し、3月にピークを迎えます。4月になるとスギ花粉は減少に転じますが、代わってヒノキ花粉がピークを迎えます。5月にはイネ科の花粉が増加し、8月下旬から9月にかけてはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど秋の花粉が飛散します。このように関東地方では、季節を問わず様々な花粉が飛散しており、花粉症のリスクが非常に高い地域といえます。


📅 関東地方の花粉飛散カレンダー

📊 埼玉県さいたま市の花粉飛散データ

さいたま市では、さいたま市健康科学研究センターが花粉の飛散状況を継続的に測定・公開しています。過去のデータによると、さいたま市におけるスギ花粉の飛散開始日は2月中旬が多いものの、年によっては2月上旬に飛散が始まることもあります。また、1月の時点でわずかながら花粉が検出されることも珍しくありません

埼玉県は関東平野の中央部に位置し、秩父地方には広大なスギ林が広がっています。このため、春先には大量のスギ花粉が県内全域に飛散します。大宮を含む県南部は人口が密集した都市部ですが、郊外のスギ林から風に乗って運ばれてくる花粉の影響を強く受けます。また、都市部特有のヒートアイランド現象により、周辺地域よりも気温が高くなりやすく、花粉の飛散開始が早まる傾向があります

📈 今後の飛散予測

花粉の飛散量は、前年の夏の気象条件に大きく左右されます。気温が高く、日照時間が多く、雨が少ない夏は、スギの雄花が多く形成され、翌春の花粉飛散量が増加する傾向があります。また、花粉の飛散量には「表年」と「裏年」という周期があり、前年の飛散量が少なかった地域では翌年増加し、多かった地域では減少する傾向が見られます。

各種気象機関の予測によると、関東地方では例年並みかやや多い花粉飛散量が予測されています。特に前年の夏に猛暑となった年の翌春は、花粉の飛散量が多くなる可能性が高いため、注意が必要です。1月の時点で気象情報や花粉飛散予測をチェックし、本格シーズンに向けた準備を進めることをお勧めします。寒暖差アレルギーについてはこちらの記事「寒暖差アレルギーの症状とは?原因や対策・治療法まで医師が詳しく解説」で詳しく解説しています。

💡 1月から始める「初期療法」の重要性

花粉症の治療において、近年特に注目されているのが「初期療法」です。初期療法とは、花粉の本格的な飛散が始まる前、あるいは症状がごく軽い段階から治療を開始する方法です。この治療法は、シーズン全体を通じて症状を軽減し、QOL(生活の質)を維持するために非常に効果的であることが臨床研究で明らかになっています。

🔬 初期療法の科学的根拠

初期療法の有効性は、複数の臨床研究で実証されています。鼻噴霧用ステロイド薬を用いたスギ花粉症に対する二重盲検ランダム化比較試験では、花粉飛散開始の4週間前から治療を開始した群は、飛散開始後に治療を開始した群と比較して、シーズン3か月間の平均症状スコアが有意に低いことが示されました。

また、第2世代抗ヒスタミン薬を用いた多施設共同後ろ向き研究においても、花粉飛散開始7日後までに治療を開始した群は、症状が出てから治療を開始した群と比較して、有意に症状が抑えられていたことが報告されています。これらの研究結果は、早期に治療を開始することの重要性を科学的に裏付けるものです。

⚙️ 初期療法のメカニズム

花粉症の症状は、花粉との接触が繰り返されることで徐々に悪化していきます。花粉が鼻粘膜に付着すると、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンといったアレルギー症状の原因物質が放出されます。この反応が繰り返されると、鼻粘膜に好酸球という細胞が集まり、粘膜が過敏な状態になります。一度過敏になった粘膜は、少量の花粉にも強く反応するようになり、症状がますます悪化していくのです。

初期療法は、この悪循環を未然に防ぐことを目的としています。花粉の飛散開始前、あるいは症状がごく軽い段階から抗アレルギー薬を使用することで、ヒスタミンなどの放出を抑制し、鼻粘膜が過敏になるのを防ぎます。その結果、シーズン全体を通じて症状を軽く抑えることができるのです。

📆 初期療法の開始時期

初期療法の最適な開始時期は、花粉の本格的な飛散が始まる1〜2週間前とされています。関東地方の場合、スギ花粉の飛散開始は例年2月中旬頃ですので、1月下旬から2月上旬には治療を開始することが推奨されます。ただし、年によって飛散開始時期は前後するため、気象情報や花粉飛散予測を参考に、適切な時期を判断することが大切です。

