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皮膚のできものが気になる方へ|さいたま新都心・大宮エリアで受診をお考えの方に知っておいてほしいこと

ふと気づくと、顔や首、背中などに小さなしこりや膨らみができていた、という経験はありませんか。皮膚にできる「できもの」は、医学的には皮膚腫瘍と呼ばれ、その種類は実に多岐にわたります。多くの場合は良性であり、すぐに命にかかわるものではありませんが、中には放置すると大きくなってしまったり、炎症を起こして痛みを伴ったりするものもあります。また、ごくまれではありますが、悪性の腫瘍である可能性も否定できません。

さいたま新都心や大宮エリアにお住まいの方、あるいはこの地域で働いている方の中にも、「このできもの、病院に行ったほうがいいのかな」「何科を受診すればいいんだろう」と悩んでいる方は少なくないでしょう。本記事では、皮膚にできるさまざまな「できもの」について、その種類や特徴、原因、治療法などを詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、適切なタイミングで医療機関を受診する判断材料としていただければ幸いです。


目次

  1. 皮膚のできものとは
  2. 代表的なできものの種類と特徴
  3. 粉瘤(アテローム)について詳しく知る
  4. 脂肪腫について詳しく知る
  5. ほくろ(色素性母斑)について詳しく知る
  6. 脂漏性角化症(老人性イボ)について詳しく知る
  7. ガングリオンについて詳しく知る
  8. その他のできもの
  9. 良性と悪性の見分け方
  10. できものの治療法
  11. 受診のタイミングと診療科の選び方
  12. さいたま新都心・大宮エリアでの受診について
  13. まとめ

1. 皮膚のできものとは

皮膚のできものとは、皮膚やその下の組織に生じるしこりや膨らみの総称です。医学的には「皮膚腫瘍」と呼ばれることが多く、良性のものと悪性のものに大別されます。

私たちの皮膚は、表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層で構成されています。それぞれの層にはさまざまな細胞や組織が存在しており、毛穴や汗腺、脂腺、血管、神経なども含まれています。できものは、これらのどの部分からでも発生する可能性があり、その発生源によって種類や性質が異なります。

良性の皮膚腫瘍は、他の臓器に転移することはなく、多くの場合は生命に直接的な影響を与えません。しかし、見た目が気になる、大きくなってきた、痛みや違和感がある、といった理由から治療を希望される方も多くいらっしゃいます。

一方、悪性の皮膚腫瘍(皮膚がん)は、周囲の組織に浸潤したり、リンパ節や他の臓器に転移したりする可能性があります。早期発見・早期治療が非常に重要となるため、気になるできものがある場合は、自己判断せずに専門医の診察を受けることをお勧めします。

2. 代表的なできものの種類と特徴

皮膚にできるできものには、実にさまざまな種類があります。ここでは、日常的によく見られる代表的なものをご紹介します。

皮膚科や形成外科で診察を受ける機会が多いできものとしては、以下のようなものが挙げられます。

粉瘤(アテローム)は、皮膚科で最も診察する機会が多い皮膚腫瘍の一つです。皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂などの老廃物がたまったものです。

脂肪腫は、脂肪細胞が増殖してできた良性の腫瘍です。柔らかいしこりとして触れることが多く、背中や肩、首などに好発します。

ほくろ(色素性母斑)は、メラニン色素を産生する母斑細胞が集まってできたものです。平らなものから盛り上がったものまでさまざまな形態があります。

脂漏性角化症は、加齢とともに増えてくる良性の皮膚腫瘍で、「老人性イボ」とも呼ばれます。顔や体幹に茶色から黒色の盛り上がりとして現れます。

ガングリオンは、関節や腱鞘の周囲にできるゼリー状の物質が詰まった腫瘤です。手首の甲側に生じることが多いです。

これらのできものは、それぞれ異なる原因、特徴、治療法を持っています。以下では、それぞれについて詳しく解説していきます。

3. 粉瘤(アテローム)について詳しく知る

粉瘤とは

粉瘤(ふんりゅう)は、アテロームまたは表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。日本皮膚科学会の情報によると、粉瘤は皮膚科医が最も診察する機会の多い皮膚腫瘍であり、俗に「脂肪のかたまり」などと呼ばれることもありますが、実際には脂肪とは全く異なるものです。

