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老人性血管腫とは?大宮で皮膚科をお探しの方へ|原因・症状・治療法を専門医が徹底解説

はじめに:「赤いほくろ」の正体は老人性血管腫かもしれません

ある日、鏡を見たとき、あるいは入浴中に、胸やお腹、腕などに小さな赤い点のようなものができていることに気づいた経験はないでしょうか。「これは何だろう?」「何かの病気のサインなのだろうか?」と不安に感じる方も少なくありません。

その赤い点の正体は、「老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)」と呼ばれる皮膚の変化である可能性が高いです。老人性血管腫は、皮膚に現れる小さな赤色の良性腫瘍で、見た目から「赤ほくろ」や「チェリースポット」「ルビースポット」とも呼ばれています。

本記事では、大宮エリアで皮膚科をお探しの方に向けて、老人性血管腫の特徴、原因、診断方法、そして治療法について、最新の医学的知見をもとに詳しく解説いたします。


老人性血管腫の基礎知識

老人性血管腫とは何か

老人性血管腫は、皮膚の真皮と呼ばれる層の浅い部分で、毛細血管が異常に増殖・拡張することによって形成される良性の血管腫です。医学的には「senile hemangioma」または「Cherry angioma」と呼ばれ、19世紀のイギリスの外科医キャンベル・ド・モルガンによって初めて詳細に報告されたことから、「キャンベル・ド・モルガン斑」という別名でも知られています。

老人性血管腫は「赤いほくろ」と呼ばれることがありますが、一般的なほくろとは成り立ちがまったく異なります。ほくろはメラニンという色素を作り出す細胞(メラノサイト)が集まってできるため茶色や黒色をしていますが、老人性血管腫は血液が流れる血管そのものが集まってできているため、鮮やかな赤色を呈するのです。

名前に「老人性」とあるが若い人にもできる

「老人性」という名前がついているため、多くの方が「年をとってからできるもの」と想像しがちです。しかし、この名称は実態とは少し異なり、誤解を招きやすいものとなっています。

実際には、老人性血管腫は20代や30代といった若い世代から現れ始めることも決して珍しくありません。疫学的なデータによると、年齢別の有病率は以下のとおりです。

  • 10代:約1.0%
  • 20代:約13.9%
  • 30代:約46.8%
  • 40代:約64.5%
  • 50代:約73.1%
  • 60代:約76.6%
  • 70代:約82.7%
  • 80代:約79.9%

このデータから分かるように、30代を境に急激に発生率が上昇し、70歳以上では約8割の方に少なくとも1つの老人性血管腫が認められます。つまり、「老人性」という言葉は、高齢者特有の疾患という意味ではなく、「年齢とともにその数が増加・蓄積していく傾向がある」という意味合いで名付けられたと理解するのが適切です。


老人性血管腫の症状と特徴

見た目の特徴

老人性血管腫には、以下のような特徴的な外観があります。

まず色調についてですが、鮮やかな赤色(チェリーレッド)から紫色まで様々で、ルビーのような光沢を帯びていることもあります。血管腫を構成する血管は皮膚表面に非常に近いため、血液の色がそのまま反映されて赤く見えます。

大きさは、初期には直径0.1mm程度のごく小さな点状のものから始まりますが、徐々に成長して通常は1〜5mm程度になります。まれに1cm以上に成長することもあります。

形状は、最初は平坦で小さな赤い点のように見えますが、成長するにつれて厚みが増し、ドーム状に隆起した丸い形状になることもあります。表面は滑らかで光沢があり、境界は明瞭です。

好発部位

老人性血管腫は体のどこにでもできる可能性がありますが、特に上半身に多く見られます。具体的な好発部位としては、胸部(デコルテライン)、背中、腹部、上腕、顔面、首などが挙げられます。

興味深いことに、手のひらや足の裏に出現することは稀です。これは、これらの部位の皮膚構造が他の部位と異なることが関係していると考えられています。

自覚症状

老人性血管腫は通常、痛みやかゆみなどの自覚症状を伴いません。そのため、知らないうちにできていて、ある日突然気づくというケースが多いのが特徴です。

ただし、血管腫を構成する血管は皮膚表面に非常に近いため、衣服との摩擦や引っ掻きなどで損傷を受けると出血しやすいことがあります。出血した場合、血管腫の性質上、止血に時間がかかることがあるため注意が必要です。