毎年花粉症の症状が出る方は、症状が現れてから受診するのではなく、1月中に医療機関を受診して相談することをお勧めします。特に重症の花粉症でお悩みの方や、仕事や学業への影響が大きい方は、早めの対策が効果的です。「まだ早い」と思わず、1月のうちに準備を整えておくことが、快適な春を過ごすためのカギとなります。

💊 初期療法で使用される薬

初期療法では、主に以下の薬剤が使用されます。

第2世代抗ヒスタミン薬は、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を抑える効果があり、初期療法の中心的な薬剤です。第1世代と比較して眠気などの副作用が少なく、1日1〜2回の服用で効果が持続するため、日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を続けることができます。

ステロイド点鼻薬は、鼻の炎症を強力に抑える効果があり、特に鼻づまりの改善に優れています。効果が現れるまでに1〜2週間程度かかるため、花粉飛散前から使い始めることでより高い効果が期待できます。全身への影響が少ないため、長期間の使用も可能です。

抗ロイコトリエン薬は、鼻づまりの改善に特に効果的な薬剤です。ロイコトリエンという物質は鼻粘膜の腫れを引き起こす主要な原因の一つであり、この働きを抑えることで鼻づまりを改善します。

これらの薬剤は、症状の種類や重症度に応じて単独で、あるいは組み合わせて使用されます。どの薬が自分に適しているかは、医師と相談の上で決定することが重要です。

🏥 日常生活でできる花粉症対策

花粉症の症状を軽減するためには、薬による治療とともに、日常生活における花粉対策(セルフケア)が重要です。花粉をできるだけ体内に取り込まないよう工夫することで、症状の悪化を防ぐことができます。1月の今のうちから対策の習慣を身につけておくと、本格的なシーズンにもスムーズに対応できるでしょう。

🚪 外出時の対策

外出時には、花粉を吸い込んだり、目や肌に付着させたりしないための対策が必要です。

マスクの着用は、花粉対策の基本中の基本です。花粉症用のマスクを正しく装着することで、吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1程度に減らすことができるとされています。ポイントは、顔にしっかりフィットするサイズを選ぶことです。マスクと顔の間に隙間があると、そこから花粉が侵入してしまいます。立体型のマスクや、ノーズフィッター付きのマスクを選ぶと、より効果的に花粉を防ぐことができます。

メガネやサングラスの着用も効果的です。花粉症用ではない通常のメガネでも、目に入る花粉を半分程度に減らす効果があります。花粉症用の防護メガネであれば、さらに高い効果が期待できます。コンタクトレンズを使用している方は、花粉シーズンはメガネに切り替えることを検討してもよいでしょう。

衣服の選び方も重要です。ウールやフリースなど毛羽立った素材の衣服は花粉が付着しやすいため、花粉シーズンにはあまり適していません。表面がつるつるした綿やポリエステルなどの化学繊維は花粉が付着しにくく、払い落としやすいので、花粉対策に向いています。また、帽子をかぶることで髪への花粉の付着を防ぐことができます。

花粉の飛散が多い日の外出はできるだけ控えることも大切です。晴れて気温が高い日、風が強い日、雨上がりの翌日などは花粉の飛散量が多くなります。また、1日の中では昼前後と夕方に飛散量が多い傾向があります。花粉飛散情報をこまめにチェックし、飛散量が多い時間帯の外出を避けるようにしましょう。

🏠 帰宅時の対策

外出から帰宅した際には、家の中に花粉を持ち込まないことが大切です。

📌 玄関に入る前に、衣服や髪に付着した花粉を払い落としましょう。軽くはたくだけでも、かなりの量の花粉を落とすことができます。特にコートやジャケットなど外気に触れる部分には多くの花粉が付着しているので、念入りに払いましょう。できれば上着は室内に持ち込まず、玄関に収納するのが理想的です。

✅ 帰宅後はすぐに手洗い、うがい、洗顔を行いましょう。顔や髪にも花粉が付着しているので、可能であればシャワーを浴びるのが最も効果的です。特に目や鼻の周りは念入りに洗い流すようにしてください。

🪟 室内での対策

室内に花粉が入り込むのを防ぐことも重要です。

🔸 窓やドアはできるだけ閉めておくようにしましょう。換気をする場合は、花粉の飛散が比較的少ない早朝や夜間に、レースのカーテンを閉めたまま窓を10cm程度開ける程度にとどめるのがよいでしょう。

洗濯物や布団は室内に干すことをお勧めします。屋外に干すと、大量の花粉が付着してしまいます。どうしても外に干す場合は、取り込む際によく払い、掃除機で吸い取るとよいでしょう。布団乾燥機を活用するのも効果的です。

