「皮膚の下にコロコロとしたしこりができた」「触ると少し硬くて、なかなか消えない」——大宮やさいたま新都心エリアにお住まいの方から、こうしたご相談をいただくことが増えています。もしかすると、それは粉瘤(ふんりゅう)かもしれません。
粉瘤は皮膚科や形成外科で最もよく見られる良性の皮下腫瘍のひとつです。体のどこにでもできる可能性があり、放置していても自然に治ることはありません。しかし、多くの方が「ニキビかな?」「脂肪のかたまりかな?」と思い込み、そのままにしてしまうケースが少なくありません。
本記事では、大宮駅・さいたま新都心駅周辺で粉瘤治療をお考えの方に向けて、粉瘤の基礎知識から原因、症状、治療法、そして術後のケアや再発予防まで、知っておきたい情報を幅広く解説します。埼玉県内でも交通アクセスに優れたこのエリアで、どのように医療機関を選び、どのような流れで治療を受けられるのかについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 粉瘤とは何か
- 粉瘤ができる原因
- 粉瘤の症状と特徴
- 粉瘤と間違えやすい皮膚疾患
- 炎症性粉瘤について
- 粉瘤の診断方法
- 粉瘤の治療法
- 手術費用と保険適用について
- 術後の過ごし方と注意点
- 粉瘤の再発を防ぐために
- 大宮・さいたま新都心エリアで粉瘤治療を受けるメリット
- まとめ
1. 粉瘤とは何か
粉瘤は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」や「アテローム」とも呼ばれる良性の皮下腫瘍です。皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、その内部に本来であれば皮膚の表面から剥がれ落ちるはずの角質(垢)や皮脂といった老廃物が溜まることで形成されます。
袋の壁は皮膚と同じような構造をしているため、袋の中には角質や皮脂がどんどん蓄積されていきます。そのため、時間の経過とともに粉瘤は少しずつ大きくなっていく傾向があります。最初は数ミリ程度の小さなしこりであっても、数年かけて数センチ、場合によっては10センチを超える大きさに成長することもあります。
粉瘤は体のどの部位にもできる可能性がありますが、特に顔、首、背中、耳の後ろなど、皮脂腺が発達している部位に好発します。また、外傷をきっかけに発生することもあるため、臀部(おしり)や足の裏にできるケースもあります。
よく「脂肪のかたまり」と表現されることがありますが、実際に中に溜まっているのは脂肪ではなく、角質や皮脂などの老廃物です。粉瘤を強く圧迫すると、開口部からドロドロとした白い内容物が出てくることがあり、これが独特の悪臭を放つことも粉瘤の特徴のひとつです。
粉瘤は良性の腫瘍であり、基本的には命に関わるような疾患ではありません。しかし、放置すると大きくなったり、細菌感染を起こして炎症を生じたりする可能性があります。また、ごくまれではありますが、長年放置して炎症を繰り返すうちに悪性化するケースも報告されています。そのため、早期の診断と適切な治療が推奨されます。大宮やさいたま新都心エリアには皮膚科・形成外科の医療機関が複数あり、気になる症状があれば早めに相談できる環境が整っています。
2. 粉瘤ができる原因
粉瘤ができる正確な原因は、現在の医学でも完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が粉瘤の発生に関与していると考えられています。
毛穴の閉塞
最も一般的に考えられている原因のひとつが毛穴の閉塞です。私たちの皮膚には皮脂を分泌する皮脂腺があり、通常は毛穴を通じて皮脂が排出されています。しかし、何らかの理由で毛穴が詰まると、皮脂や角質が排出されずに皮膚の内側に溜まり、袋状の構造物が形成されて粉瘤となることがあります。
外傷や慢性的な刺激
ケガや手術などによって皮膚が傷つくと、表皮細胞が皮膚の深い部分(真皮層)に入り込んでしまうことがあります。この入り込んだ表皮細胞が袋状の壁を形成し、その中に老廃物が蓄積されて粉瘤が発生することがあります。また、皮膚が繰り返し摩擦を受けるような部位では、粉瘤ができやすいともいわれています。
ウイルス感染