老人性血管腫の原因

老人性血管腫がなぜできるのか、その正確な原因はまだ完全には解明されていません。しかし、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症する「多因子疾患」であると考えられています。

加齢による影響

最も重要な要因として挙げられるのが加齢です。年齢とともに発症率が上昇することから、以下のような加齢に伴う変化が関与していると考えられています。

まず、皮膚の老化による血管壁の脆弱化があります。加齢とともに血管を支える組織が弱くなり、血管が拡張しやすくなります。また、血管新生(血管の新生)を制御する機構の変化も関係しています。さらに、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の低下も一因と考えられています。

遺伝的素因

老人性血管腫には明確な遺伝的素因が関与していることが分かっています。家族に老人性血管腫が多い場合、子供にも発症する可能性が高くなります。

近年の研究では、GNAQ(Q209H、Q209R、R183G)およびGNA11(Q209H)遺伝子の体細胞ミスセンス変異が報告されており、血管新生に関わる遺伝子の変異が関係している可能性が示唆されています。

紫外線の影響

老人性血管腫の発生には紫外線が大きく関与していると考えられています。好発部位が顔、胸元、背中、腕など日光に曝露されやすい部位であることがその根拠となっています。

紫外線による慢性的なダメージが皮膚の毛細血管に影響を与え、血管腫の形成を促進する可能性があります。特に、屋外での仕事が多い方(農業従事者、建設業、配達業など)やアウトドアスポーツを長年続けている方は、紫外線による影響を受けやすい傾向があります。

ただし、背中や腹部など通常は日光がほとんど当たらない部位にも発生することがあるため、紫外線以外の要因も重要であることが分かっています。

ホルモンバランスの影響

女性ホルモンの変動が血管新生に影響することが知られており、以下のような時期に老人性血管腫が増加することがあります。

妊娠期にはエストロゲンとプロゲステロンが増加するため、血管腫ができやすくなることがあります。また、更年期においてはホルモンバランスの大きな変化が影響する可能性があります。

生活習慣の乱れ

はっきりとしたエビデンスは少ないものの、生活習慣の乱れも皮膚の毛細血管に影響を与え、老人性血管腫の発生に関与していると考えられています。具体的には、睡眠不足、栄養バランスの偏り、過度な飲酒、慢性的なストレスなどが挙げられます。

分子生物学的メカニズム

2010年に発表された研究では、老人性血管腫の発症メカニズムについて重要な発見がありました。老人性血管腫の組織ではマイクロRNA-424(miR-424)の発現量が正常皮膚に比べて大幅に低下しており、その結果MEK1とサイクリンE1の蛋白質発現が上昇していることが明らかになりました。

この制御性核酸(マイクロRNA)は血管の成長を引き起こす蛋白質成長因子を抑制する働きがあり、その低下が血管腫の形成を促進している可能性が示唆されています。


老人性血管腫の診断

視診による診断

老人性血管腫の診断は、多くの場合、皮膚科専門医による視診で可能です。特徴的な赤色の外観、大きさと形状、発生部位のパターン、患者の年齢と病歴などを総合的に評価して診断を行います。

典型的な老人性血管腫であれば、その外観から比較的容易に診断することができます。

ダーモスコピー検査

より詳細な診断のために、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いた観察を行うことがあります。ダーモスコピーは、皮膚の表面の光の反射を抑え、皮膚の内部構造を痛みなく詳細に観察できる検査です。

ダーモスコピーで老人性血管腫を観察すると、「red lagoons(赤いラグーン)」と呼ばれる特徴的な赤紫色の湖のような構造が見られます。また、鮮やかな赤い背景に赤〜やや赤紫色の球状の集簇や蛇行した血管構造を認めることができます。

この検査により、他の血管系病変との鑑別を侵襲なく行うことが可能です。日本では2006年より保険収載されており、日常診療に広く導入されています。

鑑別が必要な疾患

老人性血管腫は良性の腫瘍ですが、見た目が似ている他の疾患との鑑別が重要です。特に注意が必要な疾患には以下のものがあります。

基底細胞癌(特に色素性基底細胞癌)は、老人性血管腫より大きく不規則な形状をしていることが多く、中央に潰瘍を形成することがあります。境界が不明瞭であることも特徴です。

