春になると、なんとなく肌の調子が悪くなると感じている方は少なくありません。特に混合肌の方にとって、春は1年のなかでも最も肌が不安定になりやすい季節です。Tゾーンのべたつきが気になる一方で、頬や口まわりはカサカサと乾燥している…そんな相反する悩みが同時に現れるのが混合肌の特徴であり、春特有の気候変化がその状態をさらに複雑にします。「乾燥している部分にはしっかり保湿したいけれど、油っぽい部分にたくさん塗るのは気が引ける」「どんなスキンケアを選べばいいのかわからない」と迷ってしまう方も多いでしょう。この記事では、混合肌が春に揺らぎやすい理由を科学的な観点から解説したうえで、季節の変わり目を乗り越えるためのスキンケアのポイントを詳しくご紹介します。毎年春になると肌荒れに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 混合肌とはどのような肌質か
- 春になると混合肌が不安定になる理由
- 混合肌が春に抱えやすい肌トラブル
- 春の混合肌ケアの基本原則
- 洗顔の正しい方法とポイント
- 化粧水・乳液・クリームの選び方と使い方
- 日焼け止めの重要性と選び方
- 食事・睡眠・生活習慣が肌に与える影響
- セルフケアで改善しない場合の選択肢
- まとめ

🎯 混合肌とはどのような肌質か
混合肌とは、顔の部位によって皮脂の分泌量が大きく異なり、油っぽい部分と乾燥した部分が混在している肌質のことを指します。一般的には、額・鼻・顎(あご)を結ぶTゾーンに皮脂が多く分泌される一方で、頬や目まわりなどのUゾーンは皮脂が少なく乾燥しやすいという特徴があります。
皮脂腺は顔全体に分布していますが、その密度や活動量には部位によって差があります。Tゾーンは顔のなかでも特に皮脂腺の数が多い部位であり、汗腺も密集しているため、油分と水分の両方が過剰になりやすい傾向があります。一方でUゾーン、特に頬は皮脂腺が少なく、皮膚の構造上も乾燥しやすい部位です。
混合肌は日本人に特に多い肌質のひとつとされており、成人女性の約半数が混合肌に該当するという調査結果もあります。完全な乾燥肌や脂性肌に分類できない「中間的な状態」であるため、市販のスキンケア製品だけでは適切なケアが難しいと感じる方も多いのが現状です。
また、混合肌は固定されたものではなく、季節・年齢・体調・生活習慣などによって状態が変化します。10代から20代の若い頃はTゾーンのべたつきが目立ちやすく、年齢を重ねるにつれて全体的に乾燥が進んでいくケースも少なくありません。そのため、一度自分の肌質を把握したとしても、定期的に見直していく姿勢が大切です。
📋 春になると混合肌が不安定になる理由
春は気温や湿度が急激に変化する季節です。3月から5月にかけて、日によっては真冬のように寒い日があったかと思えば、翌日には汗ばむほど暖かい日が続くこともあります。この気温の大幅な上下動が、肌のホメオスタシス(恒常性)を乱す大きな原因となります。
気温が上がると皮脂腺の活動が活発になります。皮脂は本来、肌の表面を保護するために必要な成分ですが、過剰に分泌されると毛穴の詰まりや肌荒れの原因となります。混合肌の場合、もともと皮脂分泌が多いTゾーンでこの傾向が顕著に現れます。一方で、冬の間に乾燥で弱っているUゾーンは、春になっても保湿機能がすぐに回復するわけではないため、乾燥状態が続きやすいのです。
さらに、春は花粉の飛散が多い季節です。スギやヒノキなどの花粉は、肌に直接付着してバリア機能を低下させることが知られています。花粉による皮膚への影響は「花粉皮膚炎」とも呼ばれ、かゆみ・赤み・乾燥感などを引き起こします。混合肌の方は、もともとバリア機能が部位によって異なるため、花粉の影響を受けやすい状況にあります。
また、春は日照時間が長くなり、紫外線量も急増します。冬の間に紫外線対策を怠っていた方は、春になって突然強くなる紫外線に肌が対応しきれず、光老化や色素沈着が進みやすい状態になります。紫外線は肌の水分を奪い、バリア機能を低下させるため、混合肌の乾燥部分をさらに悪化させるリスクがあります。
そして見落とされがちなのが、精神的なストレスの影響です。春は新学期・新社会人・転勤・異動など生活環境が大きく変わる時期であり、自律神経のバランスが乱れやすい時期でもあります。自律神経の乱れはホルモンバランスに影響し、皮脂分泌の増加や肌のターンオーバーの乱れにつながります。混合肌の方はこうした内側からの変化にも敏感に反応しやすいのです。