✨ 室内の掃除は、花粉が舞い上がらないよう注意しながら行いましょう。掃除機をかける前に、濡れた雑巾やフローリングワイパーで床を拭くと、花粉を効率的に除去できます。空気清浄機の使用も効果的ですが、花粉に対応した機種を選ぶことが大切です。

花粉は床に落ちやすいため、カーペットには多くの花粉が蓄積します。可能であれば、花粉シーズンはカーペットを敷かないか、こまめに掃除するようにしましょう。また、洗面所やトイレのマットは花粉がたまりやすい場所なので、頻繁に洗濯することをお勧めします。

💪 生活習慣の見直し

花粉症の症状は、体調や免疫状態によっても左右されます。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとることで、体の抵抗力を高めることができます。また、バランスの取れた食事も重要です。腸内環境を整えることが免疫機能の改善につながるとされており、ビフィズス菌やビタミンDを含む食品を意識的に摂取するのもよいでしょう。

ストレスや疲労は免疫バランスを乱し、アレルギー症状を悪化させる要因となります。花粉シーズンは特に、無理をせず、適度な休息をとるよう心がけましょう。冬の健康管理についてはこちらの記事「大寒波の体調管理|ヒートショック・低体温症・感染症を予防する方法を解説」でも詳しく解説しています。

💊 医療機関で受けられる花粉症治療

花粉症の症状が日常生活に支障をきたす場合は、医療機関での治療が必要です。医療機関では、症状の程度や患者さんの状態に合わせて、最適な治療法を選択することができます。ここでは、医療機関で受けられる主な花粉症治療について解説します。

💉 対症療法(薬物療法)

花粉症治療の基本となるのが、薬を用いた対症療法です。対症療法は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状を抑えることを目的としています。花粉症の原因そのものを治す治療ではありませんが、つらい症状を効果的にコントロールすることができます

内服薬(飲み薬)としては、第2世代抗ヒスタミン薬が広く使用されています。ヒスタミンはアレルギー症状を引き起こす主要な物質であり、その働きをブロックすることで、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を緩和します。第2世代抗ヒスタミン薬は、第1世代と比較して眠気などの副作用が少なく、1日1〜2回の服用で効果が持続するため、日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を続けることができます。

鼻づまりが強い場合には、抗ロイコトリエン薬が処方されることがあります。ロイコトリエンは鼻粘膜の腫れを引き起こす物質であり、この働きを抑えることで鼻づまりを改善します。咳を伴う花粉症にも効果があるとされています。

点鼻薬(鼻スプレー)は、鼻の症状に直接アプローチする治療法です。ステロイド点鼻薬は、鼻粘膜の炎症を強力に抑える効果があり、鼻づまり、鼻水、くしゃみのいずれの症状にも効果的です。全身への影響が少なく、長期間使用しても安全性が高いとされています。効果が現れるまでに数日から1〜2週間かかることがあるため、花粉飛散前から使い始めることが推奨されます。

抗アレルギー点鼻薬は、アレルギー反応を引き起こす物質の放出を抑える効果があります。症状が軽い場合はこれだけで十分なこともありますが、中等度以上の症状ではステロイド点鼻薬と併用されることが多いです。

点鼻用血管収縮薬は、鼻づまりを速やかに解消する効果がありますが、長期間使用すると効果が薄れたり、かえって鼻づまりが悪化したりすることがあります。このため、医師の指導のもと、短期間に限って使用されることが多いです。

点眼薬(目薬)は、目のかゆみ、充血、涙目などの症状を改善するために使用されます。抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬などがあり、症状の程度に応じて選択されます。

💊 重症花粉症に対する治療

通常の内服薬や点鼻薬では十分な効果が得られない重症の花粉症患者さんには、抗IgE抗体製剤(ゾレア)による治療が選択肢となります。IgE抗体は、花粉と結合してアレルギー反応を引き起こす原因となる物質です。ゾレアはこのIgE抗体に結合し、その働きを抑えることで、アレルギー反応そのものを抑制します。

ゾレアは2020年から重症スギ花粉症への適応が承認された注射薬で、既存の治療では十分なコントロールが得られない12歳以上の患者さんが対象となります。治療を受けるためには、事前に血液検査でIgE抗体の量を測定し、適応があるかどうかを確認する必要があります。費用がやや高額になることもありますが、重症花粉症でお悩みの方にとっては大きな選択肢となる治療法です。

🔥 レーザー治療

薬物療法で十分な効果が得られない場合や、鼻づまりの症状が特に強い場合には、レーザー治療が検討されることがあります。レーザー治療は、鼻の粘膜にレーザーを照射して粘膜の反応性を低下させ、アレルギー症状を軽減する治療法です