粉瘤は、皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来であれば皮膚から剥がれ落ちるはずの垢(角質)や皮脂が、その袋の中にたまってできた腫瘍です。袋の中には白っぽい粥状の内容物が詰まっており、これを圧迫すると独特の臭いがすることがあります。

粉瘤の原因

粉瘤がなぜできるのか、その原因は完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が関与していると考えられています。

外傷や虫刺されなどによって皮膚の表皮細胞が真皮層に入り込んでしまうことが原因の一つとして挙げられています。また、毛穴の詰まりや、ヒトパピローマウイルスの感染が原因となることもあります。

体質的に粉瘤ができやすい方もいらっしゃり、複数の粉瘤が同時にできるケースもあります。粉瘤は体のどこにでもできる可能性がありますが、特に顔、首、背中、耳の後ろなどに多く見られます。

粉瘤の症状と特徴

粉瘤の典型的な症状は、皮膚の下にできる丸いしこりです。触ると皮膚とくっついており、コロコロと動くような感触があります。多くの場合、しこりの中央部には毛穴のような小さな開口部(ヘソ)があり、これが粉瘤を見分ける一つの特徴となっています。

初期の段階では数ミリ程度の小さなしこりですが、放置すると徐々に大きくなり、時には数センチ以上になることもあります。通常は痛みを伴いませんが、内容物が増えてくると皮膚が盛り上がり、見た目にも目立つようになります。

炎症性粉瘤について

粉瘤が問題となるのは、炎症を起こした場合です。細菌感染や物理的な刺激によって袋の中で炎症が生じると、赤く腫れて強い痛みを伴うようになります。この状態を「炎症性粉瘤」または「感染性粉瘤」と呼びます。

炎症が進行すると、腫れはさらに大きくなり、内容物が膿となってブヨブヨとした状態になります。最悪の場合、袋が破裂して非常に臭いのある膿が排出されることもあります。このような状態になった場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。

粉瘤と似ている疾患

粉瘤はニキビと間違われることがありますが、両者は全く異なるものです。ニキビは毛穴が詰まって生じる皮膚トラブルで、自然に治癒することがありますが、粉瘤は袋状の構造を完全に除去しない限り治ることはありません。

また、粉瘤は脂肪腫と混同されることもありますが、脂肪腫は脂肪細胞の増殖によるもので、粉瘤とは発生のメカニズムが異なります。正確な診断のためには、専門医の診察を受けることが重要です。

4. 脂肪腫について詳しく知る

脂肪腫とは

脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮下の脂肪組織が増殖してできる良性の腫瘍です。軟部腫瘍の中では最も頻度が高く、1000人に1人以上が罹患すると考えられています。脂肪腫は薄い被膜(ひまく)に包まれており、内部は黄色い脂肪組織で構成されています。

脂肪腫の特徴

脂肪腫の最大の特徴は、触ると柔らかく、皮膚の下でよく動くことです。多くの場合、痛みなどの自覚症状はなく、皮膚がドーム状に盛り上がったしこりとして認識されます。

大きさは数ミリの小さなものから10センチ以上になるものまでさまざまです。通常は単発で発生しますが、5〜10%の方には複数の脂肪腫ができるとされています。

発生しやすい部位としては、背中、肩、首の後ろ、上腕、大腿などが挙げられます。顔面や頭皮、下腿などには比較的できにくいことが知られています。

脂肪腫の原因

脂肪腫がなぜ発生するのか、その正確な原因は不明です。しかし、肥満や高脂血症、糖尿病をお持ちの方にできやすい傾向があるとされており、外傷との関連も指摘されています。