悪性黒色腫(無色素型メラノーマ)は、急速に成長し、形状や色調が不規則で、出血しやすい特徴があります。皮膚がんの中でも特に予後が不良なため、早期発見が重要です。

化膿性肉芽腫は、急速に成長する血管性病変で、易出血性があり、表面が不整です。外傷後に発生することが多い特徴があります。

スパイダー血管腫(クモ状血管腫)は、中央に拡張した血管があり、周囲に放射状に毛細血管が広がる特徴があります。肝疾患と関連することがあるため、多発している場合は内科的な精査が必要なこともあります。

被角血管腫は、老人性血管腫に似た赤黒い色をしていますが、表面に角質の増殖を伴うことが特徴です。

病理組織検査

通常、老人性血管腫では病理検査(生検)は不要です。しかし、以下のような場合には、組織を採取して病理検査を行い、診断を確定することがあります。

急速な増大がある場合、不規則な形状をしている場合、色調に変化がある場合、症状(疼痛、かゆみ)を伴う場合、他の疾患との鑑別が困難な場合などです。

病理組織学的には、老人性血管腫は真皮浅層における毛細血管の限局性増生として観察されます。血管内皮細胞の核が腫大し内腔面に突出する像や、一部では扁平化した血管内皮細胞が見られることがあります。


老人性血管腫の治療法

治療の必要性について

まず大前提として、老人性血管腫は良性腫瘍であり、悪性化(がん化)することはありません。健康上の問題を引き起こすこともなく、見た目が気にならなければ、特に治療をせずにそのままにしておいても全く問題ありません。

ただし、一度できてしまうと自然に消えることはなく、年齢を重ねるにつれて数が増えたり、わずかに大きくなったりする傾向があります。そのため、治療を検討される方の多くは、健康上の理由ではなく、美容的な観点から選択されています。

治療を検討する理由としては、見た目が気になる(美容的な理由)、衣服との摩擦などで頻繁に出血する、複数の血管腫が増えてきた、などが挙げられます。

レーザー治療

老人性血管腫の治療として最も広く行われているのがレーザー治療です。複数の種類のレーザーが使用されており、それぞれに特徴があります。

色素レーザー(Vビーム)は、波長595nmのレーザー光を使用します。血液中のヘモグロビン(赤血球の色素成分)に選択的に吸収される性質があり、瞬間的に高熱となって血管壁にダメージを与え、異常な血管を破壊します。周囲の正常な組織へのダメージが少ないのが特徴で、傷跡を残すことは少ないとされています。小さなものは1回の治療で完治が望めますが、やや大きめの血管腫では2〜3回の治療が必要なことがあります。

ロングパルスYAGレーザーは、波長1064nmのレーザーを使用します。色素レーザーより波長が長いため、皮膚の深部まで到達することができ、より深い位置にある血管や太い血管にも効果があります。色素レーザーで効果が得られなかった場合の第二選択として用いられることもあります。多くの場合1回の照射で治療が完了します。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、波長10,600nmのレーザーで、水に吸収されやすい性質があります。皮膚は水分を含んでいるため、病変の性状や色調に関係なく皮膚を蒸散させて削り取ることができます。色素レーザーやYAGレーザーに反応しない老人性血管腫に対して使用されることがあります。局所麻酔を行い、照射時間は15〜30秒程度です。瘢痕を残すことは少ないですが、ゼロではありません。

レーザー治療の痛みは、輪ゴムで弾かれるような瞬間的な痛みと表現されることが多く、多くの方が麻酔なしでも耐えられる程度です。痛みに敏感な方には、麻酔クリームや局所麻酔を使用することも可能です。

治療後は、照射部位に赤みやむくみが生じることがありますが、多くの場合数時間から数日で治まります。血管成分が反応して一時的に黒っぽく変色し、その後かさぶたになって1〜2週間程度で自然にはがれ落ちます。まれに色素沈着が残ることがありますが、通常は3〜6ヶ月程度で自然に消失します。

外科的切除

老人性血管腫のサイズが大きい場合や、他の疾患との鑑別のために病理検査が必要な場合は、外科的切除が行われることがあります。

手術は局所麻酔下で行われ、メスやパンチを用いて血管腫を切り取り、傷口を縫合します。縫合が必要な場合は、抜糸までの期間は通常1週間程度です。

切除した組織は病理検査に提出され、良性であることを確認することができます。この点は、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合に特に重要です。

手術後は、細い線やしわのような傷跡が残ることがあります。また、ケロイド体質の方は傷口が盛り上がる(肥厚性瘢痕)可能性もあるため、術前に医師とよく相談することが大切です。