💊 混合肌が春に抱えやすい肌トラブル
春に混合肌の方が経験しやすい肌トラブルにはいくつかのパターンがあります。代表的なものを詳しく見ていきましょう。
まず最もよく見られるのが、にきびや毛穴トラブルです。気温の上昇とともに皮脂分泌量が増えるTゾーンでは、過剰な皮脂が毛穴に詰まりやすくなります。詰まった皮脂が酸化して「黒ずみ毛穴」になったり、アクネ菌が繁殖して炎症を起こしたりすることで、にきびが生じます。特に額や鼻周辺に集中することが多く、「なぜか春になるとにきびが増える」と感じる方はこのメカニズムが背景にある可能性があります。
次に多いのが、頬の乾燥・かさつきや赤みです。冬の乾燥で弱ったバリア機能が回復しきらないまま春の刺激(花粉・紫外線・気温差)にさらされると、頬の敏感化が進みます。特に花粉皮膚炎はこの時期に増加し、頬やあごのまわりに赤みやかゆみとして現れることがあります。かいてしまうことで肌の炎症がさらに悪化するケースも多く見られます。
また、毛穴の開きや黒ずみも春特有の悩みです。皮脂分泌量が増えると毛穴が広がりやすくなり、黒ずんだ毛穴が目立つようになります。毛穴が大きく開いたまま汚れや皮脂が酸化すると黒ずみとなり、すっきりした肌印象を妨げます。
さらに、インナードライという状態に陥る方も春に増えます。インナードライとは、肌の表面は皮脂でべたついているように見えるにもかかわらず、肌の内側は水分が不足しているという状態です。乾燥に対応しようとして過剰な皮脂が分泌されている場合があり、「Tゾーンはべたつくのに全体的に粉をふく感じがある」「化粧崩れが激しい」という方はこの可能性があります。インナードライは適切な保湿ケアをしないと悪化する一方なので、早めの対応が求められます。
色素沈着やシミも春から悪化しやすいトラブルのひとつです。紫外線量が増える春に十分な日焼け止めケアを怠ると、メラニンの生成が促進されて肌に色素が沈着しやすくなります。冬の間に蓄積したダメージが春の紫外線によってさらに表面化するケースもあり、混合肌の方はUゾーンのバリア機能が低下しているぶん、より影響を受けやすい状況にあります。
🏥 春の混合肌ケアの基本原則
混合肌の春ケアを成功させるには、いくつかの基本原則を押さえておく必要があります。単純に「乾燥しているから保湿する」「べたつくから制皮脂を使う」という一面的なアプローチでは、肌の状態をかえって悪化させてしまうことがあります。
最も重要な原則は、「部位別のケア」を意識することです。混合肌は均一な肌質ではないため、顔全体に同じアイテムを同じ量で塗布するのは適切ではありません。Tゾーンには皮脂を抑えるアプローチを、Uゾーンにはしっかり保湿するアプローチを、それぞれ分けて行うことが理想的です。「一種類の化粧品で全顔を同じようにケアしなければならない」という思い込みを捨てることがスタート地点です。
次に大切なのは「バリア機能の回復」を優先することです。どんな肌トラブルも、根本には肌のバリア機能の低下があります。バリア機能とは、肌の表面にある角質層が外部刺激から肌を守り、内部の水分を保持する機能のことです。花粉・紫外線・乾燥・摩擦などによってバリア機能が低下すると、さまざまなトラブルが起きやすくなります。バリア機能を支えるためには、適度な保湿と、刺激を与えないやさしいケアが基本となります。
また、「シンプルなケアを継続する」ことも重要です。肌が不安定なときに多くの製品を重ねて使うと、成分の相互作用や刺激が肌への負担になることがあります。春の不安定な時期は特に、基本的なステップ(洗顔・化粧水・乳液・日焼け止め)をていねいに続けることを意識しましょう。
さらに、スキンケアは「季節によって見直す」習慣をつけることをおすすめします。冬に使っていたこってりしたクリームをそのまま春も使い続けると、気温の上昇とともにTゾーンの皮脂分泌がさらに促進されることがあります。逆に、春から急に油分を減らすとUゾーンの乾燥が悪化することもあります。季節の変わり目には、使っているアイテムの質感・テクスチャー・量を少しずつ調整していく柔軟な姿勢が肌を安定させる鍵となります。
⚠️ 洗顔の正しい方法とポイント
スキンケアの最初のステップである洗顔は、混合肌のケアにおいて特に重要です。洗顔の方法が適切でないと、必要な皮脂まで取り除いてしまい、肌のバリア機能を傷つけることになります。