治療は外来で行うことができ、麻酔をした上で短時間で終了します。効果の持続期間は個人差がありますが、1〜2年程度とされています。妊娠中や授乳中で薬を使いたくない方にも適した治療法です。

なお、一部の医療機関で行われているステロイドの筋肉注射は、重大な副作用の恐れがあるため、日本耳鼻咽喉科学会では推奨されていません。花粉症の治療を受ける際は、適切な治療法を提供している医療機関を選ぶことが大切です。

✨ 根本的な改善を目指す「舌下免疫療法」

対症療法が症状を一時的に抑える治療であるのに対し、舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)は、花粉症の根本的な改善を目指す唯一の治療法です。アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ体内に取り込むことで、体を徐々に慣らし、アレルギー反応を起こしにくい体質へと変えていきます。

💡 舌下免疫療法の仕組み

舌下免疫療法は、アレルゲンを含む錠剤を舌の下に置いて溶かし、体内に取り込む治療法です。毎日継続して服用することで、免疫システムが徐々にアレルゲンに対する過剰反応を抑えるようになります。これにより、花粉に触れても症状が出にくくなったり、症状が軽くなったりする効果が期待できます。

現在、日本で保険適用となっている舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニアレルギーに対するものです。スギ花粉症の舌下免疫療法には「シダキュア」という錠剤が使用されます。

📊 舌下免疫療法の効果

舌下免疫療法を正しく継続した患者さんの約80%が、花粉症の症状の改善を実感したという報告があります。症状が完全になくなる方もいれば、症状が軽くなる方、使用する薬の量を減らせる方など、効果の程度には個人差がありますが、多くの方が何らかの改善を感じています。

治療効果は通常、開始から1〜2年後くらいから実感できるようになります3〜5年間治療を継続することで、治療終了後も長期にわたって効果が持続することが期待できます。

📅 舌下免疫療法の開始時期

スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散していない時期に開始する必要があります。具体的には、6月から11月頃が治療開始の適正時期とされています。これは、花粉シーズン中に治療を開始すると、アレルギー反応が強く出る可能性があるためです。

したがって、1月の時点でスギ花粉症の舌下免疫療法を新たに開始することはできません。しかし、今シーズンの症状がつらかった方は、花粉シーズン終了後の来年6月以降に舌下免疫療法の開始を検討されることをお勧めします。1月の今のうちから情報を集め、治療を行っている医療機関を探しておくとよいでしょう。

⚠️ 舌下免疫療法の注意点

舌下免疫療法は安全性の高い治療法ですが、いくつかの注意点があります。

まず、治療期間が長いことです。効果を十分に得るためには、最低でも3年、できれば5年程度の継続が推奨されています。毎日欠かさず服用する必要があり、根気強く続けることが求められます。

また、まれに副作用が生じることがあります。多いのは口の中のかゆみや腫れ、違和感といった軽度の症状ですが、ごくまれにアナフィラキシーなどの重篤な副作用が起こる可能性もあります。日本国内での舌下免疫療法によるアナフィラキシーの報告は非常に少なく(0.1%未満)、死亡例の報告はありませんが、治療を受ける際は副作用について十分に理解しておくことが大切です。

妊娠中や授乳中の方は、舌下免疫療法を新たに開始することはできません。また、5歳未満の小児や、重篤な気管支喘息のある方などは、適応外となる場合があります。

🏥 アイシークリニック大宮院での花粉症診療

アイシークリニック大宮院では、花粉症の診断から治療まで幅広く対応しています。経験豊富な医師が、患者さん一人ひとりの症状や生活状況に応じて、最適な治療プランをご提案いたします。

初めて花粉症の症状を感じている方には、血液検査によるアレルギー検査を実施し、原因となっている花粉を特定します。これにより、より的確な治療が可能となります。また、すでに花粉症の診断を受けている方には、症状の程度に応じた適切な薬物療法をご提供します。

当院では、初期療法の重要性を患者さんにしっかりとお伝えし、1月から始められる対策について詳しくご説明しています。毎年花粉症でお悩みの方は、ぜひお早めにご相談ください。

診療時間や予約方法など、詳しくは当院ホームページをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。花粉症シーズンを快適に過ごすためのお手伝いをさせていただきます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「1月に入ってから花粉症の症状を訴える患者さんが年々増えています。特に暖冬の年は早期受診される方が多く、初期療法を希望される方も増加傾向にあります。早めの対策を始めることで、春本番の症状を大幅に軽減できることを多くの患者さんが実感されており、毎年1月中に来院される方も少なくありません。」

❓ よくある質問

1月なのに花粉症の症状が出るのはなぜですか?