液体窒素による凍結療法

液体窒素を用いた凍結療法は、イボの治療などでよく用いられる方法ですが、老人性血管腫にも適用されることがあります。

マイナス196度の液体窒素を病変部に接触させ、組織を急速に凍結・壊死させます。治療後はかさぶたになり、数日から10日程度ではがれ落ちて新しい皮膚が再生されます。

この治療法は比較的簡便に行えますが、強い痛みを伴うことがあり、また色素沈着や傷跡が残るリスクがレーザー治療より高いとされています。血管腫のサイズに応じた液体窒素の塗布時間の調整が必要で、治療効果は術者の技量に左右される面があります。

電気凝固術・高周波治療

電気凝固術は、高周波電流を用いて血管腫を焼灼する治療法です。局所麻酔を施した後、高周波メスなどで血管腫を浅く削り取ります。

デルマトロンという機器を用いた治療も行われています。これは中周波域の微弱電流を用いて皮膚表面を薄く焼く方法で、麻酔が不要な場合も多く、ビリっと電気が走るような軽い痛みを感じる程度です。小さな老人性血管腫であれば1回の治療で全体がかさぶたのようになり、数日から10日程度ではがれ落ちて治ります。大きめのものは複数回の治療が必要なこともあります。

保険適用と自由診療について

老人性血管腫の治療において、保険適用の有無は治療法によって異なります。

レーザー治療(Vビーム等)については、単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)、毛細血管拡張症と診断された場合は保険適用となりますが、老人性血管腫に対するレーザー治療は保険適用外(自由診療)となります。

外科的切除(手術による摘出)は、保険診療として行うことが可能です。保険適用の場合、3割負担で1万円弱程度が目安となります。

液体窒素による凍結療法は、保険適用となる場合があります。

自由診療の場合、費用はクリニックによって異なりますが、レーザー治療の場合1個あたり2,000円〜10,000円程度が相場となっています。複数個を一度に治療する場合は、割引が適用されることもあります。


老人性血管腫の予防と日常生活での注意点

完全な予防は困難

老人性血管腫の発症を完全に予防することは困難です。しかし、以下のような対策で発症リスクを軽減できる可能性があります。

紫外線対策

紫外線が老人性血管腫の発生に関与していると考えられているため、適切な紫外線対策が推奨されます。具体的には、日焼け止めの日常的な使用、帽子や日傘の活用、長袖の着用、紫外線の強い時間帯(10時〜14時頃)の外出を控えるなどの対策が有効です。

生活習慣の改善

皮膚の健康を維持するために、規則正しい生活リズム、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、禁煙、過度な飲酒を避けるなどの生活習慣の改善が推奨されます。

自己処理は絶対に避ける

老人性血管腫を自分で取ろうとすることは絶対に避けてください。以下のような深刻なリスクがあります。

出血が止まらなくなる危険性があります。老人性血管腫は血管の塊であるため、損傷すると大量に出血し、止血が困難になることがあります。また、傷口から細菌が侵入し、感染症を引き起こす可能性があります。不適切な処置により瘢痕(傷跡)が残ったり、不完全な除去により再発したりすることもあります。さらに、自己判断で処置することで、悪性腫瘍など他の疾患を見逃してしまう危険性もあります。

見た目が気になる場合は、必ず皮膚科や形成外科を受診し、専門医による適切な治療を受けるようにしましょう。

受診の目安

以下のような場合は、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。

赤い点が急速に大きくなった場合、色調が変化した(特に赤黒くなった)場合、形状が不規則になった場合、出血を繰り返す場合、痛みやかゆみを伴う場合、数が急激に増えた場合などです。

これらの変化は、老人性血管腫以外の疾患の可能性を示唆している場合があるため、専門医による診察が必要です。


よくある質問(Q&A)

Q1:老人性血管腫は悪性化(がん化)することはありますか?

老人性血管腫が悪性化することはありません。これは完全に良性の血管性腫瘍であり、健康に害を及ぼすことはありません。ただし、急に大きくなったり、色調が変化したりした場合は、他の疾患の可能性もあるため、専門医の診察を受けることをお勧めします。

Q2:老人性血管腫は自然に消えることはありますか?