洗顔料の選び方について、混合肌の方にはアミノ酸系の洗顔料がおすすめされることが多いです。アミノ酸系の洗浄成分は、肌への刺激が比較的少なく、適度な洗浄力がありながら必要な皮脂を過剰に取り除きにくいという特徴があります。硫酸系の洗浄成分(ラウリル硫酸Naなど)は洗浄力が高い一方で、肌の皮脂を必要以上に除去してしまう可能性があるため、混合肌には向かないことがあります。成分表を確認する習慣をつけると、自分に合った洗顔料を選びやすくなります。
泡立ての重要性も見逃せません。洗顔料を直接肌に塗りつけるのではなく、十分に泡立ててから洗顔することで、泡が皮脂や汚れを吸着し、摩擦を少なくしながら洗い上げることができます。泡立てネットを使うと、短時間でしっかりとした泡を作ることができます。理想的な泡は、手に乗せたときに落ちないほどのきめ細かい状態です。
洗顔の際の水温も大切なポイントです。熱いお湯は皮脂を溶かしすぎて乾燥を招き、冷水は毛穴を閉じて汚れが落ちにくくなります。最適な水温は32〜34度程度のぬるま湯です。特に春は気温が上がってきて熱いシャワーが心地よく感じられますが、顔を洗う際にはぬるま湯を意識してください。
洗い上がりのすすぎは十分に行いましょう。洗顔料が顔に残ると肌刺激の原因となります。特に生え際や小鼻の横、あご下などは洗い残しが多い部位です。すすぎは30秒程度、丁寧に行うことをおすすめします。
タオルでの水分の拭き取りも、肌への摩擦を最小限にするためにやさしくおさえるように行います。こすると肌のバリア機能が傷つき、炎症の原因となります。洗顔後1〜2分以内を目安に化粧水をつけるようにしましょう。
朝の洗顔については、混合肌の方はぬるま湯だけで洗う「水洗顔」を取り入れるのもひとつの方法です。夜のスキンケアで付けた保湿成分を洗い流さずに活かせるというメリットがあります。ただし、汗をかきやすい季節には雑菌が繁殖しやすいため、状況に応じて洗顔料を使う判断も必要です。
🔍 化粧水・乳液・クリームの選び方と使い方
洗顔後の保湿ケアは、混合肌にとって最も重要なステップのひとつです。どのようなアイテムを選び、どのように使うかによって、肌の状態は大きく変わります。
化粧水の選び方について、混合肌の方には「さっぱり〜ふつうタイプ」の化粧水がバランスがとりやすいとされています。こってりした化粧水はTゾーンのべたつきを悪化させる場合があります。一方で、アルコール含有量が高い化粧水はさっぱりした使用感のものが多いですが、乾燥を助長する可能性があるため、アルコールフリーもしくは低アルコールのものを選ぶとUゾーンの乾燥が防ぎやすくなります。
化粧水に含まれる保湿成分にも注目しましょう。ヒアルロン酸・グリセリン・セラミド・コラーゲンなどは肌の水分保持を助ける成分です。特にセラミドはバリア機能を構成する重要な成分であり、敏感になりやすい春の肌を内側からサポートする効果が期待できます。
化粧水の使い方として、部位別のアプローチが効果的です。化粧水をコットンに含ませて顔全体に塗布したあと、乾燥が気になるUゾーン(頬・あご・目まわり)には追加で化粧水を重ね付けするか、ハンドプレスを行いましょう。一方でTゾーンへの化粧水は1〜2回で十分です。重ねすぎると油分とのバランスが崩れる場合があります。
乳液とクリームの選び方について、春はテクスチャーを冬よりも軽くすることを意識しましょう。冬に使っていたこってりした保湿クリームは、春から初夏にかけて気温が上がるにつれてTゾーンのべたつきや毛穴詰まりの原因になることがあります。ジェル状やさらっとした乳液タイプに切り替えると、季節の変わり目に肌を整えやすくなります。
Uゾーンには通常の乳液を、Tゾーンには乳液を薄めに塗るか省くという部位別の使い分けも有効です。特に鼻の上や額は皮脂分泌が多いため、油分を足しすぎないように注意が必要です。一方で頬や目まわりは春でも乾燥しやすいため、しっかりと保湿成分を補給することが大切です。
美容液は必要に応じて追加するアイテムです。春の肌荒れが気になる方は、ビタミンC誘導体配合の美容液が毛穴の目立ちや色素沈着のケアに役立つとされています。ただし、肌が敏感になっている時期には高濃度の刺激成分を使うと肌が反応する場合があるため、低濃度のものから試すことをおすすめします。
パックやシートマスクについては、週1〜2回程度を目安に取り入れると、普段のケアでは補いきれない集中保湿ができます。特に花粉が多い日の外出後や、日差しが強い日の翌日には、肌のうるおいを集中的に補給するシートマスクが肌の回復を助けます。ただし、毎日使用するとかえって肌に負担になることもあるため、使用頻度には注意しましょう。