手のひらや足の裏にできる粉瘤については、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与している可能性が指摘されています。特に足底にできる粉瘤は比較的若い世代に多く見られる傾向があり、ウイルス性イボの原因となるHPVとの関連が研究されています。
遺伝的要因
ガードナー症候群(家族性大腸腺腫症)やゴーリン症候群(母斑基底細胞癌症候群)などの遺伝性疾患では、複数の粉瘤が多発することが知られています。これらの疾患に伴う粉瘤は、一般的な粉瘤とは発生メカニズムが異なると考えられています。
薬剤の影響
一部の薬剤が粉瘤の発生リスクを高める可能性も報告されています。悪性黒色腫の治療薬であるBRAF阻害薬や、免疫抑制剤のシクロスポリンなどがその例として挙げられます。
なお、「体を清潔にしていないから粉瘤ができる」と思われがちですが、実際には清潔にしていても粉瘤ができることはあります。粉瘤の発生には個人の体質も大きく関わっており、一生のうちに一度も粉瘤ができない方もいれば、何度も繰り返しできる方もいます。
3. 粉瘤の症状と特徴
粉瘤の症状は、その進行状態によって異なります。ここでは、粉瘤の典型的な症状と特徴について詳しく解説します。
外観上の特徴
粉瘤は皮膚の下にできるコロコロとしたしこりとして触れることができます。多くの場合、表面は正常な皮膚と同じ色をしていますが、大きくなると白っぽくまたはやや青黒く見えることもあります。形状はドーム状に盛り上がった半球状で、触ると弾力があったり、やや硬く感じたりすることがあります。
粉瘤の最大の特徴は、中央に黒い点のような開口部(へそ、punctumともいいます)があることです。この黒い点は毛穴が詰まった部分であり、粉瘤の袋と皮膚の外側をつなぐ通り道になっています。ただし、すべての粉瘤にこの開口部が見られるわけではなく、毛根や汗腺などから発生した粉瘤では開口部がないこともあります。
大きさの変化
粉瘤の大きさは数ミリから数センチまでさまざまです。初期の段階では小さなしこりとして感じられますが、放置すると内部に老廃物が蓄積されていくため、徐々に大きくなっていきます。まれに10センチを超える大きさまで成長するケースもあります。
粉瘤は自然に消えることはほとんどありません。袋状の構造物が残っている限り、内部に角質や皮脂が溜まり続けるため、時間の経過とともに大きくなる一方です。
通常時の症状
炎症を起こしていない粉瘤の場合、痛みやかゆみといった自覚症状はほとんどありません。そのため、気づかないうちに大きくなっていることも珍しくありません。
粉瘤を圧迫すると、開口部から白いクリーム状またはチーズ状のドロドロした内容物が出てくることがあります。この内容物は角質や皮脂が混ざったもので、タンパク質が腐敗したような独特の悪臭を放ちます。
発生しやすい部位
粉瘤は体のどこにでもできる可能性がありますが、統計的には約60パーセントが顔、首、背中に発生しています。これらの部位は皮脂腺が活発で、皮脂の分泌が盛んなことが関係していると考えられています。そのほか、耳の後ろ、胸、股関節周辺なども粉瘤ができやすい部位として知られています。
また、手のひらや足の裏のように本来は毛穴がない部位でも、過去に外傷を受けた場所では粉瘤ができることがあります。このタイプの粉瘤は比較的若い世代(20代前後)に多いという特徴があります。
4. 粉瘤と間違えやすい皮膚疾患
粉瘤は見た目が他の皮膚疾患と似ているため、自己判断で「ニキビだろう」「脂肪のかたまりだろう」と思い込んでしまうケースが少なくありません。ここでは、粉瘤と間違えやすい代表的な皮膚疾患について解説します。
ニキビとの違い
ニキビも毛穴に関連して発生する点では粉瘤と共通していますが、両者は構造と経過が大きく異なります。
ニキビは毛穴の入り口が詰まり、内部で皮脂が溜まって炎症を起こしたものです。アクネ菌などの細菌が関与しており、通常は適切なケアを行えば自然に治癒します。一方、粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物ができており、その袋を取り除かない限り自然に治ることはありません。
見た目の違いとしては、粉瘤は中央に黒い点(開口部)があることが多く、触るとコロコロと動くしこりとして感じられます。ニキビは毛穴の部分が白くまたは黒く盛り上がり、炎症を起こすと赤く腫れます。
脂肪腫との違い