残念ながら、老人性血管腫は一度できてしまうと自然に消えることはありません。治療をしない限り残り続けます。ただし、良性腫瘍のため、見た目が気にならなければ放置していても健康上の問題はありません。

Q3:市販薬で治療できますか?

老人性血管腫の症状に効果のある市販薬は販売されていません。内服薬や外用薬での治療はできないため、除去を希望する場合は医療機関での治療が必要です。一般的なイボに効果があるとされる塗り薬や漢方薬なども、老人性血管腫に対しては効果が認められていません。

Q4:治療後に再発することはありますか?

適切に治療された老人性血管腫が同じ場所に再発することは稀です。ただし、別の場所に新しい老人性血管腫ができることはあります。また、不完全な除去の場合は、残存部から再増大する可能性があります。治療方法により再発率は異なり、一般的には切除の方がレーザー治療より再発率が低いとされています。

Q5:老人性血管腫がたくさんできるのは何かの病気のサインですか?

老人性血管腫が多発すること自体は、通常は特定の病気のサインではありません。加齢に伴う自然な現象として捉えられています。ただし、まれに肝疾患などと関連する場合があるため、短期間で急激に増加した場合や、他の症状を伴う場合は、医師に相談することをお勧めします。

Q6:遺伝しますか?

老人性血管腫には遺伝的素因があることが分かっています。家族歴がある場合、子供にも発症する可能性が高くなります。ただし、必ず発症するわけではなく、適切な予防策(紫外線対策など)により、発症を遅らせたり軽減したりできる可能性があります。

Q7:治療は痛いですか?

治療法により痛みの程度は異なります。レーザー治療では、輪ゴムで弾かれるような瞬間的な痛みがありますが、多くの患者さんが耐えられる程度です。外科的切除では、局所麻酔を使用するため治療中の痛みはほとんどありません。液体窒素療法では、冷たい痛みが数分続くことがあります。痛みが心配な方は、事前に医師に相談し、麻酔の使用について検討することができます。


大宮で老人性血管腫の治療をお考えの方へ

老人性血管腫は、多くの方に見られる一般的な皮膚の変化です。健康上の問題はありませんが、見た目が気になる場合や数が増えてきた場合は、適切な治療で改善することができます。

大宮エリアには、老人性血管腫の診断・治療に対応できる皮膚科・形成外科が複数あります。治療を検討される場合は、まず専門医の診察を受け、ご自身の症状に最適な治療法について相談されることをお勧めします。

アイシークリニック大宮院では、専門医による正確な診断と、患者様一人ひとりに最適な治療法のご提案を行っております。老人性血管腫についてご心配な点がございましたら、お気軽にご相談ください。


まとめ

本記事では、老人性血管腫について詳しく解説してまいりました。重要なポイントを以下にまとめます。

老人性血管腫は、皮膚の毛細血管が増殖してできる良性の腫瘍です。「赤ほくろ」「チェリースポット」とも呼ばれ、19世紀に初めて報告されました。

「老人性」という名前ですが、20代から出現することもあり、30代を境に発生率が急上昇します。70歳以上では約8割の方に見られる非常に一般的な皮膚症状です。

原因は完全には解明されていませんが、加齢、遺伝、紫外線、ホルモンバランス、生活習慣などの複合的な要因が関与していると考えられています。

診断は視診で可能なことが多く、ダーモスコピー検査でより詳細な観察ができます。悪性腫瘍との鑑別が重要な場合は病理検査を行うこともあります。

良性腫瘍のため治療は必須ではありませんが、美容的な理由で除去を希望される方も多くいらっしゃいます。治療法にはレーザー治療、外科的切除、凍結療法、電気凝固術などがあり、それぞれに特徴があります。

自己処理は出血、感染、瘢痕形成などのリスクがあるため、絶対に避け、気になる場合は必ず医療機関を受診してください。

急速な増大や色調の変化、形状の変化などがある場合は、他の疾患の可能性もあるため、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。


参考文献

  1. 日本皮膚科学会「皮膚科診療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/
  2. 日本医科大学医学会雑誌「皮膚疾患の臨床診断におけるダーモスコピーの有用性」 https://www.nms.ac.jp/sh/jmanms/pdf/005030148.pdf
  3. Wikipedia「老人性血管腫」 https://ja.wikipedia.org/wiki/老人性血管腫
  4. 厚生労働省「診療報酬点数表 D282-4 ダーモスコピー」
  5. 日本皮膚科学会雑誌「血管腫の診断と治療」

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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