📝 日焼け止めの重要性と選び方
春のスキンケアにおいて、日焼け止めは欠かせないアイテムです。多くの方が「夏になったら日焼け止めをちゃんと塗ろう」と考えていますが、実は紫外線は春から急増し始めます。3月ごろから紫外線量は増加し始め、5月にはすでに夏と同等レベルに近い紫外線が降り注ぐ地域もあります。
紫外線がなぜ肌に悪いかというと、大きく2種類のダメージに分けられます。UVAは肌の深い層(真皮)まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊して光老化(シワ・たるみ・シミ)を引き起こします。UVBは肌の表面を刺激して炎症(日焼け)を起こし、メラニン生成を促します。春の紫外線には両方が含まれており、特にUVAは冬でも降り注いでいるため1年を通じた対策が必要です。
日焼け止めの選び方について、混合肌の方は使用感が重要なポイントになります。油分が多くべたつく日焼け止めはTゾーンの皮脂分泌をさらに促進したり、毛穴詰まりの原因になることがあります。春は「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載された日焼け止めや、さらっとしたジェルタイプ・ミルクタイプを選ぶと快適に使いやすいでしょう。
SPF(紫外線防止効果)やPA(UVA防御効果)の値については、日常生活(通勤・買い物程度)ではSPF30・PA++程度で十分とされています。長時間の外出やレジャーの際はSPF50・PA++++が推奨されます。SPFの数値が高いほど皮膚への負担も増す傾向があるため、日常使いでは過剰に高い数値のものを選ぶ必要はありません。
日焼け止めは、保湿ケアの最後のステップとして使用します。顔全体に均一に塗り広げ、塗りムラがないよう注意しましょう。鼻の上や頬骨あたりは塗り忘れやすいため意識して丁寧に塗布してください。また、汗をかいたり時間が経ったりすると効果が薄れるため、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されます。日焼け止めの上からファンデーションを使用する場合は、少し時間をおいてから重ねると崩れにくくなります。
日焼け止めを毎日使うことへの抵抗感を感じる方もいるかもしれませんが、紫外線ダメージは毎日積み重なっていくものです。シミやシワ・くすみの約80%は紫外線によるものと言われており、若い頃からの習慣が10年後・20年後の肌の状態に大きく影響します。混合肌の方は肌のバリア機能が均一でないぶん、紫外線の影響を受けやすい状態にあることも理解しておきましょう。
💡 食事・睡眠・生活習慣が肌に与える影響
スキンケアはあくまで外側からのアプローチですが、肌の状態は内側からの働きかけにも大きく左右されます。特に春は生活習慣が乱れやすい時期でもあるため、食事・睡眠・ストレスケアに気を配ることが混合肌の安定につながります。
食事の面では、皮脂分泌や肌のターンオーバーに関わる栄養素を意識することが大切です。糖質や脂質の摂りすぎは皮脂分泌量を増やし、Tゾーンのべたつきやにきびを悪化させることがあります。揚げ物・スナック菓子・甘いドリンクなどを毎日大量に摂取する習慣は、混合肌にとって特に注意が必要です。
逆に肌によい栄養素として、ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、メラニンの生成を抑える効果があります。柑橘類・ブロッコリー・パプリカなどに豊富に含まれています。ビタミンAは皮膚の再生を促し、角質層を健康に保つ働きがあります。ニンジン・ほうれん草・レバーなどから摂取できます。ビタミンEは抗酸化作用があり、肌の酸化ダメージから守る役割を担います。ナッツ類・アボカド・植物油などに多く含まれています。
亜鉛は皮脂分泌をコントロールする働きがあり、にきびや毛穴の目立ちを改善する効果が期待できます。牡蠣・牛肉・豆腐などに含まれています。腸内環境を整える食物繊維や発酵食品も、肌荒れ改善に間接的に役立つことが分かっています。腸と肌の関係を「腸肌相関」と呼び、腸内環境が悪化すると肌荒れが増えるという研究報告もあります。