発生時期は幼少期と考えられていますが、ゆっくりと大きくなるため、実際に気づくのは30歳以降、特に40〜60歳代に多いとされています。男女比では女性にやや多いという報告もあります。

脂肪腫と脂肪肉腫の違い

脂肪腫は良性の腫瘍であり、悪性化することはほとんどありません。しかし、見た目が似ている悪性腫瘍として「脂肪肉腫」があります。

脂肪肉腫は悪性の軟部腫瘍で、脂肪腫とは異なり周囲の組織に浸潤したり、転移したりする可能性があります。特に、急速に大きくなる、触ると硬い、痛みを伴うといった場合には、脂肪肉腫の可能性を考慮して精密検査を受ける必要があります。

5. ほくろ(色素性母斑)について詳しく知る

ほくろとは

ほくろは医学的には「色素性母斑(しきそせいぼはん)」「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」などと呼ばれます。皮膚の色素細胞(メラノサイト)が変化した「母斑細胞」と呼ばれる細胞のかたまりであり、メラニン色素を産生するため、褐色から黒色に見えます。

ほくろは生まれつきあるものと、後天的に発生するものがあります。大部分のほくろは生まれたときには確認できず、3〜4歳頃から生じ始め、20〜30歳代をピークとして、その後は退色していくことが多いです。

ほくろの種類

ほくろにはさまざまな種類があり、皮膚のどの深さに母斑細胞が存在するかによって分類されます。

境界母斑は、母斑細胞が表皮と真皮の境界部に存在するもので、平らな茶色から黒色のしみとして見えます。複合母斑は、母斑細胞が境界部と真皮の両方に存在するもので、やや盛り上がった形態を示します。真皮内母斑は、母斑細胞が真皮内のみに存在するもので、盛り上がったイボ状になることが多いです。

ほくろが気になるとき

ほくろは通常、健康上の問題を引き起こすことはありません。しかし、以下のような変化が見られた場合には、皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。

急に大きくなった、形が変わった、色が濃くなった、または色むらができた、出血しやすくなった、かゆみや痛みを伴うようになった、といった変化には注意が必要です。

これらの変化は、ほくろの悪性化や、ほくろに見せかけた悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性を示唆することがあります。

足の裏や手のひらのほくろ

一般に、足の裏や手のひらのほくろは悪性化しやすいと言われることがありますが、実際にはそれほど頻度は高くありません。ただし、これらの部位は日常的に刺激を受けやすいため、変化に気づきやすいという側面もあります。

足の裏や手のひらにほくろがある方で、上記のような変化が見られた場合には、念のため専門医を受診されることをお勧めします。

6. 脂漏性角化症(老人性イボ)について詳しく知る

脂漏性角化症とは

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、加齢とともに増えてくる良性の皮膚腫瘍です。「老人性イボ」「老人性疣贅(ゆうぜい)」とも呼ばれますが、厳密にはウイルス性のイボとは異なります。

この腫瘍は皮膚の表皮基底細胞に異常が生じ、細胞が増殖することで発生します。40歳以上の成人の80%以上に見られるとされ、80歳以上ではほぼ全員に何らかの脂漏性角化症が認められるほど一般的なものです。

脂漏性角化症の特徴

脂漏性角化症は、茶色から黒色の盛り上がった病変として現れます。表面はざらざらしていることが多く、あたかも皮膚に張り付いているような外観を呈します。

大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、顔、頭、首、胸などによく見られます。痛みやかゆみを伴わないことが多いですが、大きくなるときにかゆみを感じることがあります。

脂漏性角化症の原因

脂漏性角化症の主な原因は、紫外線と加齢による皮膚の老化です。紫外線が皮膚の細胞にダメージを与え、遺伝子に異常を引き起こすことが発症の一因と考えられています。

また、遺伝的な要素も関連している可能性があり、家族に脂漏性角化症が多い方は、発症リスクが高いとされています。早い方では20代後半から発生することもあります。

脂漏性角化症と市販薬

脂漏性角化症はウイルス性のイボではないため、「イボコロリ」などの市販のイボ治療薬は効果がありません。これらの薬剤はサリチル酸などを含み、ウイルス性イボに対して効果を発揮するものであり、脂漏性角化症には適応外です。