脂肪腫は脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘍で、粉瘤と同様に皮膚の下にしこりとして触れることができます。
両者の違いとして、脂肪腫には粉瘤のような中央の開口部がありません。また、脂肪腫は皮膚との癒着が少なく、触るとよく動く傾向があります。粉瘤は中央部分が皮膚と癒着しているため、脂肪腫ほど自由には動きません。
さらに、脂肪腫は粉瘤よりも深い部分(皮下脂肪層)にできることが多く、脂肪腫そのものから悪臭が出ることはありません。
おでき(せつ)との違い
おでき(せつ)は毛穴に細菌が感染して生じる化膿性の皮膚疾患です。赤く腫れて痛みを伴い、中心部に膿が溜まります。
炎症を起こした粉瘤(炎症性粉瘤)とおできは症状が似ていますが、おできは感染が原因で急性に発症し、適切な治療を行えば治癒します。一方、粉瘤は袋状の構造物が原因であり、たとえ炎症が治まっても袋が残っている限り再発する可能性があります。
石灰化上皮腫との違い
石灰化上皮腫は、毛母細胞(毛髪を作る細胞)由来の良性腫瘍です。顔や腕にできやすく、触ると非常に硬いのが特徴です。粉瘤も硬く感じることがありますが、石灰化上皮腫ほどの硬さではありません。
これらの疾患は見た目だけで正確に見分けることが難しい場合もあります。皮膚にしこりを発見した場合は、自己判断せずに皮膚科や形成外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。大宮駅やさいたま新都心駅周辺には、こうした皮膚のできものを専門的に診察できる医療機関がありますので、気になる症状があれば早めにご相談ください。
5. 炎症性粉瘤について
粉瘤は通常、痛みやかゆみといった症状がない良性の腫瘍ですが、細菌感染やその他の原因で炎症を起こすことがあります。このような状態を「炎症性粉瘤」または「感染性粉瘤」と呼びます。
炎症が起こる原因
炎症性粉瘤が生じる主な原因としては、次のようなものが挙げられます。
まず、細菌感染です。粉瘤の中央にある開口部から細菌が侵入し、袋の内部で感染を起こすことがあります。体の免疫力が低下しているときや、風邪を引いているときなどに起こりやすいといわれています。
もうひとつの原因として、袋の破裂があります。外部からの圧力によって粉瘤の袋が破れると、内部の老廃物が周囲の皮膚組織に広がり、異物反応として炎症が生じます。このタイプの炎症は細菌感染によるものよりも頻度が高いという報告もあります。
炎症性粉瘤の症状
炎症性粉瘤になると、それまで無症状だった粉瘤が急に赤く腫れ上がり、痛みを伴うようになります。触ると熱を持っていることもあり、化膿が進行すると膿が溜まった状態になります。炎症が強い場合は、激しい痛みで日常生活に支障をきたすこともあります。
また、炎症性粉瘤からは悪臭を放つ膿が出てくることがあります。皮膚が自然に破れて膿が排出されることもありますが、この場合でも袋が残っているため、炎症が治まった後に再び粉瘤が大きくなってくる可能性があります。
炎症性粉瘤の治療
炎症性粉瘤の治療は、炎症の程度によって異なります。軽度の炎症であれば、抗生物質の内服によって炎症を抑えることができます。
しかし、炎症が強く膿が溜まっている場合は、切開排膿という処置が必要になります。これは局所麻酔をした上で皮膚を切開し、内部の膿を排出する応急処置です。切開排膿によって痛みや腫れは軽減しますが、この段階では袋を完全に取り除くことができないため、根治治療にはなりません。
炎症が落ち着いた後(通常は数週間から数か月後)、改めて袋ごと摘出する手術を行います。このように、炎症性粉瘤の治療は複数回の処置が必要になることが多く、結果的に傷跡も大きくなりやすいという問題があります。そのため、炎症を起こす前の早い段階で治療を受けることが望ましいといえます。大宮やさいたま新都心エリアで粉瘤の症状に気づいたら、炎症が起こる前に専門医へ相談することをおすすめします。
6. 粉瘤の診断方法
粉瘤の診断は、多くの場合、視診と触診によって行われます。経験豊富な医師であれば、患部を見て触るだけで粉瘤かどうかを判断できることがほとんどです。
視診と触診
粉瘤には次のような視覚的・触覚的な特徴があります。