1月に花粉症の症状が出る理由は主に2つあります。1つ目は、暖冬の年にはスギ花粉の飛散が早まり、1月下旬から少量の花粉が飛び始めることがあるためです。花粉に敏感な方は、このわずかな量の花粉にも反応して症状が出ることがあります。2つ目は、ハンノキなどカバノキ科の花粉が1月から飛散を開始するためです。スギ花粉症と思っていても、実はハンノキ花粉にもアレルギーがある方は少なくありません。正確な原因を知るためには、医療機関でのアレルギー検査をお勧めします。

初期療法はいつから始めるのが効果的ですか?

初期療法は、花粉の本格的な飛散が始まる1〜2週間前から開始するのが効果的とされています。関東地方の場合、スギ花粉の飛散開始は例年2月中旬頃ですので、1月下旬から2月上旬には治療を開始することが推奨されます。ただし、飛散開始時期は年によって前後するため、最新の花粉飛散予測を参考にしてください。毎年花粉症の症状がひどい方は、1月中に医療機関を受診してご相談されることをお勧めします。

市販薬と処方薬はどちらが効果的ですか?

市販薬と処方薬には、それぞれ特徴があります。市販薬は手軽に入手でき、軽度の症状であれば十分な効果が得られることも多いです。しかし、処方薬には市販されていない成分や、より効果の高い薬剤があり、症状の種類や重症度に合わせた適切な薬を選択してもらえます。また、医師の診察を受けることで、症状の原因を正確に把握し、最適な治療計画を立てることができます。症状が中等度以上の方や、市販薬では十分な効果が得られない方は、医療機関を受診されることをお勧めします。

舌下免疫療法は1月から始められますか?

スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散していない時期(6月〜11月頃)に開始する必要があるため、1月から新たに始めることはできません。これは、花粉シーズン中に治療を開始すると、アレルギー反応が強く出る可能性があるためです。今シーズンの症状がつらかった方は、花粉シーズン終了後の6月以降に舌下免疫療法の開始を検討されることをお勧めします。1月の時点では、対症療法(薬物療法)で症状をコントロールしながら、シーズン後の根本治療に向けた情報収集をされるとよいでしょう。

花粉症と風邪の見分け方を教えてください

花粉症と風邪は症状が似ていますが、いくつかの違いがあります。花粉症の鼻水は透明でサラサラしているのに対し、風邪の鼻水は黄色や緑色で粘り気があることが多いです。また、花粉症ではくしゃみが連続して出ることが多く、目のかゆみを伴うことが特徴的です。一方、風邪では発熱やのどの痛み、体のだるさを伴うことが多いです。症状が1〜2週間以上続く場合や、毎年同じ時期に症状が出る場合は、花粉症の可能性が高いと考えられます。正確な診断のためには、医療機関での検査をお勧めします。

📝 まとめ

本コラムでは、1月の花粉症について詳しく解説してきました。主なポイントをまとめると以下のようになります。

📌 1月は花粉シーズンの「始まり」の時期です。暖冬の年にはスギ花粉の早期飛散が見られるほか、ハンノキなどカバノキ科の花粉は1月から飛散を開始します。「まだ早い」と油断せず、この時期から花粉への意識を高めておくことが大切です。

初期療法の重要性は、科学的な研究でも実証されています。花粉の本格的な飛散が始まる1〜2週間前から治療を開始することで、シーズン全体を通じて症状を軽く抑えることができます。毎年花粉症に悩まされている方は、1月中に医療機関を受診して初期療法について相談されることをお勧めします。

✅ 日常生活における花粉対策も欠かせません。マスクやメガネの着用、帰宅時の花粉の払い落とし、室内への花粉の持ち込み防止など、基本的な対策を習慣化することで、症状の軽減に大きく貢献します。感染症予防についてはこちらの記事「感染症予防の基本|日常生活で実践できる効果的な対策と正しい知識」も参考にしてください。

💊 花粉症の治療法は年々進歩しています。従来の対症療法に加え、重症花粉症に対する抗IgE抗体製剤(ゾレア)や、根本的な改善を目指す舌下免疫療法など、選択肢は広がっています。自分に合った治療法を見つけるためにも、医療機関での相談が有効です。

花粉症は適切な対策と治療によって、症状を大幅にコントロールすることが可能な疾患です。1月のこの時期から準備を始めることで、今シーズンの花粉症を乗り越え、快適な春を迎えましょう


参考文献

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスを提供するものではありません。花粉症の診断・治療については、必ず医師にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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