自己判断で市販薬を使用することは避け、気になる場合は皮膚科を受診することをお勧めします。

注意が必要なケース

脂漏性角化症は基本的に良性であり、がん化することはないとされています。しかし、短期間に全身に急激に多数の脂漏性角化症が出現し、かゆみを伴う場合には注意が必要です。

このような状態は「レーザー・トレラ徴候」と呼ばれ、内臓に悪性腫瘍(がん)が存在する可能性を示唆することがあります。このような症状がある場合には、皮膚科だけでなく内科的な検査も受けることが重要です。

7. ガングリオンについて詳しく知る

ガングリオンとは

ガングリオンは、関節や腱鞘の周囲にできるゼリー状の物質が詰まった腫瘤です。日本整形外科学会の情報によると、典型的なものは手関節の背側(甲側)に生じ、手関節の関節包(関節を包む袋)につながっています。

ガングリオンという名前は「がん」という文字を含んでいますが、悪性腫瘍ではありません。良性の疾患であり、がんになることはありません。

ガングリオンの特徴

ガングリオンは、米粒大からピンポン玉大までさまざまな大きさで発生します。柔らかいものから硬いものまであり、触るとコリコリとした感触があることが多いです。

内部にはゼリー状の粘液が詰まっており、これは関節液や腱鞘の潤滑油である滑液が濃縮したものです。ガングリオンは関節や腱鞘とつながっていることがほとんどです。

ガングリオンの好発部位

ガングリオンができやすい場所としては、手首の甲側が最も一般的です。その他、手首の親指側の掌側、指の付け根の掌側なども好発部位として知られています。

また、足首や膝、肘などの関節周囲にもできることがあり、稀に骨や筋肉、神経の中に発生することもあります。

ガングリオンの症状

ガングリオンの多くは無症状で、見た目の膨らみだけが気になるという方が多いです。しかし、神経の近くにできた場合には、神経を圧迫してしびれや痛み、運動麻痺などを引き起こすことがあります。

手を使いすぎると腫瘤が大きくなる傾向があり、逆に安静にしていると小さくなることもあります。

ガングリオンの原因

ガングリオンがなぜできるのか、その原因は完全には解明されていません。関節や腱鞘の弱い部分が風船のように膨らんでできるという説や、組織の変性によって生じるという説があります。

若い女性に比較的多く見られますが、必ずしも手をよく使う人にできるわけではありません。

8. その他のできもの

上記で紹介したもの以外にも、皮膚にはさまざまなできものが発生することがあります。

石灰化上皮腫(毛母腫)は、毛根の細胞に由来する良性腫瘍で、石のように硬いしこりとして触れます。顔や首、腕などに多く見られ、小児や若年者に多いとされています。

線維腫は、皮膚の線維組織が増殖してできる良性腫瘍です。軟らかいものから硬いものまであり、体のどこにでもできる可能性があります。

血管腫は、血管が異常に増殖してできる良性腫瘍です。赤や紫色を呈することが多く、生まれつきあるものと、後天的に発生するものがあります。

神経鞘腫は、末梢神経の鞘(さや)を構成する細胞から発生する良性腫瘍です。押すと神経に沿って痛みやしびれが走ることがあります。

これらのできものは、それぞれ異なる治療アプローチが必要となるため、正確な診断を受けることが重要です。

9. 良性と悪性の見分け方

良性腫瘍の特徴

良性の皮膚腫瘍は、一般的に以下のような特徴を持っています。

成長が緩やかで、数年から数十年かけてゆっくりと大きくなることが多いです。形が整っており、周囲との境界がはっきりしています。色が均一であることが多く、触っても痛みを伴わないことがほとんどです。