表面が滑らかで境界がはっきりしている、ドーム状に盛り上がった腫瘤であること。中央に黒い点のような開口部が見られることが多いこと。触ると皮膚の下でコロコロと動くしこりとして感じられ、表面の皮膚とは中央部分で癒着していること。これらの特徴を確認することで、粉瘤である可能性が高いかどうかを判断します。
超音波検査(エコー検査)
粉瘤が深い位置にある場合や、他の疾患との鑑別が必要な場合には、超音波検査が行われることがあります。超音波検査では、粉瘤特有の袋状構造や内部エコーのパターンを確認することができます。また、手術を予定している場合には、粉瘤の大きさや周囲の組織との関係を把握するためにも有用です。
病理検査
手術によって摘出した組織は、病理検査に提出されることがあります。病理検査では、摘出した組織を顕微鏡で詳しく調べ、確定診断を行います。また、ごくまれに粉瘤が悪性化しているケースもあるため、念のため病理検査で確認することは重要です。
受診すべき診療科
粉瘤が疑われる場合は、皮膚科または形成外科を受診することをおすすめします。いずれの診療科でも診察・治療は可能ですが、手術を前提とした治療を希望する場合は、皮膚外科の経験が豊富な医療機関を選ぶとよいでしょう。大宮駅周辺には皮膚科・形成外科を標榜するクリニックが複数あり、粉瘤の診察から手術まで対応している医療機関を見つけやすい環境です。
7. 粉瘤の治療法
粉瘤は良性の腫瘍であるため、炎症がなく症状もなければ、必ずしも治療が必要というわけではありません。しかし、粉瘤は自然に治ることがなく、放置すると大きくなったり炎症を起こしたりするリスクがあるため、根本的な治療を希望される方も多くいらっしゃいます。
粉瘤の根本的な治療は、袋状の構造物(嚢腫壁)を完全に取り除く手術です。薬で治すことはできません。手術方法には主に「くり抜き法」と「切開法(紡錘形切除法)」の2種類があります。
くり抜き法(へそ抜き法)
くり抜き法は、近年広く行われるようになった手術方法です。トレパン(ディスポーザブルパンチ)と呼ばれる円筒状の器具を使って、粉瘤の中央に直径3〜6ミリ程度の小さな穴を開けます。その穴から粉瘤の内容物を押し出し、しぼんだ状態になった袋をピンセットなどで引き出して摘出します。
くり抜き法のメリットは、傷跡が小さくて目立ちにくいことです。顔や首など、見た目が気になる部位にできた粉瘤には特に適しています。また、切開が小さいため縫合が不要な場合も多く、抜糸のための再来院が不要になることもあります。手術時間も比較的短く、5〜20分程度で終わることがほとんどです。
一方、デメリットとしては、切開法に比べて再発率がやや高いことが挙げられます。小さな穴から袋を取り出すため、袋の一部が残ってしまうリスクがあるためです。また、粉瘤が大きすぎる場合や、炎症を繰り返して周囲の組織と癒着している場合には、くり抜き法が適さないこともあります。
切開法(紡錘形切除法)
切開法は、従来から行われている標準的な手術方法です。粉瘤の上の皮膚を紡錘形(葉っぱのような形)に切開し、粉瘤を袋ごとまるごと摘出します。摘出後は傷を縫合し、後日抜糸を行います。
切開法のメリットは、袋を完全に取り除くことができるため、再発率が低いことです。大きな粉瘤や、炎症を繰り返して周囲と癒着している粉瘤でも確実に摘出することができます。
デメリットとしては、くり抜き法に比べて傷跡が長くなることが挙げられます。傷の長さは粉瘤の大きさとほぼ同じ程度になります。また、縫合が必要なため、約1週間後に抜糸のための再来院が必要です。
手術方法の選択
どちらの手術方法を選択するかは、粉瘤の大きさ、部位、炎症の有無、患者さんのご希望などを総合的に判断して決定します。
一般的に、顔などの目立つ部位にあって傷跡を最小限にしたい場合はくり抜き法が選択されることが多いですが、確実に取り切りたい場合や大きな粉瘤の場合は切開法が推奨されます。いずれの方法も局所麻酔で行われ、日帰り手術が可能です。
炎症性粉瘤の場合
炎症を起こしている粉瘤は、まず炎症を抑える治療を優先します。軽い炎症であれば抗生物質の内服で対応しますが、膿が溜まっている場合は切開排膿を行います。炎症が完全に落ち着いてから、改めて根治のための摘出手術を行います。
8. 手術費用と保険適用について
粉瘤の治療は、診察から手術、病理検査まで、すべて健康保険が適用されます。そのため、医療費の自己負担は保険の負担割合に応じた金額となり、多くの方は3割負担で治療を受けることができます。