水分補給も忘れずに。気温が上がり始める春から夏にかけては、水分不足が肌の乾燥や代謝の低下につながります。1日1.5〜2リットル程度の水分を意識的に摂取することが推奨されます。ただし、カフェインを多く含むコーヒーや紅茶、アルコールは利尿作用があるため、飲みすぎると水分不足を招くことがあります。
睡眠の質と量は、肌の再生に直結します。肌のターンオーバーは主に夜間の睡眠中に行われており、成長ホルモンが分泌されることで細胞の修復が促進されます。慢性的な睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、肌のくすみ・毛穴の目立ち・肌荒れの原因となります。理想的な睡眠時間は7〜8時間とされており、就寝時間を一定にすることで体内時計が整い、睡眠の質も向上します。
ストレスと肌の関係にも注目してください。ストレスを感じると副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が分泌され、皮脂分泌を増加させる男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを高めます。その結果、Tゾーンのべたつきやにきびが増えやすくなります。春の環境変化によるストレスを上手に発散するために、定期的な運動・趣味の時間・リラクゼーションなどを生活に取り入れることが肌の安定にもつながります。
また、肌への直接的な刺激を減らすことも大切です。スマートフォンや枕のカバーは雑菌が付着しやすいため、定期的に清潔にすることをおすすめします。特ににきびが気になる方は、スマートフォンを頬に当てて通話する際に雑菌が肌に移ることが一因になっている場合があります。イヤホンを使う・画面を清潔に保つなどの工夫をしましょう。
✨ セルフケアで改善しない場合の選択肢
日々のスキンケアや生活習慣の改善に取り組んでも、肌の状態がなかなか改善しない場合や、にきびが悪化して炎症が強くなった場合、シミや毛穴の目立ちが気になって市販品では限界を感じる場合などには、皮膚科や美容クリニックへの相談を検討することも重要な選択肢のひとつです。
皮膚科では、炎症性にきびや肌荒れに対して処方薬(外用薬・内服薬)を使った治療が行われます。アクネ菌に効果的な抗菌薬の外用薬や、皮脂分泌を抑制するビタミンA誘導体(レチノイン酸)などが処方されることがあります。市販の製品とは異なる濃度・成分の薬剤が使えるため、セルフケアで改善しなかった症状に対して効果が期待できます。
美容クリニックでは、医療機器や医療用の施術を用いたより専門的なアプローチが可能です。混合肌に関連するトラブルに対して行われる代表的な施術としては、以下のようなものがあります。
ケミカルピーリングは、グリコール酸やサリチル酸などの酸を使って古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進する施術です。毛穴の詰まり・にきび跡・くすみ・黒ずみの改善に効果が期待できます。混合肌の方にとってはTゾーンの毛穴ケアと全体的な肌質改善に役立つ施術です。
レーザートーニングやフォトフェイシャルは、光やレーザーを使ってシミ・くすみ・赤みを改善する施術です。春から増える紫外線で悪化したメラニン沈着を分解し、明るい肌印象を取り戻すことができます。施術後は紫外線対策が特に重要になるため、医師の指示に従ったアフターケアが必要です。
ヒドラフェイシャルやクレンジング系の機器を使った施術は、毛穴の汚れや余分な皮脂を吸引しながら保湿成分を届ける施術です。混合肌のTゾーンの毛穴ケアと、Uゾーンの保湿を同時にアプローチできる施術として人気があります。刺激が比較的少ないため、敏感な肌の方でも受けやすい施術のひとつです。
水光注射(スキンブースター)は、ヒアルロン酸やビタミンなどの保湿成分を直接肌の真皮層に注入する施術です。塗るスキンケアでは届きにくい肌の深層に水分を補給できるため、インナードライが気になる混合肌の方に向いている場合があります。
いずれの施術も、自分の肌の状態に合ったものを医師と相談しながら選ぶことが大切です。施術には費用がかかるものが多く、すべての方に同じ施術が適しているわけではありません。まずはカウンセリングを受けて、自分の肌の悩みに合ったアプローチを専門家に相談することをおすすめします。