悪性腫瘍を疑うべきサイン

一方、悪性の皮膚腫瘍(皮膚がん)を疑うべきサインとしては、以下のようなものがあります。

短期間で急速に大きくなる、形がいびつで左右非対称である、色にむらがある(一部が濃い、複数の色が混在しているなど)、境界がぼやけている、出血しやすい、かさぶたができてもすぐに取れてしまう、潰瘍を形成している、といった特徴が挙げられます。

皮膚がんの種類

国立がん研究センターの情報によると、皮膚がんにはさまざまな種類があります。代表的なものとしては、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などがあります。

基底細胞がんは、顔面(特に鼻や目の周り)に多く発生する皮膚がんで、黒色の隆起した病変として現れることが多いです。転移することは稀ですが、局所的に浸潤して拡大する性質があります。

有棘細胞がんは、紫外線を多く浴びる部位に発生しやすく、赤みを帯びた隆起やびらん、潰瘍として現れることがあります。進行すると転移する可能性があります。

悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚がんの中でも最も悪性度が高いとされています。色素細胞ががん化したもので、黒色の不整形な病変として現れることが多いです。早期発見・早期治療が極めて重要です。

自己診断の危険性

皮膚腫瘍の良性・悪性を自己診断することは非常に危険です。見た目だけでは判断できないケースも多く、専門医でさえダーモスコピー(拡大鏡)や病理検査を用いて診断を行います。

気になるできものがある場合は、「たぶん良性だろう」と自己判断せず、必ず皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。

10. できものの治療法

経過観察

良性のできもので、大きさも小さく、症状もない場合には、特に治療をせずに経過観察とすることがあります。ただし、定期的に専門医の診察を受け、変化がないかを確認することが重要です。

薬物療法

多くの皮膚のできもの(腫瘍)に対して、薬物療法は根本的な治療とはなりません。例えば、粉瘤や脂肪腫は、薬では治すことができず、完治のためには手術が必要です。

ただし、炎症性粉瘤で感染を伴っている場合には、一時的に抗生物質が処方されることがあります。これはあくまで感染のコントロールが目的であり、粉瘤そのものを治すものではありません。

手術療法

皮膚のできものの根本的な治療は、多くの場合、手術による摘出です。できものの種類や大きさ、部位によって、さまざまな手術方法が選択されます。

粉瘤の場合、従来法(紡錘形切除)では、粉瘤の直上の皮膚を紡錘形に切開し、袋ごと摘出して縫合します。くり抜き法(へそ抜き法)では、特殊な器具で小さな穴を開け、内容物を絞り出した後に袋を抜き取ります。くり抜き法は傷が小さく済むメリットがありますが、症例によっては従来法の方が適している場合もあります。

脂肪腫の場合、腫瘍の直上に切開を加え、被膜を破らないように注意しながら摘出します。大きなものや深部にあるものでは、全身麻酔が必要になることもあります。

ほくろの場合、メスやパンチで切除する方法と、レーザーで除去する方法があります。悪性が疑われる場合には、切除した組織を病理検査に提出して確定診断を行います。

レーザー治療

脂漏性角化症やほくろの一部に対しては、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による治療が行われることがあります。レーザーで病変を蒸散させる方法で、メスによる切除よりも傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。

ただし、レーザー治療は病理検査ができないため、悪性腫瘍が疑われる場合には適応とならないことがあります。

液体窒素療法

脂漏性角化症やウイルス性イボに対しては、液体窒素を用いた凍結療法が行われることがあります。極低温の液体窒素で病変を凍結させ、組織を壊死させる方法です。

保険適用で受けられる治療ですが、複数回の通院が必要になることが多く、治療後に色素沈着が残ることがあります。

ガングリオンの治療

ガングリオンの場合、痛みなどの症状がなければ放置しても問題ありません。治療を行う場合には、まず注射針を刺して内容物を吸引する方法が試みられます。

ただし、吸引だけでは再発することが多く、何度も再発する場合や症状が強い場合には、手術による摘出が検討されます。再発を防ぐためには、関節包や腱鞘につながっている茎の部分まで完全に摘出することが重要です。