手術費用の目安
粉瘤の手術費用は、粉瘤の大きさと発生部位によって異なります。医療保険の制度では、粉瘤ができた部位を「露出部」と「非露出部」に分けて診療報酬点数が設定されています。
露出部とは、半袖・半ズボンで隠れない部分のことで、具体的には顔、首、肘から手先まで、膝から足先までが該当します。非露出部はそれ以外の部位(胸、腹、背中、上腕、大腿など)を指します。
一般的に、露出部の手術は非露出部よりも診療報酬点数が高く設定されています。また、粉瘤が大きいほど手術費用も高くなります。
3割負担の場合の手術費用の目安は、おおむね数千円から1万数千円程度です。ただし、これは手術費用のみの目安であり、実際には診察料、処方料、血液検査費用、病理検査費用なども加わるため、総額は変動します。具体的な費用については、受診される医療機関にお問い合わせいただくことをおすすめします。
民間の医療保険について
民間の生命保険会社や共済組合の医療保険に加入されている場合、契約内容によっては粉瘤の手術が手術給付金の支払い対象となることがあります。
粉瘤の手術は「皮膚・皮下腫瘍摘出術」という術式名で行われます。この術式が給付金の対象に含まれているかどうかは、加入している保険商品によって異なります。手術を受ける前に、保険会社や共済組合に確認しておくとよいでしょう。
給付金を受け取るためには、医師が作成した診断書が必要になることが多いです。診断書の発行には別途費用がかかりますので、事前に必要な書類や手続きについても確認しておくことをおすすめします。
9. 術後の過ごし方と注意点
粉瘤の手術は日帰りで行われることがほとんどであり、術後は通常の日常生活を送ることができます。ただし、傷の回復を促し、合併症を防ぐために、いくつかの点に注意が必要です。
手術当日の注意点
手術当日は、出血のリスクを高める行為を避ける必要があります。具体的には、飲酒と激しい運動は控えてください。入浴も控え、シャワー浴にとどめるようにしましょう(患部を濡らさないように注意します)。食事は普通に摂っていただいて構いません。
術後の経過
手術直後は、軽度の出血や腫れが見られることがありますが、これは通常の反応です。処方された軟膏を塗布し、ガーゼで保護しながら傷の回復を待ちます。
切開法の場合は、約1週間後に抜糸のために再来院していただきます。くり抜き法で縫合しなかった場合も、傷の状態を確認するための診察が行われることがあります。
傷が完全にふさがるまでの期間は、手術方法や粉瘤の大きさによって異なります。くり抜き法で縫合しなかった場合は、傷がふさがるまでに1〜2週間程度かかることがあります。切開法で縫合した場合は、抜糸後も傷跡が落ち着くまでに数週間から数か月かかります。
日常生活での注意点
術後1〜2日は、シャワーのみとし、湯船に浸かることは控えてください。傷口が十分にふさがってから入浴が可能になります。
また、傷の部位によっては、重い荷物を持つことや体に負荷がかかる動作を避けるよう指示されることがあります。医師の指示に従い、無理のない範囲で生活してください。
傷跡のケア
手術の傷跡をできるだけ目立たなくするためには、術後のケアも重要です。傷が治った後も、テープで保護したり、保湿を心がけたり、紫外線対策を行ったりすることで、傷跡の仕上がりをきれいにすることができます。傷跡のケア方法については、担当医に相談してみてください。
異常を感じたら
術後に強い痛みが続く場合、出血が多い場合、発熱がある場合などは、合併症の可能性があります。このような症状が見られたら、速やかに手術を受けた医療機関に連絡し、指示を仰いでください。
10. 粉瘤の再発を防ぐために
粉瘤の手術を受けても、残念ながら再発する可能性がゼロではありません。再発を防ぐためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
手術での完全摘出が最も重要
粉瘤が再発する最も大きな原因は、手術の際に袋状の構造物(嚢腫壁)が完全に取り除けておらず、一部が残ってしまっていることです。袋が少しでも残っていると、再びその袋の中に角質や皮脂が溜まり、粉瘤が再発します。
特に炎症を起こしている状態で手術を行うと、袋が周囲の組織と癒着しているため、完全に取り切ることが難しくなります。そのため、できるだけ炎症を起こす前に手術を受けることが、再発リスクを低く抑えるポイントとなります。