アイシークリニック大宮院では、混合肌や肌荒れに関するお悩みについて、専門の医師が肌の状態を詳しく診察したうえで最適なケア方法をご提案しています。セルフケアに行き詰まりを感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春になると混合肌の悩みでご来院される患者様が増える傾向にあり、「Tゾーンのべたつきと頬の乾燥が同時に悪化した」というお声を多くいただきます。季節の変わり目は気温・紫外線・花粉が複合的に肌へ影響するため、部位ごとのケアを意識しながらバリア機能の回復を最優先に考えることが大切です。セルフケアをていねいに続けても改善が見られない場合は、お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。肌の状態を丁寧に診察したうえで、その方に合った最適なアプローチをご提案いたします。」
📌 よくある質問
春は気温・湿度の急激な変化、花粉の飛散、紫外線量の増加、新生活によるストレスなど、複数の要因が重なる季節です。気温上昇でTゾーンの皮脂分泌が活発になる一方、冬に弱ったUゾーンのバリア機能は回復しきれず、乾燥が続きやすいため、混合肌の方にとって最も肌が揺らぎやすい時期といえます。
アミノ酸系の洗浄成分を使った洗顔料がおすすめです。肌への刺激が少なく、適度な洗浄力がありながら必要な皮脂を過剰に取り除きにくい特徴があります。一方、ラウリル硫酸Naなどの硫酸系成分は洗浄力が強すぎて乾燥を招く場合があるため、成分表を確認する習慣をつけると自分に合った製品を選びやすくなります。
部位別の使い分けが効果的です。皮脂分泌が多いTゾーンには軽いテクスチャーの化粧水・乳液を薄めに使い、乾燥しやすいUゾーン(頬・あご・目まわり)にはしっかり保湿できるアイテムを重ねて使いましょう。顔全体に同じ量を塗る必要はなく、部位ごとに量と質感を調整することが春の肌を安定させる鍵です。
日常の通勤や買い物程度であれば、SPF30・PA++程度で十分とされています。混合肌の方はTゾーンのべたつきや毛穴詰まりを防ぐため、ノンコメドジェニックテスト済みのジェルタイプやミルクタイプなど、さらっとした使用感のものを選ぶのがおすすめです。汗や時間経過で効果が落ちるため、2〜3時間ごとに塗り直しましょう。
皮膚科では処方薬による治療、美容クリニックではケミカルピーリング・レーザートーニング・ヒドラフェイシャルなどの施術が選択肢になります。アイシークリニックでは、医師が肌の状態を詳しく診察したうえで、お一人おひとりに合ったケア方法をご提案しています。セルフケアに限界を感じた際は、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。

🎯 まとめ
春は気温・湿度・紫外線・花粉など、さまざまな環境変化が重なる季節であり、混合肌の方にとって肌が最も不安定になりやすい時期です。Tゾーンのべたつきと、UゾーンやUゾーンの乾燥が同時に悪化しやすいこの時期を上手に乗り越えるためには、部位ごとに適切なケアを行うこと、バリア機能の回復を意識した保湿ケアを継続すること、そして毎日の日焼け止めを欠かさないことが基本となります。
洗顔ではアミノ酸系の低刺激洗顔料を泡立てて使い、化粧水・乳液はTゾーンには軽いテクスチャーのもの、Uゾーンにはしっかり保湿できるものを選んで部位別に使い分けることが効果的です。日焼け止めはSPF30・PA++程度のさらっとしたタイプを選び、毎朝のルーティンに取り入れましょう。
食事では皮脂コントロールに関わる亜鉛やビタミン類を意識して摂り、睡眠の質を高め、ストレスをため込まないことも肌の状態に大きく影響します。セルフケアだけで改善しない場合は、皮膚科や美容クリニックへの相談を検討してみてください。自分の肌をよく観察しながら、柔軟にケアを見直す習慣をつけることが、混合肌と上手に付き合っていくための最大のポイントです。春の肌トラブルに悩んでいる方が、この記事をきっかけに少しでも肌の状態が改善されれば幸いです。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 混合肌のバリア機能・花粉皮膚炎・にきびのメカニズムや皮膚科学的ケアの根拠として参照
- 厚生労働省 – 睡眠と肌のターンオーバー・成長ホルモン分泌・生活習慣が肌に与える影響の根拠として参照
- PubMed – 混合肌の皮脂分泌・紫外線ダメージ・腸肌相関・栄養素と肌状態に関する科学的根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務