11. 受診のタイミングと診療科の選び方

すぐに受診すべきケース

以下のような場合には、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。

できものが急速に大きくなっている場合、出血や痛みを伴う場合、炎症を起こして赤く腫れている場合、色や形が変わってきた場合、潰瘍やびらんを形成している場合などです。

特に、ほくろやシミのような色素性の病変で、急な変化が見られる場合には、悪性黒色腫の可能性も考慮して、早急に皮膚科専門医の診察を受けることが重要です。

診療科の選び方

皮膚のできものに関しては、主に皮膚科と形成外科が対応しています。

皮膚科は、皮膚疾患全般を扱う診療科です。できものの診断や、悪性腫瘍の鑑別、ダーモスコピーを用いた詳細な観察などを行います。手術が必要な場合には、皮膚科で対応できることもあれば、形成外科や外科に紹介されることもあります。

形成外科は、体表面の外科的治療を専門とする診療科です。できものの摘出手術を得意としており、傷跡をできるだけ目立たなくするための技術を持っています。特に顔など整容面が重要な部位のできものの治療に強みがあります。

ガングリオンのように関節周囲にできるできものについては、整形外科が対応することが多いです。

どの診療科を受診すべきか迷った場合には、まずはかかりつけ医や皮膚科を受診し、必要に応じて適切な診療科を紹介してもらうとよいでしょう。

12. さいたま新都心・大宮エリアでの受診について

さいたま新都心・大宮エリアの特徴

さいたま新都心・大宮エリアは、埼玉県の中心的な都市圏として発展しており、交通の便が非常に良い地域です。JRさいたま新都心駅やJR大宮駅を中心に、多くの医療機関が集積しています。

このエリアには、さいたま赤十字病院をはじめとする総合病院から、地域に密着したクリニックまで、さまざまな規模の医療機関が存在します。皮膚科や形成外科を標榜するクリニックも多く、できものの相談・治療を受けられる環境が整っています。

受診時のポイント

医療機関を受診する際には、以下のような点を事前に確認しておくとスムーズです。

まず、できものがいつ頃からあるか、大きさや形、色に変化があったか、痛みやかゆみなどの症状があるか、といった情報を整理しておきましょう。また、過去に同様のできものができたことがあるか、家族に皮膚疾患の既往がある方がいるか、といった情報も診断の参考になります。

受診の際には、できものの部位を見せやすい服装で行くことをお勧めします。また、日帰り手術に対応しているクリニックを選ぶと、仕事や日常生活への影響を最小限に抑えられる場合があります。

複数の医療機関の連携

大きなできものや、悪性が疑われるできもの、手術が複雑になることが予想されるケースでは、クリニックから総合病院への紹介が行われることがあります。

さいたま新都心・大宮エリアには、高度な医療を提供できる総合病院もあるため、必要に応じて適切な医療機関での治療を受けることができます。クリニックと病院の連携体制が整っている地域であることは、患者さんにとって大きなメリットと言えるでしょう。

13. まとめ

皮膚のできものは、日常的によく見られる症状であり、多くの場合は良性です。しかし、中には治療が必要なものや、悪性腫瘍との鑑別が必要なものも含まれています。

粉瘤、脂肪腫、ほくろ、脂漏性角化症、ガングリオンなど、できものにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる原因、特徴、治療法を持っています。自己判断で放置したり、自己流の対処をしたりすることは避け、気になるできものがある場合には、専門医の診察を受けることが大切です。

特に、急速に大きくなる、形や色が変わる、出血や痛みを伴う、といった変化が見られた場合には、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。

さいたま新都心・大宮エリアには、皮膚科や形成外科を標榜する医療機関が多数あり、できものの診断・治療を受けられる環境が整っています。交通の便も良いため、仕事や日常生活の合間に受診しやすいというメリットもあります。

皮膚のできものでお悩みの方は、まずは専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることで、安心して日常生活を送れるようにしましょう。早期発見・早期治療が、良好な治療結果につながる鍵となります。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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