経験豊富な医療機関を選ぶ
粉瘤の再発を防ぐためには、粉瘤手術の経験が豊富な医師、医療機関を選ぶことも大切です。丁寧な手術によって袋を完全に摘出することができれば、再発のリスクは大幅に低減されます。
日常生活でのセルフケア
粉瘤の発生メカニズムは完全には解明されていないため、確実な予防法は存在しません。しかし、肌のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)を正常に保つことは、粉瘤の発生リスクを下げる可能性があると考えられています。
具体的には、以下のようなセルフケアが推奨されます。
皮膚を清潔に保つこと。毎日の洗顔や入浴で、余分な皮脂や汚れを適切に落とすよう心がけましょう。ただし、過度な洗浄は皮膚を傷つけ、かえって逆効果になることもあるため、優しく洗うことが大切です。
バランスのとれた食生活を心がけること。脂質の過剰摂取は皮脂の分泌を増加させる可能性があります。野菜や果物を含むバランスの良い食事を心がけましょう。
適度な保湿を行うこと。乾燥した肌はターンオーバーが乱れやすくなります。保湿剤を使って肌のうるおいを保つことも大切です。
ホルモンバランスを整えること。睡眠不足やストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌に影響を与えることがあります。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠を取るようにしましょう。
定期的なセルフチェック
一度粉瘤ができた方は、同じ部位や別の部位に再び粉瘤ができることがあります。定期的に自分の皮膚をチェックし、新しいしこりや違和感を見つけたら、早めに医療機関を受診しましょう。早期に発見すれば、小さいうちに治療することができ、傷跡も最小限に抑えることができます。
11. 大宮・さいたま新都心エリアで粉瘤治療を受けるメリット
大宮駅とさいたま新都心駅は、埼玉県内でも屈指の交通アクセスを誇るエリアです。粉瘤の治療を検討されている方にとって、通いやすい立地で医療機関を選ぶことは重要なポイントとなります。ここでは、このエリアで粉瘤治療を受けるメリットについてご紹介します。
大宮駅・さいたま新都心駅の交通アクセス
大宮駅は埼玉県内最大のターミナル駅であり、JR京浜東北線、JR宇都宮線・高崎線(上野東京ライン)、JR埼京線、JR湘南新宿ライン、東武野田線(アーバンパークライン)、ニューシャトルなど、多数の路線が乗り入れています。東京駅からは約30分、新宿駅からは約25分、池袋駅からは約20分でアクセス可能です。
さいたま新都心駅は大宮駅から1駅、JR京浜東北線・宇都宮線・高崎線でわずか約3分の距離にあります。電車の本数も多く、平日の日中は3〜4分間隔、朝夕のラッシュ時は2〜3分間隔で運行されているため、待ち時間も少なく移動できます。
川口、浦和、蓮田、上尾、桶川、北本、鴻巣など埼玉県内各地からはもちろん、東京都北区や板橋区、千葉県の柏市や野田市方面からも乗り換えなしでアクセスできる方が多いのが特徴です。
仕事帰りや買い物ついでに通院しやすい環境
大宮駅周辺にはルミネ大宮、エキュート大宮、大宮アルシェ、そごう大宮店などの商業施設が充実しています。さいたま新都心駅周辺には、さいたまスーパーアリーナやコクーンシティといった大型施設があり、買い物や食事を楽しむこともできます。
粉瘤の手術は日帰りで行われ、手術後も通常の日常生活を送ることができます。そのため、仕事帰りに受診したり、買い物のついでに通院したりといった形で、無理なく治療を続けることが可能です。切開法で縫合した場合は約1週間後に抜糸のための再来院が必要ですが、アクセスが良い場所であれば負担を最小限に抑えられます。
医療機関が集積しているエリア
大宮駅周辺は、埼玉県内でも医療機関が特に集積しているエリアのひとつです。皮膚科や形成外科を標榜するクリニックも多数あり、粉瘤の診察・治療に対応している医療機関を見つけやすい環境にあります。
医療機関を選ぶ際には、以下のようなポイントを参考にしてみてください。
粉瘤の手術実績が豊富かどうか。経験豊富な医師による手術は、再発リスクを低く抑えることができます。
日帰り手術に対応しているかどうか。粉瘤の手術はほとんどの場合、日帰りで行うことができます。
通いやすい立地かどうか。手術後の経過観察や抜糸のために再来院が必要になることがあります。自宅や職場から通いやすい場所にある医療機関を選ぶと便利です。
予約システムや診療時間が自分のスケジュールに合うかどうか。仕事や学校の都合で受診できる時間帯が限られている方は、診療時間や予約の取りやすさも確認しておくとよいでしょう。
周辺エリアからのアクセス例
大宮駅・さいたま新都心駅には、埼玉県内はもちろん、近隣都県からも多くの方がアクセスしやすい立地にあります。主要エリアからの所要時間の目安は以下のとおりです。
浦和駅から大宮駅まで:JR京浜東北線で約8分
川口駅から大宮駅まで:JR京浜東北線で約20分
上尾駅から大宮駅まで:JR高崎線で約6分
蓮田駅から大宮駅まで:JR宇都宮線で約10分
春日部駅から大宮駅まで:東武野田線で約25分
岩槻駅から大宮駅まで:東武野田線で約12分
赤羽駅から大宮駅まで:JR京浜東北線で約18分
池袋駅から大宮駅まで:JR湘南新宿ライン・JR埼京線で約23分
このように、大宮・さいたま新都心エリアは広範囲からアクセスしやすいため、通勤・通学の途中や休日を利用して無理なく通院できる方が多いのが強みです。
アイシークリニック大宮院のご紹介
アイシークリニック大宮院は、大宮駅から徒歩圏内にある皮膚科・形成外科クリニックです。粉瘤をはじめとする皮膚のできものの診察・手術に対応しており、経験豊富な医師が丁寧な治療を提供しています。
さいたま新都心方面からお越しの方も、大宮駅まで電車で約3分とアクセス良好です。また、浦和、川口、上尾、蓮田、春日部、岩槻など埼玉県内各地からはもちろん、東京方面からも通いやすい立地にあります。粉瘤でお悩みの方、皮膚にしこりを見つけて不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。

12. まとめ
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下にできる袋状の良性腫瘍です。角質や皮脂などの老廃物が袋の中に溜まることで形成され、放置すると徐々に大きくなっていきます。自然に治ることはなく、根本的な治療には手術による袋の摘出が必要です。
粉瘤の主な特徴をまとめると、以下のようになります。
体のどこにでもできる可能性があるが、顔、首、背中、耳の後ろなどに多い。中央に黒い点のような開口部があることが多い。通常は痛みやかゆみがないが、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴う。放置すると大きくなり、炎症や感染のリスクが高まる。手術によって袋ごと摘出することで根治が可能。
粉瘤の治療は健康保険が適用され、多くの場合は日帰り手術で対応することができます。手術方法には「くり抜き法」と「切開法」があり、粉瘤の大きさや部位、患者さんの希望などに応じて適切な方法が選択されます。
炎症を起こしてしまうと治療が複雑になり、傷跡も大きくなりやすいため、できるだけ早期に受診することをおすすめします。皮膚にしこりを見つけたら、「脂肪のかたまりだろう」「そのうち消えるだろう」と自己判断せず、一度専門医の診察を受けてみてください。
大宮・さいたま新都心エリアは埼玉県内でも交通アクセスに優れ、医療機関も充実しています。浦和、川口、上尾、蓮田、春日部、岩槻など埼玉県内各地からはもちろん、東京都内からも通いやすい立地です。アイシークリニック大宮院では、粉瘤の診察から手術まで、患者さんお一人おひとりに合わせた治療をご提供しています。粉瘤に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
参考文献
- アテローム(粉瘤) Q&A|日本皮膚科学会
- 粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)|日本形成外科学会
- 粉瘤|慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト KOMPAS
- 粉瘤(ふんりゅう)|兵庫医科大学病院 みんなの医療ガイド
- 粉瘤について|関東労災病院
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務